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村を作ってる美容師が本気で創るスパイス物語 No.4

こうやってたまに若い者と話すのは楽しいな〜。。

年寄りは話し相手がいてくれるのが何よりも嬉しいんじゃ。

おっと。。いかんいかん。

話を進める前に、ここから初めて見た人には何のこっちゃわからんじゃろう。

もしよかったら下にあるNo.1から順に見てもらえるとすぐに理解できると思うぞ。

まぁ、気が向いたら見てみてくれや。

それじゃ、続きを話していくぞ。


む〜にー:「Ryo色々聞いて悪いな。若い者の話を聞くのは楽しくてな。髪を切ってもらいながらこうやって話す時間がワシの月に一度の楽しみでもあるんじゃ」

Ryo:「全然大丈夫だよ。こちらこそむ〜にーさんとの時間は最高だよ。ありがとう。あんまりこうやって自分のことを振り返って話す機会ってないから、改めて自分と向き合うって新鮮だね」

む〜にー:「そうじゃろ?時々自分のことをゆっくり振り返ってみる時間も大事だとワシは思うぞ。ワシは車が好きなもんでな。その車に例えるとな、いつまでも自分のギアをトップに入れっぱなしじゃと体も心も疲弊するもんじゃ。たまにはギアをニュートラルに戻して、そしてローに落とす。こういったコントロールが自分自身にも必要じゃ。人間も車も似たようなもんじゃ。もちろんメンテナンスも大事じゃということじゃな」

Ryo:「その通りだね。本当に実感する」

む〜にー:「ところでRyo。さっき【危機感】と言っておったな。ワシはRyoのイメージといえば「いつも楽しんでいる」というイメージじゃったから危機感という言葉に少しビックリしたんじゃがどういうことなんじゃ?」

Ryo:「う〜ん。【楽しむ】とか【面白い】ってのは確かに重要で、それが一番大事ってのはいつも思ってる。どこでもそれを感じられる人間でありたい!ってのはまさに人生のテーマだしさ。でも俺が動く原動力はそれだけじゃないって事に最近気がついたんだよね」

む〜にー:「ほう。それが危機感というやつか?」

Ryo:「そう。楽しいとか面白いって感じるセンサーとはまた別な部分で、危機察知センサーってのがある」

む〜にー:「なるほど。意外じゃな。普段のRyoからはあまり聞かん言葉じゃ」

Ryo:「そうかな?例えば俺の場合だと、もし今右腕がなくなっちゃったらハサミが握れなくなって人様の髪も切れなくなる。だから今までみたいに生きることは無理じゃない?「そうなったらどうしよう?」って事をイメージすると、それでも生きていける武器を身につけておく必要があるな〜とかって漠然と思うんだよね」

む〜にー:「ふむふむ。いつまでも今の状態が続くわけではないということじゃな?常に最高と最悪をイメージしておく。大事なことじゃと思うぞ」

Ryo:「まぁ現実にそんなことが起こる確率はかなり低いとは思うけど、絶対に無いとは言い切れない。極端だけど「来週からインドに住まなきゃいけない」ってなっても、慌てずにとりあえず現地で最低限のお金は稼いで家族は養えるよ。っていう態勢にしておくみたいな。いざ本当に自分がその立場になった時にどう思うかはその時にならないとわからないけどね」

む〜にー:「現に正体不明の未知のウイルスに苦しめられるというような事もあるしな。想定外というのはいつでも起こり得るもんじゃ」

Ryo:「本当にそうなんだよね。今日の当たり前が明日も当たり前だとは限らない」

む〜にー:「なるほどな。確かに事が起こってから考えているようでは遅いという事もあろう。ある程度想定しながら生きている方が初動は早いじゃろうな。切り替えの速さというのは非常に大事じゃ」

Ryo:「うん。でもだからといって今回の正体不明のウイルスが襲ってきて「じゃあ何ができるの?」と自分に問いかけた時にやれる事は少なかった。でも同時に【美容師の楽しさ】ってのを改めて知る事ができたんだよね」

む〜にー:「ほう。美容師の楽しさか。具体的にはどういったことじゃ?」

Ryo:「純粋に美容師として、お客様が来てくれる嬉しさをいつも以上に感じる事ができたの。もちろん普段も「ありがたい」って思ってるんだけど、世の中が大変な状況になっても髪を切りにfreedomを選んで来てくれているお客様がいて。その人たちの髪を切りながらお互いに笑顔になって。ただそれだけなんだけど純粋に「美容師が楽しい」って思えた事が本当にありがたかった」

む〜にー:「なるほどの〜。再確認できたわけじゃな。同時にやっぱり美容師という職業の素晴らしさをワシは感じるな」

Ryo:「そうだね。改めて俺もそれを実感する事ができた。「どんな時でも人を笑顔にする事ができる仕事なんだ!」ってことを改めてね」

む〜にー:「本当にそうじゃな〜。ところでさっきインドと言っておったな。前にRyoからチラッと聞いた話を思い出したんじゃが、確かRyoは海外でも髪を切ったりしておったよな?」

Ryo:「ん?あ〜、そうだね。過去にベトナム・台湾の2カ国でやったかな」

む〜にー:「それは何かきっかけがあったのか?それも危機感からきているのか?」

Ryo:「んー。どうだろう。ただ単純に「人種や話す言葉が違っても髪を切ることで人を笑顔にすることはできるのかな?」ってのが気になってさ。経験値を積みにいく感覚だね」

む〜にー:「実際やってみてどうじゃったんじゃ?」

Ryo:「笑ってくれた。喜んでくれた。嬉しかったよ。どこか安心した自分もいた。相手が笑うポイントだったり技術もそうだけど。「なんだ、日本人と変わらないじゃん」ってのを実感できた」

む〜にー:「ふむふむ。それは確か現地の路上でやると言っておったのう?」

Ryo:「そうだね。現地の路上でゲリラ的に始めて、その場でモデルを探す感じ。ヒッチハイクに近いよね。段ボール掲げてさ」

む〜にー:「はぁ〜、凄い行動力じゃ。言葉はどうするんじゃ?現地の言葉を話せるのか?

Ryo:「いや、全く話せないよ。その場のフィーリングが全てだね。だから感覚が研ぎ澄まされるって感じかな。まぁただのストリートパフォーマンスなんだけどね」

む〜にー:「ふぉっほっほ。面白い事をするの〜。それで相手は喜んでくれるんか?」

Ryo:「そうだね。皆最後は笑顔でハグしてグッバイって感じだし、現地で切った人たちの表情や情景は今でも覚えてるよ」

ワシはその場を見とらんし、Ryoからの話を聞いてるだけで想像でしかないんじゃがな。

Ryoはパフォーマンスと言ってはおるが、聞いてるとまるで「格闘技のリング上」に似た緊張感のような物も伝わってくるんじゃ。

「言葉も通じない中での一発勝負」という意味では、目の前の人が気に入らずに怒ってしまう可能性もあるわけじゃからな。

そこは日本でやるのとは間違いなく違うじゃろう。

恐らく本人はそこまで考えておらんじゃろうがのう。

む〜にー:「しかしそれは最高の思い出じゃな〜。その場でお金は頂くのか?」

Ryo:「一応もらうよ。チップという形で少額だけどね」

む〜にー:「なるほどの〜。タダであればやって欲しいという人や喜ぶ人がいても当然じゃと思うが、お金を頂いた上で笑ってくれているというのは凄いな。しかも異国の地で言葉も通じんのにな」

Ryo:「まぁだから、とりあえず「明日からベトナムや台湾で暮らせ!」って言われても何も抵抗なく行けるだろうね」

む〜にー:「技術や人間性は世界共通だということなんじゃな。そう考えると美容師というのは改めて面白い仕事じゃな」

Ryo:「本当の意味でそれを知ることができたいい経験だったね。最高のレベル上げだったよ」


話せば話すほど色々な引き出しから様々なエピソードトークが出てくる。

しかも、その全てが全部違う角度から飛んでくるから年寄りのワシも受け止めるのに必至じゃ。

でも何故じゃろう。

Ryoと話しているとワシも若い頃を思い出したような感覚になってワクワクしてくるんじゃ。

不思議じゃのう。

さて、もう一つRyoに聞きたい事があったので次回はそれを聞いてみる事にするぞ。

では、また後でな。

もしも応援して頂けるならこんなに嬉しい事はないぞ。頂いた活動費は「もちろんスパイスの製作、そしてこれからの活動費として使わせて頂きます」と、Ryoも申しておる。 これからも宜しく頼むな。