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コメダ珈琲店の禁煙席で【オンガク猫団コラムvol.23】

夕方、某駅近くのコメダ珈琲店へ行った。なんとなく、気分転換である。この店は、飲物をオーダーすると、小袋の豆菓子が貰えるのが嬉しい。オイラは、独りで喫茶店で時間を潰すのは、あんまり得意じゃないけれど、今日はワイフと一緒だった。

店はほぼ満席で、ドア前には推定35歳位の中流よりやや上流よりの雰囲気を湛えたオバサン4人と、おとなしい幼稚園児の男の子が1人立っている。程なくして店員がやってきて、その5人組に軽く会釈した。

「お客さま、禁煙席と喫煙席がありますが、どちらがよろしいでしょうか?」と、お定まりの質問を浴びせる。集団の中のリーダー格の小綺麗な女性が、柳眉を逆立てて、小声で嘆息しながら即答した。「禁煙席で」と。

こっちは小さな子供がいるのよ、見たらわかるじゃないの、とでも言いたげな呆れ顔。そんなことは直ぐに察知できますよ。アタシはKYじゃないんだし、という不満顔の店員は、マニュアル通りのアナウンスをするしかない。「喫煙席ならすぐにご案内できますが…」すると集団の女性らはユニゾンで即答する。「きんえんせきで!」

平成14年に健康増進法が施行されるようになってから、喫煙者狩りが著しくなった。オイラは煙草は吸わないけれど、喫煙者と煙草を敵視している人でヒステリックになる人は多い気がする。

ヒトラーは、国策として最初に禁煙を国民に強要した人物らしい。彼の母親は肺がんで亡くなっていて、自分が貧乏で買うことができなかった煙草に怨みがあったそうだ。健康な兵士と、健康な兵士を産む女性が必要だったとか。

煙草容認派は、健康と長生きは別物であるという立場をとる人がいるようだ。言われてみれば、確かに一理ある。例えば40歳まで風邪ひとつかからなかった人が、ノロウイルスに感染して死んでしまったとしたら、ああ、昨日まで健康でピンピンしてたのに、と思うだろうしね。

オイラが考える健康とは、いかに身体が頑丈かということに尽きる。頑丈な人は、多少悪いものを摂取してもビクともしない。ただ頑丈な人は得てして、頑丈でない人を小馬鹿にすることがある。オイラはそういうのが苦手なんである……。

こんなことを考えていたら、すっかりホットコーヒーが冷めてしまった。こんなことなら、アイスコーヒーにしとけば良かったかな。いや、オイラ最近胃腸の調子がイマイチだから、その選択はないか。いずれにせよ、そこそこ長生きしたいッス。

オンガク猫団(挿絵:髙田 ナッツ)

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