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Head like a hole


 自分のnoteの記事に法外な値段をつけたいな~と思うことがたまにある。いや、はっきり言って常にある。しかし僕は良識を持った大人なので、仮にそういうことをやるとしても1記事500円という極めて良心的な価格設定をするだろう。

 もちろんビッグマック1個分の価値が自分の書いた文章にあるとは到底思えない。もし500円で僕の記事を買って実際に読んでみたら多分ビッグマックを買ったのに具材が直径3mm程度のレタスしか入っていないという肩透かし感を喰らうことになるだろう。

 しかしここで急に話は飛躍するのだが、このnoteの記事、アカウントが何らかの宿命的な因果により爆発的に知名度が上昇し、熱烈な信奉者が日本列島に続出するといった可能性も決してゼロとはいえない。
 僕の努力次第ではそういう希望的観測を現実に昇華させることだって理論上出来なくはないのだ(まあ今日も特に予定なかったからほぼ一日中ベッドの上でジャンプ+で『ONE PIECE』のアラバスタ編読み耽ってたけど)。

 もしそうなった場合にはこのnoteの記事を無料で提供することが困難になる可能性だってあるわけである。
 人生は可能性に満ちているのだから。
 宝くじが当たって突然億万長者になる可能性だってあるし、ある日突然画期的なスパイスの調合配分を思いついて伝説のカレー屋の店主になる可能性もある。「あの雲わたあめみたいだな~」と思っていたら自分が見ていたのは雲じゃなくて普通に高い立地で販売されているわたあめだった可能性もあるし、けん玉で自分の股間めがけて飛んできた銃弾を跳ね返す才能が突如として開花する可能性だってある。逆に知ってはいけない機密事項を知ってしまったために身体をロープでぐるぐる巻きにされて東京湾にドボンされる可能性も人生には潜んでいるのだ。

 まあとにかく、世間の需要がこのあまりにも脱力系な内容の記事に奇跡的にフィットしたケースを考えると、流石にビッグマック単体ではなくセット価格で販売することを検討した方がいいだろう。それが然るべきビジネスマンの対応というものである。

 だが読者諸賢もおわかりの通りこんなくだらないことを書いているnoteが爆発的に知名度が上がるわけがなく、恥ずかしげもなく上記のような荒唐無稽な誇大妄想を羅列してしまっている時点でマズロー的承認欲求が満たされずにいるだけの社会不適合アカウンチ(アカウント)であることは厳然たる残酷な事実としてそこに存在している。

 故にこのnoteの記事は今までもこれからも、どんなことが起ころうとも未来永劫フリーであることを親愛なる読者諸賢に約束する。
 たとえ価値観が逆転するような革命が起こって大金持ちやルックスの卓越した人間が非難され、27歳独身男性(実家暮らし)(致命的なコミュニケーション不全)(今のところ特に生き甲斐なし)が異様に礼賛される世の中になったとしてもこのnoteは無料で読める。ありがたいことに。

 そもそも僕は金があったとてその有効な使い方が未だにわかっていないので、noteの有料記事を販売する気なんて元からない。上に書いたことは全部冗談である(じゃあ最初から書かなくて良い気もする)。
 金があったとて本や漫画を買ったり、スーパーで寿司を買ったりするだけである。金で得られる充足感というものを僕はあまり信頼していない。

 生来的に物欲が薄いせいもあるが、金を使って一時の欲望を満たした後に一体何が残るのだろう?いや、厳密に言えば一体僕はこの世に何を求めているのだろう?

 きっと世渡りが上手い人は貯蓄した金銭を有効活用して現在の僕が抱えているような霧を晴らしていくことが出来るのだろうが、残念なことにもはや金の有効な使い方を考えることすら面倒になってしまった。

 以前社交性と貯蓄残高は反比例すると書いたが、おそらくその恐るべき社交性の低さが僕の精神性の豊潤さと呼べる部分を余すところなく剥ぎ取ってしまい、金銭に対するありがたみや価値を相対的に殺してしまったのだろう。拝金主義者や守銭奴といった言葉は僕の世界とは対極に位置しているのだ。

 未来のことを想像してみる。口座残高が一定のリズムで増えていき、やがて大金持ちとも呼べるほどの財産を築き上げたとしても、結局あとに残るのは何なのだろう?という不安が胸の内に湧いてきた。まあ捕らぬ狸の皮算用に過ぎないことは自分が重々承知しているけれど。

 結局僕が潜在的に欲求しているのは「富」ではない。「名声」か?そうとも言えるかもしれない。クリエイションによってもたらされる「名声」、そういうものを僕は求めているのかもしれない。あるいは「力」を。


 結論として、僕は海賊王になります。



おわり


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