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「センスのある」設計者になるためのポイント

皆さん、こんにちは。谷崎です。

雑誌に取り上げられるような有名な建築家の作品や、優秀な設計者のアイデアを見ると「人とは違うセンスがある」と感じることがありますよね。

設計者や設計者を目指す学生さんの中には、
「自分にはセンスがない」「センスは生まれつきのものだから教わることは難しい」
そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。

私は全く反対の考え方をしています。

つまり、センスは感覚的なものではなく論理的なものであり、後からいくらでも身に着けることが出来ると考えているのです。

今回は、誰でもセンスが身に着けられるようになるポイントをお伝えしていきたいと思います。



ただ見るのではなく○○を見る

センスを身に着けるために、まず鍵になるのは、デザインの意図と構造を考えること。

建築はもちろん、それ以外の様々なデザインを見た際に、「何となく良かった、悪かった」で終わらせてしまうのではなく、「何故そう感じるのか」をいかに論理的に理解できるかということがポイントです。

また、一見奇をてらったように見えるデザインを、ただ「個性的」「奇抜」という言葉で片付けてしまいがちですが、「どのような意図、目的を持ってこうしたのか」ということを考えることが、最も重要であるといえます。

このように、デザインを論理的に理解することが出来れば、自分が表現したいものに応用することが出来ます。

そして、これが自分の発想、センスにつながっていくのです。


何でも自分のセンスに出来る

では、具体的に私自身はどのようなところから、どんなデザインを学んだのか、ということをご紹介したいと思います。

その1つは、妙喜庵「待庵」という千利休の茶室です。

待庵の特徴は、室床になっているという点で、壁の角が一般的な建造物のように直線的ではなく、丸くなっています。

壁の角をあえて丸くすることで、空間の奥行きが認識しにくくなり、空間内の距離感のあいまいさを作り出しています。

さらに、その意図としては、「身分の隔たりがある人々が集まっても、決して窮屈に感じさせない」という利休の配慮が伺えます。

このように見ると、住宅設計においても、狭い空間でも圧迫感を与えないようにしたい、というときには「壁を丸くして、距離感をあいまいにする」という手段をとることが出来ます。

技法自体は私が考えたものではありませんが、私の引き出しの一つとして活用できるものになっていったのです。


差をつけるもう1つのポイント

このように、センスは生まれつきの要素が少ない、ということがわかると、反対にどこで差がつくのだろう?と考える方もいるかもしれません。

差がつく要因としては、どのようなインプットをしているかどうか、ということが大きくなるのではないかと考えています。

つまり、建築はもちろんそれ以外の様々なデザインに触れているかということです。

前段に書いたような待庵の技法に関しても、知っているか知らないかでは1つ、差になりますよね。

ですので、もしこのコラムを読んでいる皆さんが設計者としてスキルアップしていきたいと考えているとしたら、デスクにひたすら向かうことも大切ではありますが、いろいろなデザインを見て、意図と構造を考える、ということに是非取り組んでみていただきたいと思います。


まとめ

①センスは先天的なものではなく、後から身に着けられる

②デザインの意図を考え、構造を読み解く

③常に情報に触れ、正しいインプットを続けていく


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