神野勇咲

フリーのプランナーをやってます 福祉職経験10年以上。障がい者と親の劇団にスタッフ兼役…

神野勇咲

フリーのプランナーをやってます 福祉職経験10年以上。障がい者と親の劇団にスタッフ兼役者として所属 福祉や演劇に関するイベント・プロジェクトに関わる一方で、Vtuberとして配信活動中。 お仕事について:https://www.hanasaka-akikan.com

最近の記事

5.障がい者と演劇

前の記事で述べた通り、好きなものへの集中力や熱意は障がいの特性も相まって、かなり質の高いものと考えられます。演劇においても、自分に与えられた役(その役が自分自身に即して割り振られたものであっても)に対する作り込みや、演出や脚本の想定を超えた動きを見せてくれることが多いと感じます。 公演する上で意識してもらいたいことを伝えはしますが、彼らの演技を否定することは決して行いません。(あくまで私の見てきたレッスンや公演の話で、未だにダメ出しを良しとするケースもありますが) 「否定さ

    • 4.障がい者の表現活動

      さて、ここまでは「演劇の今」について述べてきましたが、ここで福祉の方に目を向けてみるとします。 昨今、障がい者の表現活動に注目が向き始めているのはご存知でしょうか。「ヘラルボニー」という会社が、ニュースやインタビュー記事で取り上げられるようになったのがその一例です。こちらは、障がい者が描いた絵をデザインとしてアパレル企業に提供し、一般的な衣服の価格で販売する事業を行なっています。(noteにも記事をあげてらっしゃいますね) 一般的と述べましたが、障がい者の作ったものを販売

      • 3.推し活と演劇

        「推し」という言葉が当たり前のように使われる機会が増えてきました。コロナ禍きっかけで自分の時間を得て、自宅で楽しむコンテンツに没頭する人が増えた結果でしょうか。キャラクター、役者、アイドル、Vtuber、それぞれの分野が工夫して活動するようになり、いつでも好きなものに触れる機会になったのは言うまでもありませんね。 コロナ禍が下火になった今、現地で直接会うイベント(グリーティング、音楽ライブ、公開収録など)が再び盛り上がってきました。自宅で見た推しに、直接会う需要が高くなって

        • 2.自己啓発と演劇

          コロナ禍を起爆剤に、働き方改革が急激に加速した企業が見られます。会社ありきの生活から自宅勤務に移り変わる中で、生まれた自分の時間をスキルアップに活かそうとする風潮が見られ、自己啓発のビジネス書や動画を見かける機会が増えました。 さて、自己啓発と一言で伝えましたが、その種類は多様で、マネージメント・資産運用・健康・IT技術など…キリが無いほどの内容が挙げられますね。その中でも、コミュニケーション・スピーチやプレゼンテーションといった、対人関係の分野に演劇の手法が取り入れられて

        5.障がい者と演劇

          1.演劇は敷居が高い?

          「演劇」と聞くと何を思い出しますか? 演劇部、舞台俳優、劇団四季、2.5次元…なんとなくニッチな趣味、才能のある人がやるものといった印象が根強いのではないでしょうか。「バンドやりたい!」「イラストレーターになりたい!」学生と比べて、「演劇やりたい!」学生の数は少ないように思えます。 学生時代を振り返ると、音楽と美術の授業はあるのに、演劇の授業は無いですよね。「これだから日本教育は!」という話も聞くのですが、それは一旦置いといて。 加えて比較されがちなのが、映画でしょうか。舞

          1.演劇は敷居が高い?

          はじめに

          障がい者の余暇支援に携わって10年以上経ち、生活介護・就労継続B型の施設で勤務してきました。その中で偶然、障がい者の劇団の公演を観る機会があり、役者がのびのびと舞台に立っている姿に魅せられて、結果その劇団のスタッフとして現在活動しています。その後、公演先となるイベントの運営に関わり、法人の企画する障がい者のアート支援活動に携わる機会を得ました。 当初は劇団の活動と法人の企画を結びつけられるチャンスだと感じたのですが、実現させることができませんでした。現場で直接の支援をしなが