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【小説と映画】 住野よる『君の膵臓を食べたい』 ※ネタバレ注意!

1、はじめに

以前のnoteでは、小説版『君の膵臓をたべたい』について、ぼくの感想を紹介しました。

今回は映画をみてみたので、どのような違いがあり、それぞれにどのような魅力があるのかについて、綴っていきます。

2、比較してみた

・小説

山内桜良の葬儀のシーンからスタートする。そこから主人公と桜良との過去の思い出を回想していく。所々に心情描写を置くことによって、主人公の心の変化をキャッチしやすくなっているように思われた。主人公の名前は最後まで明かされない。

・映画

小説とは違い、主な時間軸は桜良の死から12年後の世界を描いている。主人公は桜良のアドバイス通り、学校の先生となり、母校で図書管理の担当に任されていた。所々、小説とは異なる部分もあるが、大まかな流れはほとんど同じであった。現在と過去の時間軸を行ったりきたりし、目まぐるしく景色が移り変わることで、飽きることのない映画になっていた。

◎比較

小説では、大人になった主人公が描かれておらず、高校生時代の記述しかないため、ダイレクトに彼らの心の動きや考え方を受け取ることができる作品であるように感じました。一方で、映画では時間軸が現在と過去を往来することで、大人になって少し整理されてきた心の中にまた彼女が現れることで、小説のような大きな感情の起伏を強烈に感じることは出来ませんでしたが、マイルドな感動物語に落ち着いたように思われます。

3、終わりに

ぼくは、小説→映画の順番で見たので、小説の方が心を動かされました。ですが、映画では、桜良の心情が小説よりもわかりやすく描写されており、印象に残るシーンはたくさんありました。

特に、桜良と主人公が最後の旅行に行こうとするシーン。桜良が退院するという「強がりの嘘」にはとても感動しました。

それまでは、桜良は恭子のような大切な人には嘘をついて悲しませないようにし、日常を満喫していました。しかし、『共病文庫』を知られたものの、普通の生活をしてくれる主人公にだけは嘘をつかず、病のことを打ち明けていました。

しかし、最後のシーンでは、自分を大切に思ってくれる主人公にも嘘をついて最後の旅行に行こうとします。

ここに桜良の心情の変化を見れるような気がしました。

結局、その夢は叶いませんでしたが、この物語で、主人公と桜良の二人は永遠のソウルメイトとして形を成したと言えるでしょう。

・追伸

正直、どちらも大号泣しました。

感情移入しすぎて、ぼく自身も、桜良を失った喪失感がすごいです。

もしぼくが、志賀春樹だったら、一生結婚できないだろうな、、、

あともしよければ、スキしてくれた人は

『君の膵臓を食べたい』と似たような小説を教えて欲しいです。

この形の小説は大好きだし、心に彩りを与えてくれます。


ではまた

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