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分かりやすい文章を書くための2つのテクニック

(このNOTEは3分で読めます。約2,200文字)
『この文章ってどういう意味だろう?』と思ったことはありませんか?

先日購入した本にこんな文章がでてきました。

『こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本』より

『経営者の女性へのセクハラ問題』という文章に違和感を持ちませんか?
違和感の正体は、2つの意味合いが読み取れることです。

①経営者が女性で、その女性に対するセクハラ問題
②経営者が男性もしくは女性で、その経営者によるセクハラ問題

幸いにも写真がついているため、②の意味合いで、かつ、経営者が男性だということが分かります。

しかし、写真がなく『米映画会社ワインスタイン・カンパニーは経営者の女性へのセクハラ問題をきっかけに倒産することになった』という文章だけだった場合、①②どちらの意味合いなのかはすぐに分かりません。

出版社の校閲が入った書籍でさえも分かりづらい文章は存在しています。私のような素人が書いている文章には、より多くの分かりづらい文章が出てきているだろうと推測できます。

このNOTEでは、誰でも簡単に使える分かりやすい文章を書くテクニックを2つ紹介します。本田勝一『日本語の作文技術』に紹介されているテクニックです。簡単ですが、強力なテクニックだと思いますのでぜひ最後まで読んでみてください。

✅1、『節を先にし、句を後にする』

1つ目のテクニックは、『節を先にし、句を後にする』です。

『紙』と、『紙』を形容する3つの修飾語があります。

・白い紙
・横線のひかれた紙
・厚手の紙

1つにまとめる場合、どういった順序が分かりやすいでしょうか。
上から順番に1つにまとめると『白い横線のひかれた厚手の紙』になります。

『『白い横線』ってなんだ?』とクエッションマークが浮かびそうです。

パターンとしては全6パターン考えられます。

①白い横線の引かれた厚手の紙
②厚手の横線の引かれた白い紙
③白い厚手の横線の引かれた紙
④横線の引かれた白い厚手の紙
⑤横線の引かれた厚手の白い紙
⑥厚手の白い横線の引かれた紙

『④横線の引かれた白い厚手の紙』と『⑤横線の引かれた厚手の白い紙』が分かりやすいのではないでしょうか。

ここから、動詞が入っている修飾語(節)を始めにもってくる、というテクニックが導き出されます。

✅2、『長い修飾語は前に、短い修飾語は後に』

2つ目のテクニックは、『長い修飾語は前に、短い修飾語は後に』です。

例えば、

AがBをCに紹介した。

という文章があったとします。

Aが:主格
Bを:対格
Cに:方向格
これらはすべて対等の資格であるため、順序を混ぜても意味は変わりません。英語のように決まった文型がない日本語の特徴でもあります。順序を混ぜても意味が変わらないため、下記のように全6パターンを読んでみても意味は分かります。

①AがBをCに紹介した。
②AがCにBを紹介した。
③BをAがCに紹介した。
④BをCにAが紹介した。
⑤CにAがBを紹介した。
⑥CにBをAが紹介した。

では、BとCに下記のような修飾語を追加するとどうでしょうか。

・私がふるえるほど大嫌いなB
・私の親友C

先ほどの全6パターンに当てはめると下記のようになります。

①Aが私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友Cに紹介した。
②Aが私の親友のCにふるえるほど大嫌いなBを紹介した。
③ふるえるほど大嫌いなBをAが私の親友のCに紹介した。
④ふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCにAが紹介した。
⑤私の親友のCにAがふるえるほど大嫌いなBを紹介した。
⑥私の親友のCにふるえるほど大嫌いなBをAが紹介した。

①~⑥のうちどれが一番分かりやすいでしょうか。
おそらく④が分かりやすかったと思います。

ここから、長い修飾語は前にして短い修飾語は後にする、というテクニックが導き出されます。

✅3、書籍紹介

『節を先にし、句を後にする』と『長い修飾語は前に、短い修飾語は後に』どちらも簡単に取り入れることができるテクニックではないでしょうか。この2つのテクニックは、本田勝一『日本語の作文技術』に記載されているテクニックです。

東進ハイスクールの林修先生がテレビ番組内でこの本を紹介したことがきっかけで購入しました。1982年に出版された本ですが、内容は全く色あせていません。

文庫本で定価660円ですが、それ以上の価値があります。
ぜひ、読んでみてください。

↓こちらがkindle版です。私が購入した4年前はまだ電子書籍として出版されていなかったため、kindleを持っている方はこちらもありだと思います。

✅4、まとめ

コロナの影響でリモートワークを取り入れる会社が多くなりました。リモートワークになることによって、社員同士のコミュニケーションはchatwork、slack、Teams、LINEなど文章ベースのツールによって行われることが増えました。

その結果、文章ベースでコミュニケーションする頻度は今まで以上に多くなっています。分かりづらい文章を書いてしまうと、読み手はその文章の意味を理解するのに時間がかかり、書き手に確認作業が発生するなど、コミュニケーションコストが上がってしまいます。

『節を先にし、句を後にする』と『長い修飾語は前に、短い修飾語は後に』を意識するだけでも、分かりやすい文章に近づきます。ぜひ使ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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