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自殺をしようと考えていた夫を「傾聴」で繋ぎ止めた過去

この記事にアクセスしていただき、ありがとうございます🙏🏻

fred傾聴セラピストの則武優子です。

自己紹介はコチラ ↓


内容を分かりやすく表現したいな、と思ったら、なかなかハードなタイトルになってしまいました💦

そして、こちらの記事はタイトルに出ている言葉のような、文章の表現に気持ちが重くなるワードが含まれています。

気分が不安になりそうな方は、ここで読むのを止めておいてくださいね。

読んでも大丈夫な精神状態の方のみ、読み進めてください。よろしくお願いいたします。


ここから↓は、全文が始まります。
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最初に誤解が生まれると嫌なので書いておきたいことがあります✍🏻

実は、話に出てくる夫とは既に離婚をしています。共に乗り越えたのに離婚なの⁈と不思議に思われる方もいらっしゃると思うのですが、色々な事情があり、当時はお互いに納得しての協議離婚となりました。

それと、離婚をする前に私がこの仕事をするにあたって、前夫の話が常に関連している為、彼のことについて私が語っても良い。という本人の許可をもらった上で、このように記事を書かせてもらっています。

離婚の決断にも自分なりに(相手もだけど)相当な覚悟があったし、その流れの中でも自分への新たな気付きもあったので、その詳細はまた語りたくなったら、別記事で書くことにします 笑

では、本題に入りますね…🙏🏻💦


始まりの日

皆さんはクリスマスって好きですか?
素敵な思い出はありますか?

私は、この出来事を経験してからクリスマスが来る度に複雑な想いを持つようになりました。
それは、自分が生まれ変わる節目のような日になったからです。

2014年12月24日のクリスマスイヴ。
前夫が双極性障害(躁うつ病)と診断された日でした。

思えば以前から、徐々に「会社に行きたくない…」という言葉が、彼の口から増えてきていた気がします。

そして、とうとう「完全に行けない」という日が来て、会社の産業医に相談したところ心療内科を紹介されて診断を受けました。

ショックでした。
私は、前夫が精神障害とは思ってもいなかったから。

それまでは不自由なく普通に暮らせていたし、寧ろ仕事がめちゃくちゃ出来る人で尊敬すらしていた人なのに。
嘘でしょ…?という感覚でした。

本人は最初、診断をもらって「安心した」と言っていました。
私はその時、意味が分かりませんでした。

これは、私から見たら突然起きたショックな出来事になる訳ですが、本人からすると昔から自分の中にあり続けた感覚なんですよね。
それに、ずっと悩まされて苦しんでいたからなんです。

「やっと正体がわかった…!」

そんな風な感じだったかもしれません。彼は診断を受けたことによって、自分を苦しめる得体の知れないものを発見したんですね。

当時の私はあまり理解していませんでしたが、これは本人にとって、かなりの安心感があったと思います。正体が分かれば、これからその恐怖を解消する手立てを打てるから。
「知る」って進むためには大切なことですね。

ただ、ここからが私たちの壮絶な日々の始まりでした…。

彼を支配している恐怖の正体=「躁うつ」が分かると、彼の中で抵抗が起こり始めたんです。
よく、ゲームとかでボスが第一形態から第二形態になるみたいな。超強くなるやつ。そんなイメージに近いものがありました。

「躁鬱さん」も、今まで知られずに彼の中で大きく育っていた自分を知られてしまった(彼が自覚してしまった)ことで多分、大慌てですよね。存在を消されてしまわないように、超強くなって抵抗している感じがしました。

彼の中で「自分は病気なんだ」という受け入れ作業が始まってきたようで、そこへの葛藤が本当に辛いものだということも感じられました。


どうにかしてあげたい!という囚われ

そういった状況の中、私は彼の「恐怖」について自分なりに色々と考えていたんですね。

どうしたら良くなるかな?
治すにはどうしたら良いのかな?

そういった解決する方法ばかり探していました。
本屋さんに通いつめて、心についての本や双極性障害についての本を読み漁っては、彼に「こうしたら良いらしいよ」だとか「これやってみて」だのと、得た知識を伝え続けていました。

当時の私は、そんな事を良かれと思ってしていたのですが、やればやる程に元気がなくなり、動けなくなり…。
彼の状態は、どんどん悪化していきました。

そして、私の気持ちは「こんなに一生懸命、彼のために頑張ってるのに、どうして?」とか「なんで私の提案を受け入れてくれないの?」
と、私自身も頑張る程に空回りしていく現実に、とうとう疲れ切ってしまいました。

そして二人で散歩をしている最中、歩道橋の上から走る車を眺めて、彼は「ここから落ちたら死ねるかなぁ…」と呟いたのです。
それを聞いた時、このままではいけない!と初めて危機感を持ったのを覚えています。

その後も彼は「死にたい」と口にすることが時々あって、私も彼を一人にすることが恐くて勝手に外出することもままならない状況でした。

私も相当なストレスを抱えていたので、体重が増え、ニキビ肌になり、生理も止まりました。
その時は専業主婦だったので、前夫の傷病手当のみで生活をすることになり、貯金もみるみる減っていく現実にも気が滅入りました。

それでも、進むしかないと思っていたので出来る事をしようと考え、家でも勉強できる心理学の通信講座を学び始めました。

そこから少しずつですが、状況が変化していきました。なぜなら「学ぶ」ことで私のエネルギーの流れが変わったからです。


エネルギーを自分に向けて使う

それまでの私は「本を読む→情報を得る→彼に委ねる」しかやってなかったんですね。
これは自分の手を汚さずに指示をしているだけの状況で、相手への押し付けになってるんですね。

これって実は、学んでる風なだけ。
私は学んでいる自分に酔っているだけでした。

私の中にある「彼を救いたい」は、実は自己満足という名の、見せかけの感情だった訳です。
それが、いよいよ自分も体力気力の限界がやってきて、ようやく自分事と捉えられるようになったのだと思います。

彼に向けていた私のエネルギーを、自分で使うようになってからは、面白いことが起きてきました。
それは「彼に起きたトラブルをリアルタイムで復習している」という流れになったんです。
これは驚きの連続でしたし「学ぶ」って、こういうことかー!と実感できた体験でした。

私は心理学の基礎と、いくつかの心理療法を勉強したのですが、その中で結果に結びついたと感じられたものが、3つありました。

●来談者中心療法
●認知行動療法
●フォーカシング

私たちの場合、回復に向かったとハッキリと感じられた療法が「来談者中心療法」でした。
ここの詳細も近いうちに記事に書こうと思っているのですが、ここで一番に伝えたいことは、この療法の一部にある「傾聴」というものです。

「傾聴」が出来るようになってからは彼の状態は、かなり回復していきましたし、同時に私も解放されたので、彼と接することが随分と楽になっていきました。

今思えば、自分はどれだけリキんでいたんだろう…。
そりゃ疲れる訳だ。と 笑

海で泳ぎ方がわからなければ、恐くて無駄に力が入って溺れてしまいますよね。でも、泳ぎ方を練習して身につければ、溺れずに済みます。
それと似ていて、聴き方も身につければ対人関係にも疲れにくくなります。

「傾聴」って、どういうものなの?
と気になった方は、こちらをお読みください ↓

そして私は、この傾聴ができるようになったキッカケというものかありまして。それは散歩中にフト立ち寄った恵比寿のカフェで突然起きた不思議な体験でした。

この不思議体験についても、近いうちに記事にをしていこうと思っているのですが、この感覚はまるで自分の中で憑き物が落ちた、というか…
なんか白紙になったみたいな感じで。

それ以降、彼の話す言葉が自分の中に入ってきても突っ掛かりが起きなくなりました。それまでは、彼の話す言葉も内容も「意味が分からない」とか「どういうこと?」とイライラすることも多くて、自分の中に入って来ない、という感じでした。

今振り返るとこの体験は、自分の中で傾聴ができるようになった第一段階だったのかな、と思っています。

それからは、意識をして話を聴くこと(聴くモード)を繰り返しました。それと同時に彼自身が気付いたことや、気が向いたことを少しずつ行動に移していくことで、本人も私も、お互いに気力が戻ってきました。

もちろん、上がったり下がったりの波はありましたが本人の「会社に復帰する」という目標までは達成することができました。


絶望を乗り越えた先に

彼が会社に行き始めたタイミングを私の中では「卒業」としているのですが、卒業と同時に私も自分の時間を使えるようになり、段々と自由になっていきました。

あの診断を受けてから卒業の日に至るまでは、約1年半くらいでした。
それが長いのか短いかのかは分かりませんが、この期間にドン底から、ここまで戻ってこれたことの驚きと、あの時に諦めずに踏ん張って本当に良かった…。という想いです。

そして、私も彼の絶望に触れて死にたいくらい辛かったし、死にそうになったけど、それよりも、ずっとずっと前から、この恐ろしい絶望と闘っていた彼の心は、とても強いものなんだと知ることができました。

それを一番感じられたのは本人が「躁鬱さん」を、「自分を苦しめる嫌な奴」から、「弱い自分を守る者」に昇華できたことにあったんだろうな、と思いました。

私も頑張ったけど、なによりも一番頑張ったのは彼自身だと思っています。
「本当に今まで、よく頑張ったね」
卒業をした後、自然とそう思えました。

その後「躁鬱さん」は「自分の気質」なんだと、向き合い方を変えていったことで、彼は自分に無理をしない生き方へ徐々にシフトしていきました。

今までは「躁鬱さん」に支配されていたことで波が強かったけれど、上手に付き合っていく方法を自分なりに見つけ出して、手を打つようになった事で、本人も以前よりは楽になったようでした。


私は今でも、前夫との結婚は修行だったんだな、と思っています。
正直、結婚をしたことを後悔した時期もありました。幸せになる!と思って結婚したので、その反動も大きかったのかもしれませんが 笑

でも、私は遅かれ早かれ、こういう世界を知る必要があったから、これは必然なんだと理解した時「本当に辛い出来事だったけど、早めに気付かせてくれて、ありがとう」と彼に対して素直に感謝することができるようになりました。

傾聴を知る前の自分は、物事の表面的なことばかりを気にして生きていたけど、この体験をしたことで物事の「深さ」を感じられるようになったことは、自分自身の大きな成長だと思っています。

そして、私に出来ることは「傾聴」しかないな、と思っています。それだけは唯一、自分なりに死ぬ思いをして乗り越えてきた壁だから。

誰かを助けたいからとか、救いたいとか、そんな大それた意味はなくて。
「傾聴」に興味を持った方がいたら、伝えたいということだけなんです。

きっと興味が湧いた時点で、その方にとって必要なことだろうから、私が知ってることをお伝えして力になれたら嬉しいな。と思いながら、今も傾聴セラピストを続けています👂


とても長い記事になってしまいましたが最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊✨



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