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私の90smusic#32

#311 Nomads by The High Llamas

ロンドンで結成されたポップバンドの3作目Hawaiiより。29曲76分の大作で、聴いてすぐわかる、どんだけブライアン・ウィルソンを敬愛しているか。この年代のペットサウンズを目指したのかはわからないけれど、美しくうっとりさせるポップな室内音楽作品を完成させた。一度再生ボタンを押したなら、なかなか途中で聴くのを止められなくなる桃源郷のような世界観。聴く人によっては、複雑な美風景がだらだら続くようでも、もしペットサウンズを愛好しているなら、きっとこの中にずっと身を埋めたくなること請け合い。

#312 Like a Summer Rain by The Radybug Transistor

エレファント6にも名前が連ねられているニューヨーク・プルックリンのインディポップバンドの3作目The Albemarle Soundより。ビーチボーイズに影響されたような、エバーグリーンな60s的ソフトロックの超快適盤。

#313 Some Kinda Angel by Mojave 3

シューゲイザーバンドで知られるスローダイブからメンバーが脱退、解散を経て、そこから残された3人を中心に結成されたイギリスのグループのセカンドアルバムOut of Tuneから。そのままシューゲイザーサウンドを引き継がず、ドリーミーな雰囲気のポップなフォークロックに音楽のスタイルを切り替えたのが印象的でしたが、これは嬉しい変化でした。レイドバックした雰囲気とハーモニーがどう映るかわかりませんが、このバランスは美しく最高ですね。

#314 Language of Flowers by Pale Saints

英国リーズのバンドのデビュー作The Comforts of Madnessから。たゆたう耽美な音像から、切り込んでくるオルタナギターとか、激しくドラムビートを打ち鳴らしてくるとことかが興奮する聞き所で、めっちゃ格好良いですよねえ。とても3ピースだけで構成する音楽とは思えないような、手の込んだ独創性の高い世界観に思えることに衝撃を覚えつつ、こうしたポップな楽曲がスルッと入ってることもまた魅力。名作の1枚。

#315 It's Alright Baby by Komeda

ご想像の通り、検索をかけてもコーヒー屋さんの名前しかなかなか出てこない笑、スウェーデンのバンドの3作目What Make It Go?より。名前は著名なジャズミュージシャンの名前から取ったそうですが。切れのある快活なドラムビートに乗って、ロックやジャズ、ラウンジ、デジタルサウンドを飲み込んだ、原色お洒落でわかりやすいポップレコードで、聴いてるとステレオラブとか過るんだけど、まあスウェーデンだから出てくるのかなあ、こういうのはっていう感じかも。好きでしかない。

#316 It Ain't Over 'til It's Over by Lenny Kravitz

アメリカのSSW兼マルチプレーヤーのセカンドアルバムMama Saidからのヒット曲。
次作のリーダートラックであった自由への疾走が大バズりしていた当時にその存在を認識したけども、取り敢えず洋楽ならエアロとレニクラを聴いてればオッケーみたいなことを、当時のカルチャー誌の記事で読むくらい、レニクラが流行ってたというような印象でした。来日ツアーも1回のツアーで、武道館を3回も4回も回していて。
ジャンルに囚われない志向のミュージシャンであることもあってか、あのロックギターリフで超有名なわりに、自分が知る中でのロック文脈では、どういう立ち位置に置く人物なのか、まるでわからない不思議な存在のまま、時は過ぎていきました。
こうしてサブスクで色々聴ける現在、改めて作品をきちんと聴くと、ロックのみならず、色んなジャンルを器用に編み上げて、美しい音楽アルバム作品していた姿には感銘を受けたりして。まあ、ちょっと誤解してたかもしれないですね。

#317 Rocks by Primal Scream

スコットランドのバンドの4作目Give Out but Don't Give Upから。あの有名なScreamadelicaの次の作品ということで、内容がガラリと変わって、昔ながらのギターロックを基盤に置いた作品でした。
これがリリースされた94年くらいは、個人的にはまだ洋楽ロックやメタルの入り口に立ったくらいの頃で、右も左もわからない状態で、キョロキョロしながら、お店に入って回っていると、このド派手なギターが写っているジャケットに何度も遭遇して、中身はどんなものなんだろう?とその度に想像していた、そんな思い出があります。
その時に手に取ることはなかったんですけど、もしあの時手に取って、この軽快なロックソングを聴いていたら、もしかしたら、その後選んでいくものもまた変わっていたかもしれませんね。

#318 Next Time by Three Hour Tour

ダレン・クーパーなる人物が率いるイリノイのパワーポップバンドの2作目と思われる1969より。たまたまSpotifyで聴いたので、よくは存じ上げないんですけど、どことなく全く無関係な場所で起きた、純正培養のようなパワーポップ楽曲にほっこりします。自分の中での勝手なイメージでですけど。

#319 Free Lunch by Chopper One

元ウィーザーのオリジナルギタリストで、つまりブライアン・ベルの立ち位置の前任者であったジェイソン・クロッパー率いるバンドの作品Now Playingのシングル曲。プロデューサーはドン・フレミングで、ワーナー傘下のレーベルからリリースだったものの、すぐにバンドは解散しちゃうんですよね。ウィーザー的な響きも継承していたパワーポップサウンドだっただけに、この辺のファンなら聴いておきたいとこですが、この1枚のみで続かなかったのは残念。

#320 Blossoms Falling by Ooberman

リヴァプールのインディバンドのデビュー作The Magic Treehouseからのシングル曲。プロデューサーはスミスやブラー作品を手掛けたステファン・ストリート。アルバムの全体的な印象は、キラキラした重厚なハーモニーと、ポップでキャッチーな箇所が多くみられるインディロック、パワーポップ作品なのだけど、結構プログレッシブな展開、色々飛び込んでくる風変わりなアレンジも印象的で、ずっとアルバムを聴いてると、聴き手はどこかの世界に迷いこんだ感じもあるかなあ。一言でポップロックとは言い切れない独特な感性。


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