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初七日は亡くなってから七日目の法要

滋賀県高島市の住職・行政書士・FPの吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活
のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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御門徒の方のお葬式が終わりました。
お葬式も昔と今で様相が全く変わりました。

今や葬祭ホールで式が行われることがほとんどで、ご自宅で葬式をして出棺することはほぼありません。
昔のお葬式は、自宅の御内仏前で最後のお勤め(出棺勤行)をして、その後に行列を作って墓地まで行き、墓地で祭壇を組んでお勤め(葬場勤行)をしました。
そのため、現在はホールの司会の方にこれからのお勤めが出棺勤行である、葬場勤行である、ということを言ってもらっています。

葬式後に初七日をお勤めすることがほとんどになりましたが、本来は亡くなった日を一日目として初めての七日目の法要になります。
ただ、お葬式をするのが亡くなって三日目か、四日目。
それから数日後に再度集まるとなると大変なので繰り上げてお勤めをしているわけです。

都市部のホールのお葬式を引き受けると、通夜と葬儀を一緒にしてほしい、といわれることがよくあります。
通夜の段階ではなかなかみんなが集まれないのかな、と思いますが、そうであれば集まった親族だけで内々にお勤めしては、とお伝えしています。
また出棺前に初七日が出来ないか、と聞かれることもあります。
まだご遺体が遺骨にもなっていないのに初七日を勤めるのもどうだろうと思い、それぞれの式の意義は説明させていただきます。

昔の葬儀は、近所や親族が集まって、手作りで準備をしていました。
そのため時間と人手がないと式が出来ませんでしたが、それほど費用がかからず、いただいた香典で十分まかなえた、とよく聞きます。
現在は、葬祭業者さんが入られるため、手間がかからず、亡くなって翌日には通夜ができるほどになりましたが、昔よりはお金もかかるようになりました。

以前ならお金がない家も無いなりに周りの方のサポートを受けて、お葬式が出来ていましたが、今は周りの方がサポートしようにも、もうノウハウが残っていません。
資本主義による利便性の結果として葬儀などの儀式が出来ず取り残されている家が出てきており、これがひいてはお葬式は不要だ、という意見にも繋がるのでは無いかと思います。

今回亡くなられた方は平均寿命よりは大分早かったため、親御さんがまだ存命で、枕経の頃から泣き崩れておられました。
それが通夜葬儀を経るにつれ、少しずつ落ち着かれていかれました。
一つ一つの儀式を経ることで、ご自身の中で段階を踏まれていくものがあるのだと思います。
お葬式などの儀式をしないと、この段階が踏まれず、悲しみがいつまでも癒えない、という声があるのを聞きます。

お葬式のやり方が変わっていくのは時代の流れですが、身近な人が亡くなった悲しみを癒やしていくという役割があることはしっかり継承していただきたいな、と思います。

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