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私の青春時代を思い起こさせる場所

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新聞記事を見ていると懐かしい名前がありました。
京都市左京区にある銭湯「鴨川湯」

私は高校と浪人時代にこの銭湯と北大路通を挟んだ北側に下宿していました。
下宿先は普通の一軒家で、一部屋を借りて朝食夕食賄い付きのお風呂なし。
お風呂は毎日、この鴨川湯に入りに行っていました。

スーパー銭湯と違って街中の銭湯は毎日のお風呂なので入浴料は数百円。
それでも節句などの季節行事の際は菖蒲湯や柚子湯などがありました。

新聞記事を見ていると1926年創業で100年近い歴史があるそうですが、昨年老朽化により無期限休業。
銭湯の再生を手がける「ゆとなみ社」により復活したそうです。

鴨川湯に行く時はだいたい同じ下宿生を誘って、夜に連れ立っていきますが、時々、夕方の開店直後に入りに行くこともありました。
誰も入っていない一番風呂の湯船はお湯もとても綺麗で、何となく優越感がありました。
毎日のお風呂なので、長風呂をしたり、コーヒー牛乳を飲んだりはしません。
番台にお婆ちゃんが座っていると優しい笑顔でいらっしゃいと言ってくれていました。

すぐ近くに家族で経営されているコンビニっぽい酒屋さんがあったので、風呂上がりはいつもそこでジュースを買っていました。
時にはここでバーボンを買って、安売りのお店でコーラっぽい一缶20円くらいの飲料を買ってきて、コークハイを飲んだりしていました。
また、この酒屋さんの娘さんが、私が高校生の頃、大学生と社会人でおられて、葵祭などに姫や女官で参加されていたのを見に行ったりしていました。

浪人生の時は、大学進学という具体的な目標もあり、18歳を越えていたのでできることも増えていて、非常に自由に過ごした記憶があります。
ちょうど万城目学さんの作品で京都が舞台になっていることがありますが、あの作品の中のままを過ごしていました。

下宿から烏丸通へ少し歩くと大谷大学があり、そのすぐ傍にフルーツパーラー APPLE HOUSEがあります。
ご主人が隣で果物屋をされていて、その奥様が開いているフルーツパーラーです。

最初は大谷大学の院生か講師だった兄に連れて行ってもらったので「弟さん」と呼ばれていましたが、通い続けるうちに兄の方が「お兄さん」と呼ばれ立場が逆転していました。
私が北海道大学進学が決まったことを報告すると、常連のマダムがお祝いのお酒を上がるから家においで、と言われ、ワインを2本いただきました。
多分、スゴく高かったのでしょうが、全然価値が分からない頃で、APPLE HOUSEがパーティーを開かれた時に持っていってみんなで飲みました。

鴨川湯が再開したとはいえ、まだまだ経営的には厳しいと思います。
ただ、その名前一つで私の青春時代を思い起こさせる場所なので、何とか続いて欲しいな、と思いました。

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