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肘で小突いて促す

遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらのホームページから。

「まちのコイン」という仕組みがあります。

スマホでやり取りするものですが、お金とか地域通貨とはちょっと違います。
コインを手に入れる方法としては、エコバッグを持ってくる、ゴミ拾いをする、バイト代が出るほどでもないけどちょっとしたお手伝いをする、などのメニューがあります。

手に入れたコインは色々な体験に使うことができます。
例えば、歴史がある場所の説明をしてもらう、ワケあり野菜を分けてもらう、人に話を聞いてもらう、など。
コインを手に入れる時も使う時も、ひと・まち・環境に繋がっていくことを促す仕組みになっています。
コインを手に入れる時は、人の役に立った、まちの役に立った、環境や地球に良いことをした、という良い気持ちになれますし、コインを使う時は新しい人や出来事と出会うことが出来ます。

日々の暮らしの中でお金でやり取りするほどではないけれど、ちょっとした「ありがとう」やミニ体験を目に見える形でやり取りすることが出来ます。

公式のYouTubeが仕組みをとても分かりやすく解説しています。

ちなみに滋賀県も自治体として参加していて、滋賀県のコインは「ビワコ」です。

私も以前にセミナーの中で紹介され、お寺(法泉寺)をスポットとして登録しました。

拭き掃除を手伝ってもらうとコインを差し上げますし、悩み事を話してもらったり、法話を提供するとコインをいただいています。
4月19日には「蓮如上人御影堂中」というイベントがあるので、参加者募集も兼ねてコインを差し上げるイベントを公開しています。

今日は遠方から電車と徒歩でわざわざうちのお寺に来てくださった方がありました。
拭き掃除をしてもらって、その方のまちのコインでの企画を聞いたり、人生のヒントになるような法話をして少し一緒の時間を過ごしました。
「まちのコイン」がなければ出会わなかった人と出会えたわけで、その方もわざわざウチの寺で掃除や聴聞をすることもなかったので、この仕組みのおかげで生まれた出会いと体験でした。

このやり方は経済学で言うところの「ナッジ理論」だな、と思います。

ナッジとは「ひじで小突く」「そっと押して動かす」といった意味で、人が意思決定する際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促す仕組みのことです。

例えば、トイレの便器に的のシールを貼っておくと便器周辺の汚れが減ったり、階段に「ここまで登ると○○カロリー燃焼!」と貼っておくと階段利用者が増えたり、食堂のお皿を少し小さくするだけで食品ロスが大幅に減少したりといった結果が出ています。

みんながやった方が望ましい行動を理屈で説明するのでなく、自然とそうしてしまうように仕組みで促す。
ビジネスの面でも改めて考えてみたいな、と思いました。

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