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先取り貯蓄は危険!

みなさん、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
ごきげんはいかがでしょうか?

夫婦円満家計のサポーター 4人家族の父、FPの山内です。
この動画は家計簿をつけてみたいという方に向けて配信しております。
家計簿をつけていたけど、ややこやしくなってやめてしまった、
そんなあなたに動画を配信します。
この動画をみれば、きっと家計管理がしたくなります。

今回の動画は先取貯蓄は危険という内容でお話しします。

家計簿を挫折した人の中で
こんな苦い経験をしたことがありませんか?

① 先取り貯蓄を始める
② 特別費のかかる月に先取した貯蓄からお金を引き落とす
③ 特別費の貯蓄の必要性を感じ、先取貯蓄とは別に特別費を積み立てる
④ 積み立てた特別費より実際の特別費が大幅に多くて、
  貯蓄口座から引き落とす
⑤ 貯蓄が進んでいるのかわからなくて、モチベーションが下がる
⑥ 管理を放棄する
これは家計管理をやめてしまうほんの一例です。

また、生活口座のお金を少なくして、先取貯蓄をガチでやろうとすると、
家計管理が一気にハードモードになります。
理由はクレジットの支払いなども気にしながら、
生活口座を引き落とす必要がでてくるからです。

ここまでくると、かなり上級テクニックになるので、
家計管理初心者にはおすすめできません。

最初に結論を申し上げます。
家計管理が苦手な人は先取貯蓄を絶対にしないでください。
特に貯蓄がなかなかできない人は先取貯蓄に頼らないでください。
先取り貯蓄より重要な事は
「支出する時にこの支出は価値に合うかどうかを考える事」です。

節約のマインドが整っていないと、消費が激しくなります。
節約のマインドを鍛えたい人は下記の二つの過去動画をご視聴ください。
衝動買いを防ぐマインドが整います。



個人的な意見ですが、
貯蓄ができる体制ではない人が先取り貯蓄をしても効果がなく
先取り貯蓄で貯蓄ができている人は先取り貯蓄をしなくても貯蓄ができる
と思います。
私の知人の蓄財家はみんな先取貯蓄を使ってはいません。
シンプルにできるだけ支出を少なくしています。

今回は先取貯蓄について語ります。

先取り貯蓄をする条件

先取り貯蓄を実行するには5項目の条件を満たす必要があると思います。
順番にみていきましょう。

① 収支が把握できている

先取り貯蓄で失敗する例として、
現実味の無い希望の貯金額を先取り貯蓄してしまい、
先取り貯蓄したお金を切り崩す人がいます。
去年1年間の貯蓄額はいくらですかとたずねたら、
わからないという人もいます。
現状の収支状況からかけ離れた先取り貯蓄は必ず失敗します。
まずは収支の把握からです。
去年一年間の収支を確認できない人は去年の貯蓄と現在の貯蓄を比較してみてはどうでしょうか?
こちらの図をご覧下さい。

          図1 一年前の資産との比較

図1

                              

昨年の預金を比較して、1年間で増えた金額を計算します。
この例だと、1年間で増えた金額は90万円(570万円-480万円)ですね。
月平均で7.5万円の貯蓄が出来たことになります。
さらに、賞与が年間30万円だったとすると、
給料だけで60万円貯蓄できているので、賞与は全額30万円貯蓄、
毎月5万円の先取り貯蓄が妥当かなと推測できます。


② 貯蓄金額の設定は低くする

貯蓄金額の設定が高い場合、
収入が少ない時や特別費が多い時に生活口座の残金がショートして、
貯蓄口座から引き落とす事になります。
先ほどの図1のケースでは月5万円の先取り貯蓄が妥当でしたね。
これをやりくり費を毎月20万円でこなすとすると、

      図2 やりくり費20万円、先取り貯蓄5万円

図3

5月と8月と12月の生活口座のお金は減りますが、
残りの月は先取り貯蓄していてもさらに生活口座のお金が増えています。
先取り貯蓄をしているのに、貯蓄口座からお金を引き出すと、
矛盾した行動になり、
モチベーションが下がるので生活口座のお金が減る月を減らしたいですね。

ところが、先取り貯蓄の金額を15万円にして見ますと、こうなります。

    図3 やりくり費20万円、先取り貯蓄15万円

図4

生活口座のお金が常に減り続けるので、生活口座のお金を予めたくさん入れて、減った生活口座のお金をどこかのタイミングで補充しないといけません。

先取り貯蓄しているのに、無理な金額設定のせいで、貯蓄口座から下して使う事になります。こうなるとモチベーションが一気に下がります。

もちろん、生活口座の残金を多くしておけば防げますが、

お金があるのを見てしまうと使ってしまうタイプの人

はたくさんある生活口座のお金を見て
生活口座のお金をどんどん使ってしまい、
結局生活口座の残金を減らしてしまいます。
先取貯蓄をしながら、
お金を貯蓄口座から生活口座に補填する事になります。
これでは先取貯蓄の意味がありませんね。

「貯蓄金額の設定は低くする」点に関しては2つのデメリットもあります。
まずは

「先取り貯蓄以外のお金を全て使ってしまうリスク」

があるという事です。
特別費がかからない月は貯蓄するチャンス✨なので、
設定された貯蓄金額よりも多く貯蓄ができて当然ですが、
先取り貯蓄しているから、残ったお金を使えばいいという考えに陥り、
たくさん貯蓄ができるチャンスを失います。

図4   先取り貯蓄を5万円分した場合の残り金額(やりくり費+貯蓄)

図5

上図だと、5月と8月、12月以外の月は特別費がかからないので、
貯蓄チャンスなのですが、
残った金額を使いきる人は
このチャンスで残ったお金をやりくり費として全額使いこみます。
そして、5月、8月、12月の特別費のかかる月は生活口座のお金を大きく減らすか、
生活口座のお金が無ければ、先取り貯蓄から引き落とすことになります。
先取り貯蓄以外に貯蓄ができるのに使いきり、
特別費の多くかかる月は赤字です。
これもモチベーションが下がりますね。


次に先取り貯蓄の金額が低いと起きる、もうひとつのリスクは、
貯蓄が間に合わないリスク」です。
貯蓄の必要性を感じて先取貯蓄を始める人が多いと思うのですが、
できるだけ多くの金額を貯蓄したいが本心ではないでしょうか?
教育資金、老後資金など、できるだけ多くの金額を貯蓄しようとするなら、
少額の先取り貯蓄だけというのは最適解ではないと思っています。

③ 電子決済の金額や自動引き落としの金額も常に把握できる

生活口座のお金を少ない状態で管理する場合は
やりくり費を引き落とす際に、口座の残金を常に把握する必要があり、
当然クレジットカードなどの電子決済の引き落とし金額も把握しておかなければいけません。
かなり管理力が必要です。

      図5 給与明細の一例

画像5

※ 赤枠は自動引き落としです。
引き落としの設定日を給料日直後にしておくと管理がしやすいですね。
給料日の直前に引き落としを設定すると、
生活口座のお金が不足する可能性があります。

④ 特別費の対応ができる

先取り貯蓄の難関ですが、毎月収支がプラスの家計ならいいのですが、
特別費が多くかかるときがあると思います。
私の場合は5月に固定資産税、車の税金、ゴールデンウィークのレジャー費等がかかり、先月は家計が大幅に赤字になりました。
その時に備えて特別費を先取り貯蓄とは別で貯めておかないといけません。
特別費の先取貯蓄」と言ったところでしょうか?
この時点でかなり管理がきつくなります。
下図をご覧下さい。

      図6 特別費の積立

画像6

5、8、12月の特別費に対応するため、それ以外の月で特別費を5万円づつ貯めました。そうすることで1年間の特別費に対応できます。

ただし、特別費を正確に予測する力が要求されますので。
特別費を過小評価した時点で、
先取貯蓄の費用を貯蓄口座から引き落とすという罰ゲームになります。

⑤ 収入減少の対応ができる

最後の難関です。
コロナ禍で収入減少した方ならご理解していただけると思いますが、
収入減少というのは突然やってきます。

生活口座の残金を少なくして先取貯蓄をする人は
④の特別費の対応を貯蓄で対応しても、
収入減の時に減った分だけ支出をおとさなければいけません。
収入が毎月40万円だったのが、6月だけ30万円に減ったので、
やりくり費を20万円から10万円に減らす。
そんなことできる人はすごいと思います。

私は出来ません💦💦

仮にやったとしたら、毎月お金のストレスがすごくなると思います。


以上5つの条件をすべて満たさないと、
効果的な先取貯蓄は出来ないと思います。

ですが上の5条件を満たせる管理能力のある人はこんなことをしなくても
貯金ができる気がします。


先取り貯蓄の欠点

上記の内容をまとめてみます。また一部を追加します。

① 無理のない金額設定にした場合にその金額が十分でない可能性がある
② 以前のカード決済、特別費や収入減を考慮してお金を使う必要がある
③ ②が原因で管理が複雑化しやすく、管理をやめるリスクがある
④ 先取り貯蓄のお金以外に貯蓄が出来ないリスクがある
⑤ お金を見たら使ってしまう人は、
  先取り貯蓄のお金を忘れるか、絶対に使わない意思を持つ必要がある
  

これだけ並べると、先取り貯蓄に頼る必要性を感じられません。
以上を持ちまして、私の結論をもう一度申し上げます。


私の結論

先取り貯蓄ではなく、

消費の最適化をするために消費のマインドを鍛えて💪ください

先取り貯蓄は「幻想」であり、決していい仕組みと思えず、
貯蓄が出来ない人の最後の逃げ場に見えます。

先取り貯蓄をしたから貯蓄額が増えたというリソースは見当たりません。
もちろん、貯蓄をしなきゃとマインドが変わった人が同時に先取り貯蓄を始めて、お金を貯めることに成功したケースは多くあると思いますが、
それは先取り貯蓄のおかげではなく、固定費の改善をしたり、
無駄遣いに気を付けようとするマインドが結果を出したのだと思います。

何も変えずに先取り貯蓄をしただけならば、
先取り貯蓄をした口座からお金をおろす結果になると思います。

また、仮に他にもっといいシステムがこの世に存在しても、
お金を使っている本人がきちんといいお金の使い方ができなければ、
お金をうまく貯めることができないでしょう。

その証拠に、ユダヤ人や華僑を見てください。
彼らわずかなお金に対しても、すごくシビアです。
1円でも高いと思えば、お金を使う事をやめてしまいますよ。


また、よくこんなフレーズが飛び交います。

「 成り行き貯金になっていませんか?
収入-支出=貯金では貯金ができないので、
収入-先取貯金=支出、つまり貯蓄をした残りでやりくりをするのが重要 」

このフレーズは
わかりやすい事を好む日本人には本当にうけがいいのですが、

貯金が上手な人は収支管理、特に支出に力を入れます。
支出の合理化、最適化を行うので、当然貯金ができきます。
先取り貯蓄をした残りはすべて使ってもいいなんてことはなく、
1円たりと無駄にお金を使わずに貯蓄に回します。

つまり👍👍👍「収入-支出=貯蓄」👍👍👍が最適解だと私は思います。
さらにその支出と貯蓄でいいのかを確認するために、
年間収支計画に数字を入れて、さらにその年間収支結果を
ライフプラン表に入れていき、将来のお金の動きを推計します。

夫婦で将来のことを話し合える気がしてきちゃったあなた!
老後不安がなくなり、夫婦円満になれること間違ありません!

皆さん、お付き合いいただき、ありがとうございました。





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