見出し画像

「年金」#04: 年金に関する制度

※このコンテンツでは年金=老齢(基礎・厚生)年金を指します。

年金シリーズ目次
#00:後悔しない老齢基礎年金と老齢厚生年金
#01:年金に対する考え方と受給のタイミング
#02:税金と社会保険料
#03:年金受給の条件と計算
#04:
年金に関する制度
#05:繰上げ・繰下げ受給
#06:年金増額大作戦!!
#07:知っておきたい年金用語
#08:年金がさらにもらえる?!年金生活者支援給付金制度
#09:付加年金最高説


今回は主に受給資格期間(#03参照)や年金の増額に関する制度についてお話しします。


年金にかかわる主な制度について


国民年金保険料免除・猶予制度

国民年金保険料納付には、保険料納付が難しい時、ある一定の条件を満たすと国民年金保険料の納付が免除(全額・一部免除あり)されたり、猶予されたりします。

保険料の(全額・一部)免除
・法定免除:障害基礎年金受給や生活保護の生活扶助受給中など
・申請免除:失業や所得減少により免除申請を行い、免除が承認された場合

免除期間は受給資格期間に含まれますし、年金額も増えます(ただし増加額は納付済期間よりも少額です)。なお、産前産後の免除は、保険料を払ったことになる納付済期間となり、年金額の減額がありません。

保険料の納付猶予
・学生納付特例:学生の方で、所得減少により申請を行い承認された場合
・納付猶予:50歳未満の方で、所得減少により申請を行い承認された場合

猶予期間は受給資格期間に含まれますが、年金額が一切増えません

前回もお話ししましたが、保険料納付が厳しい時は、とにかく役所の国民年金窓口か年金事務所に相談してください。

免除・猶予と未納は、受給資格期間や年金額反映でまったく扱いが異なります。納付書を無視して納付しない=未納=受給資格期間への参入、年金額の増額が一切ない。「未納」これ一番の悪手です

未納、猶予、免除期間の扱いをまとめると以下の通りです。
未納:受給資格期間に参入✖ 基礎年金受給額増額✖
猶予:受給資格期間に参入〇 基礎年金受給額増額✖
免除:受給資格期間に参入〇 基礎年金受給額増額〇

詳細が知りたいという方は この ページをご覧ください。


任意加入

国民年金は強制加入で、日本在住の20歳~60歳到達までの人は全員、国民年金の被保険者(=加入者)になります。逆を言えば、この条件に漏れた人は、強制加入にはなりません。強制加入ではない方たちは、希望すれば国民年金に加入できます。これが任意加入制度です。

主な任意加入できる方
・60歳から65歳到達までの方で、厚生年金に加入していない
・20歳から65歳到達までの方で、海外在住の日本人
※国民年金の納付済期間が480か月ある方(老齢基礎年金を満額もらえる方)は加入できません

この任意加入が、前回お話しした受給資格期間10年に足りなかったときの救済措置になります。あと老齢基礎年金を増額したい場合も有効な手段です。ちなみに支払う国民年金保険料は、強制加入している国民年金第1号被保険者(#03参照)と同じです。

主な加入メリット
①受給資格期間に加算できる
②納付済期間となり、年金額が増額される
③障がい者になった場合「障害基礎年金」が支給される ※支給要件あり

なお、似た制度に「特例任意加入制度」がありますが、これは65歳~70歳到達までの方でかつ老齢基礎年金の受給資格を得ていない方限定の制度です。また上記メリットのうち②は適用されません。あくまで受給資格を得るためだけの制度です。


追納

老齢基礎年金の加入期間のところでお話しした【保険料免除期間】#03参照)この期間については、後から免除・猶予された保険料を納付することができます。これが追納制度です。

追納は10年前までさかのぼって保険料を納めることができます。追納した場合は、【保険料納付済期間】となり、年金受給額が増えます。

なお、一定期間以上さかのぼった期間は、保険料に加算額という追加料金が発生します。追納時の保険料は、日本年金機構のこのページをご覧ください。

注意したいのは、「未納」とは違うということ、保険料は納期限から2年以内に収めなければならず、2年を経過して保険料未払いの場合は、未納期間となり、受給資格期間・年金額に一切反映されない期間となります。この未納期間は、【保険料免除期間】ではないため追納できません


付加年金・国民年金基金

いずれも年金額を増額させる制度です。しかしながら国民年金第1号被保険者しか加入できません。また、第1号でも、国民年金保険料の免除・猶予(一部除く)を受けている方も加入できません。

おすすめは、付加年金。保険料は月400円で、受給できる年金額は付加保険料を納付した期間✖200円 ようは、2年で保険料分が回収可能です。受給年金額は少ないですがコスパがいいので、とりあえず的な感じで加入しておくことを超おすすめします。

また、老齢基礎年金の繰上げ繰下げ受給を行った場合、受給開始タイミングや減額増額率は、老齢基礎年金と全く一緒になります。老齢基礎年金と付加年金はセットと覚えておくとよいでしょう。

詳細知りたいという方は 付加年金 国民年金基金 各ページにてご確認ください。


在職老齢年金

厚生年金だけの制度です。働いて給与を貰いながら年金も受け取ることができ、かつ将来の老齢厚生年金受給額を増額することが可能です。

※老齢厚生年金受給には、いつくか条件があります。また、厚生年金に加入することになるので厚生年金保険料の納付が発生します。

詳細が知りたいという方は 日本年金機構の この ページをご覧ください。


加給年金

厚生年金だけの制度です。

受給者本人が65歳到達時点で、厚生年金加入期間が240か月以上あり、一定収入以下の65歳未満の配偶者、または18歳到達後の3月31日(その他要件あり)に到達していない子等の生計を維持している場合に、老齢厚生年金に加算される年金です。

詳細が知りたいという方は 日本年金機構の この ページをご覧ください。


繰上げ繰下げ受給

老齢基礎年金、老齢厚生年金どちらにもある制度です。65歳を年金受給開始年月の基準とし(65歳時点で受給資格がない場合は、受給資格が発生した時)基準より早く(=繰上げ)あるいは遅く(=繰下げ)年金受給を開始する制度です。

主な特徴は以下の通りです。
・繰上げ繰下げにて年金を受給した後は、繰上げ繰下げを取り消すことはできず、年金受給額が生涯確定します。※例外として上記在職老齢年金制度で、老齢厚生年金は増額されます。

繰上げ時は基礎・厚生同じタイミングで受給開始しないといけないが、繰下げ時は、基礎・厚生のタイミングで受給開始することが可能です。

・年金受給額の減額・増額が伴います。なお増減率は1か月につき、繰上げ-0.4%、繰下げ+0・7%となります。
例えば、年金受給額が30万で65歳から3年繰り下げた場合は
 30万✖(0.7%✖36か月)=30万✖25.2%=75,600
75,600+300,000=68歳から375,600円の年金が支給されます。

で、この繰上げ繰下げなんですが、ちょっとここは言いたいことや知っておいていただきたいことがたくさんあります。

老齢基礎・厚生年金以外の年金ともすごーーく絡み合ってて、下手すれば、えらく損することがあるので、「繰上げ・繰下げ受給」だけで一本記事を書きますね。



あきらめないで!!


年金のことなんてもうどうでもいいや~と思っている方、絶対だめ!!あきらめないで!!今ならまだ色々考えて対策することができます。

お金がないから、納付書無視してたらいいや~
→無視せず国民年金保険料免除・猶予を申請しましょう。

保険料払ってないから、年金はもらえないよ…
→未納は2年までさかのぼり納付、免除・猶予期間は10年まで追納可能

受給資格期間10年ないから、年金欲しくてもどうしようもないでしょ?!
任意加入制度で受給資格期間が10年に到達するようにしましょう。

こんなちょっとしかもらえないなら、色々考えるだけ無駄。
→付加年金、国民年金基金、在職老齢年金、繰上げ繰下げなどで、年金受給額UPを目指しましょう。

対策するには、まず、現状把握から。ねんきんネットでご自身の年金情報を確認するところから始めてみてください。

上記制度を使うには、手間や時間、お金が必要になります。諦めるのは簡単で、めんどくさくて、お金ももったいないし、年金なんてもういいや!!って思う気持ちもわかりますが、将来の自分のため今考えて準備してあげてください。

皆様のめんどくさいからの脱却を全力で応援しています!!


最後まで読んでいただき、まことにありがとうございます。もし何かご質問等ありましたら、お気軽にコメントくださいね!!

さいごに、どれくらいもらえるの?いつからもらい始めたらいいの?自分の年金額を試算して欲しい!!など、年金に関する気になることをお手頃価格(1,100円から)でお答えするサービスを提供しております。ご興味ある方は以下のリンクから快惺事務所WEBまでお越しくださいますと幸いです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?