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『センスメイキング理論』の救出劇

さて、みなさん就活は経験したことありますでしょうか。

私も経験しましたが、ありゃもう2度とやりたくないですね。

ES書くのも、ありもしないガクチカを話すのも疲れますし、かつ自分の価値をオークションにかけられてるみたいで嫌です。

まあ現在転職中の身なので、また就活をやる羽目になってますが。

この就活ですが、面接や自己アピールでよく見られる項目として「リーダー経験」というものがあります。

まあ読んで字のごとく、リーダーとして活躍した経験です。

いいですか、調整役とリーダーは違いますよ。

リーダーは「2人以上の組織を率いて目標達成や成績向上に尽力する人」です。

調整役は「組織間の意見や対立を仲介して、1つにまとめること」です。

つまり、リーダーとは名ばかりで調整役は就活で求められる「リーダー経験」とはまた違います。

就活で「組織間の仲介役としてリーダーをしてました」ってアピールしても、「いや、それ調整役なだけやん」って思われてしまうだけです。

そこんとこ気を付けてください。

リーダーと組織に必要な新しい理論

さて、就活の話からリーダーと組織の話にシフトします。

会社での組織は目標売上の達成や、新規顧客の開拓、ブランド力の向上など、さまざまな目標に向かって走り続けなければいけません。

そこで必要なのが『センスメイキング理論』です。

センスメイキング理論とはカール・ワイクらが提唱したもので、要は「突発的な緊急事態や環境変化に対して、意味づけを行いながら行動し、組織の方向性を見直して力を与える」といったことを言ってます。

じゃあこれを山で遭難した登山部のリーダーになったとして話を進めてみましょうか。

登山部を救え

さて規模20人の登山部を立ち上げて、リーダーに就任しました。

まず手始めに近くの山に登ってみようとしたところ、この山は過去に誰も登ったことが無い山で地図や案内すらありません。

さあそんな中、遭難です。

歩いても歩いても森の中。近くに食べれるものはありそうですが、毒がないかどうか、食べても安全かどうかはわかりません。

他のメンバーも段々と体力が無くなっていき、みんな疲れ果てて歩く気力すらありません。

さてここから無事に帰るにはどうすればよいのでしょうか。

ここでセンスメイキング理論の登場です。

センスメイキング理論の適用

センスメイキング理論が適用されるのは「不測の事態」のときです。

では不測の事態とはどのようなときか。

  1. 危機的な状況:コロナや地震など

  2. アイデンティティへの脅威:組織の理念が揺らぐとき

  3. 意図的な変化:M&Aや社長交代

この3つが「不測の事態」にあてはまるとされています。

続いてセンスメイキング理論のプロセスについて見てみます。

STEP①:環境感知の段階
STEP②:解釈・意味づけの段階
STEP③:行動・行為の段階

STEP①:環境感知の段階

上記の「不測の事態」に出くわしたとき、まずは組織のメンバーが情報を収集します。なるべく早く、正確に集めることが必要となります。

そして組織全体へと伝わり、メンバー全員がその状況を把握します。

STEP②:解釈・意味づけの段階

つぎに集めた情報をもとに組織内で解釈します。

例えばコロナだったら、どこから発生してどのように広がるのか、今後どのような事態が考えられるかなど、組織で意見を出します。

さらにリーダーは組織を動かすためにストーリーを構築する必要があります。

STEP③:行動・行為の段階

ここではストーリーを基に行動しますが、常にフィードバックを行いながら行動していきます。

PDCAとの組み合わせですね。

それこそコロナに対する予防策は無数とあります。その中でどの方法を取ればいいのか、どの行動を進めていくかは全てリーダーのストーリーが頼りになてくるわけです。

このストーリーに説得力があって、行動しやすければしやすいほど、PDCAもうまく回ります。

はよ登山部を救え

さてセンスメイキング理論を使って遭難した登山部を救ってみましょう。

まずは環境感知です。

登山部が陥っている状況は、地図無し、辺りは森だらけ、食糧無し、体力は持ってあと1日です。

結構ピンチですね。

でもリーダーはそんな中でもメンバーを救わなければありません。

次に解釈(ストーリー構築)です。

例えば嘘でもいいから道路が見えたと言って、メンバーを鼓舞して前に進ませる。

他にも嘘の地図を書いて、とにかくメンバーのやる気を出させるなど。

やり方はいくらでもあります。

そして最後に行動です。

その場に留まっていても死ぬことは目に見えています。

また、進めばもしかしたらどこかに見覚えのある道がでてくるかもしれません。

とにかくメンバーを鼓舞して前に進ませる。試行錯誤をしながら進んでいくしかありません。

そしてやがて登山部は救出されました(実話です)。

ちょっと登山でもやってみようかな。暇だし。

おわり

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