氏子会・奉賛会・崇敬会

神社の信者というか、神社に集う人たちの組織があります。氏子会、奉賛会、崇敬会があります。これらの組織の違いはなんでしょう?
氏子会は、その神社のある地域に住んでいる人たちによる組織で、お金や労力を出し合って神社の境内を清掃したり、お祭りの運営をしたりします。氏子会の会員は先祖から孫子へと代々相続されていきます。また会員が他の地域へ引っ越したりすると、実質的にそれまでの神社に通えなくなり、他の神社に行くようになるので、氏子会をやめたりする場合があります。
奉賛会は氏子を持たない神社で、氏子会のような神社の運営を行う人たちの組織です。偉人を祭神として祀っている神社に多いパターンです。また最近増えているケースで、少子化や過疎化で氏子会の会員が減り、氏子会を維持できなくなったりした場合に、新たに神社を維持する組織として立ち上げることが多いです。奉賛会の会員はその神社のある地域に住んでいる必要はありませんし、代々子孫へと受け継ぐ性格のものではありません。入会は自由ですし、不特定多数の人々の入会を勧誘できますので、世界中の誰でも奉賛会に入れます。
崇敬会は奉賛会よりもゆるい組織で、氏子会や奉賛会よりも会費も安価ですが、会員の義務はほとんど何もないことが多いです。
いずれも会員の会費で運営する組織です。こう見ると氏子会は同じ地域に暮らす人々が、神主さんが行う日々の祈祷以外の運営を行って神社を維持する組織、奉賛会は地域的な紐帯がないけど、その神社を大切に思う人々が参加する組織、崇敬会はその神社のファンクラブでしょう。
しかし、いずれの会も神道の信者である必要もなければ、その神社の神さまを信仰している必要もありません。これは宗教の組織として考えれば訳がわかりません。宗教というよりもその神社自体、つまり神社の存在する境内という空間を維持するための互助会であるというのは確実に言えるでしょう。

いらすとやの画像


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