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オヤジの就職指導記 〜企業セミナー〜

日本の有名な自動車メーカーのカーディーラーに専門学校生が初めて採用されたのもオヤジのクラスの学生でした。
当時、就職活動の最初は就職を希望する会社をリストアップして、企業に資料請求ハガキを送るところから始めていました。資料が送られてくる企業もあれば、全く返信の無い企業もあります。
ヒデが資料請求した某有名カーディーラーから返信がありました。内容は「本社の新卒採用は大卒者のみとなります」。
ヒ「なんで大卒だけなんですかね。大卒と専門卒で何が違うんですか?オレは絶対に大卒になんか負けないですよ。絶対に納得できねぇよ。」
オ「そっかぁ、じゃセミナーだけでも参加してみれば??」
ということで、ヒデは某カーディーラーの就職セミナーに参加することになりました。
企業の就職セミナーに参加するにあたってオヤジがヒデにアドバイスしたことは次の通りです。

セミナー会場のまでの行き帰り
セミナー会場での座る場所
セミナーで話を聞くときに大事なこと
セミナー終了後の対応

若者にとって自動車は非常に身近なので、就職希望者は多いと予想していましたが、その日セミナー会場には400名を超える参加者が集まっていたそうです。セミナー会場に掲げられた看板には「大学生のため」企業セミナーというタイトルが掲げてあったようです。ヒデはセミナー会場でオヤジのアドバイスを1つ1つ忠実に実行しました。セミナー終了後はすぐに帰らずに会場に残って採用担当者らしき人のところに行って質問をしなさい、名刺をいただいてきなさい、とアドバイスをしていました。もちろん、ヒデはこれも忠実に実行して、そこで採用担当者らしき人にした質問は

「何で御社は大卒しか採用しないんですか?ここの会場は大学生しかいないはずですが、ほとんどの人が話を聞いてないし、セミナー中なのに寝てる人もいるじゃないですか。専門学校生の方が全然ちゃんとしてるじゃないですか」

です。もちろんこれはオヤジの想定外の質問内容でした。これに対して採用担当者から「わかりました。では●月●日に本社で面接試験があるのでとりあえず来てください」と言われたそうです。何度目かの面接で人事部長面接となり、その面接の最後に「次が最終の役員面接になるけど、もし他社の採用試験を受けているなら、その活動を辞めてください」と、最終面接を待たずに内々定をいただきました。

その後、ヒデはその某有名カーディーラーに就職。入社初年度で新人の売り上げ全国1位になりました。その後も順調に営業成績で上位となり、数年後に某有名カーディーラーの採用の対象が大卒のみから大卒、専門卒に変わりました。

後記:大学で就職活動の細かなノウハウを教えているとことはごくわずか。偏差値の高い大学ほど、細かな就職指導はしていません。企業セミナーは企業の方が一方的に学生たちに企業情報を伝える場ではなく、参加者(参加学生)の態度を見る場、つまりここから採用活動が始まっているのです。

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