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オヤジの就職指導記 〜グループディスカッション〜

オヤジが所属していたのはビジネス系の専門学校でした。
ある日、ミナという女子学生が大手英会話スクールに就職したい、と相談に来ました。ミナは英語が好きなわけではないし、英会話ができるわけでも興味があるわけでもありません。オ「なんで英会話スクール??」って思いましたが、一緒に企業研究をしているうちにオ「ミナなら合格できるかも」と思えてきました。
この企業の1次試験はグループディスカッションでした。オヤジとミナはグループディスカッションの対策を立てました。当時オヤジの所属していた専門学校の就職相談室には、過去の卒業生たちが残してくれた「受験記録」があって、ミナが受験する大手英会話スクールで過去グループディスカッションでどんなテーマがでたのか調べました。過去のデータでは「あなたが就職してからやりたいこと」がテーマだということが判りました。これに対してミナが最初に口にしたことは、
ミ「私はファーストフードでアルバイトをしているので、笑顔で元気よく接客を、、、」というありきたりなコメントでした。
オ「おい、考えてみろよ。英会話スクールに希望する学生ってどんなヤツらが来ると思う??大学や短大の英文科、英米文学科の学生たちが相手になると思わねぇか??そんな相手にこんな内容じゃ戦えねぇぞ!!」
そこで考えたことがサッカー。ミナは高校時代に強豪校でサッカー部のマネージャーをしていたので、その経験で戦おう、ということに。そしてグループディスカッションで次のようなアドバイスを伝えて決戦の地へ送り出しました。
●主体性(自分が発言するとき、他人が発言するとき)
●積極性(グループでの役割を担う)
●協調性
実際のグループディスカッションには14名の学生が参加していたそうですが、東京六大学はもちろん、有名な短大など、14名中13名はそうした大学短大の英文科や英米文学科などで、ビジネス系の専門学校はミナ1人だったようです。最初に各々が自己紹介をしたようですが、流暢な英語で自己紹介する人、日本語と英語を交えて自己紹介する人、帰国子女の人、4か国語を交える人、、、、もちろんミナは日本語オンリー。
ミ「東京●●専門学校から来ました、、、、」
周囲はもちろん、当然ながら驚いた表情、中には失笑していた人もいたようです。
グループディスカッションのテーマは「あなたが就職してからやりたいこと」と、我々の予想通り。
英語が堪能な大学生・短大生たちは「語学力を生かして・・・」「留学経験を生かして・・・」「国際感覚を生かして・・・」「英会話講師のアルバイトをしているので・・・」といった意見がほとんど。そしてミナは「私はスポーツを・・・」明らかに他の受験者とは違う内容でした。
もちろん、ミナは次の最終面接に進んだのですが、「先生、●●大学、●●短大の人、この前の試験で落ちたみたい」。そしてミナは最終面接も合格して大手英会話スクールに内定。
ミナは入社後も毎年全国でトップ5に入る営業成績を収めていました。

後記:就職活動では、相手が何を求めているかを見極めて試験に参加することが重要です。企業研究をする中で、規模や事業内容、福利厚生などを見るだけでは、採用につながりません。そして「肝心なこと」を捉えたら、それに合わせた「自己PR」や「質問の回答」を考えることが必要です。
これは企業に内定するための手法であると同時に、入社前と入社後のギャップを埋めることになりますので、理想と現実の違いで苦しんで、離職することを予防することにもつながります。

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