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工場を訪ねてみました! #2 新潟県三条市 庖丁工房タダフサさん


庖丁工房タダフサ ファクトリーショップ

新潟県三条市は1600年中頃から鍛冶専業職人が誕生し鍛冶の町として栄えてきました。そんな三条でタダフサは創業当時より心を込めた手造りにこだわり家庭用や本職用の包丁をはじめ蕎麦切り包丁、漁業用、収穫用刃物などを日々製造されています。
今回訪ねた三条市にある製造工場には「庖丁工房タダフサ」のファクトリーショップも併設されています。

三条鍛冶のルーツは和釘。伊勢神宮の遷宮には、三条から20万本も納められています
様々な資料
ご案内して頂いた番頭の大澤さん

まず包丁ができるまでは大きく3つの工程があります。
1 型を作る 2 焼入れ 3 仕上げ

1の型を作る、はプレスもありますが鍛造たんぞうを見せていただきました。ガス炉で800~900度に熱した鋼材を叩き、素材を強靭にするとともに、おおまかな包丁の形状をつくります。

当店でも取り扱いしている「庖丁工房タダフサ」基本の3本シリーズは、この鍛造作業はせずに、圧延された鋼材をプレス機で型抜きして焼入れ、研いで仕上げとなります。今回は、タイミングよく、木柄の磨き作業も見ることができました。1本1本、職人の手仕事です。

次に案内されたのは、刃の仕上げ作業。中仕上げ研磨です。全身を使って庖丁の刃先を鋭く研ぎ仕上げるため、粗い砥石(タイヤみたいなので、砥車とぐるまと呼ぶそうです)から、段階的に細かい砥石へと順に研磨していきます。


最後に伝統工芸士の曽根会長に柄入れを見せていただきました。その動きや音、熟練の技を見て痺れました。

その後はショールームへ。いろいろな包丁が並んでいます。

タダフサ の始まりは昭和23年に初代の曽根虎三郎さんが裸一貫で創業しました。当初は曲尺かねじゃくを作る会社だったそうですが、包丁を作ってほしいと言われたのが始まりだそうで、曲尺で修行した鍛造技術を生かした様々な刃物を手がけ現在に至っています。

曲尺

大澤さんより「庖丁工房タダフサ」の3層構造の特徴を教えてもらいました。

「包丁の切れ味はしっかり固く焼き入れた鋼により実現します、この3層構造とは鋼を両側からステンレスで挟んでいます。鉛筆で例えるなら芯が鋼、芯を包む木がステンレスとなります。鋼をステンレスで挟み込むことでサビにくくすることだけでなく切るときの力を両脇に分散させることができ刃先を鋭角にすることができます。これにより切れ込み、切れ味の良い包丁がつくられます。」

「庖丁工房タダフサ」では研ぎ直しサービスを行っていて普段ご自身で研がれていても年に一回を目安に出していただければと話されていました。形も整いますし磨きもでき切れ込み、切れ味が良くなって戻ってきます。

最後にショールームの入り口へ戻ってきました。入り口では様々な包丁の展示があり「庖丁工房タダフサ」のシリーズで試し切りもできます。パン切り包丁を試させていただきましたが波刃により滑らかに包丁が入り、切り口もきれいに切れました!


曽根会長、大澤さん、ご対応ありがとうございました。
工房アイザワの相澤社長、ご同行ありがとうございました。

その後はへぎそばを食べに「むろしま」さんへ。

へぎそばとは布海苔を使ったコシの強い蕎麦を片木へぎと呼ばれる板状の器の上に盛り付けた料理でへぎそばと名付けられたとか。一口ほどに並べられているのが綺麗で取りやすくたくさん食べてしまいそうです。

コシのある蕎麦と海藻好きとしては完全に好物です。

短い間でしたがお店の雰囲気そして料理も美味しくゆったりとした時間を過ごしました。やはり燕三条に来たらへぎそば、燕背脂ラーメンは外せないですよね。

工房アイザワさんへ伺った時の事はまた書きたいと思います!