【裏技あり】アルバイト先を「起業のための学びの場」にした私の方法
「アルバイトを何にするか」そして「何を目的にするか」安易に選ぶ人は多いと思います。
日本全国の無名の優れた品質、驚くような商品を探してきて、"何が入っているかわからない箱"フォーチュンボックス」として販売する事業で起業すると決めたときから、私は経験や知識を増やすために、地域の物産店でアルバイトを始めました。
それまでは、おぼろげに飲食店をやりたいと考えていたため、いろんな飲食店でのアルバイトをしていました。
いずれにせよ、起業するために「学べるアルバイト先」を選ぶようにしました。
もちろん、実際には「学べるアルバイト先」というものは存在しなくて、自分が学ぼうと思えばそこは「学べるアルバイト先」になりますし、何も考えず漫然とアルバイトをしていたら「学べないアルバイト先」となるだけです。
アルバイト先の決め方、選ぶ基準
私の「アルバイト先を選ぶ基準」と注意した点は次のようなものでした。
■1. 目的を決める
何を目的にアルバイトをするのか、をリストアップしました。
そもそも目的もなく「友達に誘われて楽しそうだから」でも悪くはありません。ただし、起業するという目標があるような人からすれば、もったいない決め方かもしれません。
「目的」としては、こんなものがあると思います。
・給与をもらう(起業の資金など)
・技術や知識を得る(事業運営のための情報など)
・人とのつながりを得る(仕入れ先や情報獲得の手段としてなど)
・楽しさ、やりがい、生きがいを得る
・体力、筋力の向上、運動不足の解消などを狙う
どれを目的とするかは自由ですが、目的の質が高まると集まってくる情報の質が高まると思います。
■2. 業種、職種を決める
「1. 目的」が決まるとどんな業種、職種にするか、も決めやすくなります。
学びたいことが学べる、そういう情報や人とのつながりを手に入れられるアルバイト先を選ぶべきです。
ちなみに昔からある、いわゆる「下積み」と呼ばれる考え方では、無駄な時間がかかる場合があります。たとえば、飲食店なら皿洗いしかさせてもらえない、など。
もちろん熟練の職人技がどうしても必要なら、そういう下積みをすることも必要かもしれませんが、長期間の下積みを不要と考え、早々に開業するような人も増えています。
■3. 時給、勤務時間、その他の条件を調べる
たとえば、時給の高さを追求することは必要ないかもしれませんが、資金を貯めやすい仕事の方がいいということにはなりません。
開業時の「資金の多い少ない」は言い訳であるケースが多いと個人的には思っています。業種、業態にもよりますが、適切に資金を使えば、少ない資金でも事業を立ち上げることもできます。工夫次第だと思います。
また、シンプルに「通いやすさ」なども重要だと思います。アルバイトだけで疲れ果てて起業の準備や勉強ができなくなると本末転倒だからです。
■4. 企業、店舗を決める【裏技あり】
あとはどの企業、店舗にするか、求人誌などを見て選んで応募するだけです。
【アルバイト先選びの裏技】
ちなみにアルバイト先の選び方には「裏技」があると思っています。
じつは「募集していない起業に応募する」というのが有効だと思います。
企業やお店の立場としては、
・人が不足していても募集するほどではない
・そろそろ募集しようと思っていた
・人は不足していないが、熱意がある人は歓迎
などのケースが考えられます。
つまり、必ずしも「募集していない(ように見える)」=「応募してはいけない」ではないはずです。
具体的には社長宛に手紙と履歴書を送るといいと思います。
「こういう理由で、こういう条件で雇ってください」ということを伝えるだけです。
ただし、返信もなく無視されても怒ったりする必要はありません。相手の忙しさを想像する力も必要だと思います。
また、「情報、ノウハウを盗めるだけ盗んだら辞める」というような盗っ人根性の人は、どこかでしっぺ返しを食らうような気がしています。むしろ「いつくらいには独立したい」ということを伝えるのがマナーかもしれません。この辺の線引きの感覚は、私にはまだわかりません。
写真は私のアルバイトのときの様子です。
アルバイト先を「学びの場」にする方法
1. 儲けの仕組み、お客様が来る理由、買う理由、リピートする理由、離れる理由を知る
いわゆるその業界がなぜ成り立っているのか、ビジネスモデル全般を学ぶのと、お客様のインサイト(本音)などに触れる機会でもある、ということです。
アルバイトという立場ならお客様との距離も違いため、本音が聞きやすいかもしれません。
2. 仕事できる人の特徴を知る
同じ職場で働いていても、どういう人がハイパフォーマーなのか、なぜパフォーマンスが発揮できているのか、などの秘密を学ぶこともできます。
3. 嫌われる人の特徴と距離の置き方をつかむ
組織の中でうまくやれる人、やれない人がいます。その人がそうなってしまった原因なども学べると思います。
組織の教育体制やそもそもの人材論のようなものも含めて、将来のために学べるはずです。
4. 自分から提案して何かを任せてもらう
これは一番学べることが多いと思っています。
「アルバイトだから黙って仕事をしろ」という職場なら、それに従うべきかもしれませんが、たとえば店長に提案しやすい職場であれば、どんどん提案したらいいと思います。
仮に自分が発案した企画が失敗して在庫を抱えたような場合(在庫を抱えるような企画は提案すべきではないですが)、その責任を押しつけて在庫を買い取るように迫られた場合は、法令違反ですので、労働基準監督署などに相談すべきだと思います。
私の場合、在庫が多くなっていた商品を売る企画を考えて、手書きチラシを作って配布する許可をもらって実施しました。
提案のコツは、その「店長の悩み」などを解決する企画を立てることです。受け入れられやすさが変わると思います。
5. 無理しない休み方、辞め方を実践する
アルバイトを辞めるときに、きちんと将来にもつながるような円満退社をすべきだと思います。どこで回り回って起業を助けてくれるかもしれませんし。
最後に
起業の資金だけを稼ぐのではなく、学びも稼ぐ、というつもりでやれば、アルバイトも起業準備の有効な手段となります。
もちろん「とりあえず資金を貯めることを重視」というスタイルもいいかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
フォーチュンファクトリー株式会社 代表取締役。新潟出身。東京在住、20才。「CAMPFIRE AWARD 2017【特別賞】灯火賞」受賞。「フォーチュンボックス」や自社ブランド「五感プレミアム」シリーズを販売中。