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アニマルレフュージ関西(ARK・アーク)から学ぶ動物保護のあるべき姿

◎アニマルレフュージ関西(ARK・アーク)

11月29日のYahoo!ニュースに、我が家の愛猫の出身、アニマルレフュージ関西(以下アーク)の理事・オリバーさんの記事が掲載されていました。

アークはイギリス人のエリザベス・オリバーさんによって設立されました。

アークは1990年、現在の代表エリザベス・オリバーによって設立されました。 オリバーは、イギリスから英語の教師として来日していましたが、傷ついた動物たちを見る度に友達と救助にあたっていました。その頃は資金の援助もほとんどなく、フード等の援助のみによって支えられてきました。次第に協力してくれる人たちも増えていきましたが、あまりに動物の数が増えた為にボランティアから数名をスタッフとして採用することになりました。

アニマルレフュージ関西HPより

動物保護先進国イギリスから来たオリバーさんは、当時の日本の動物に対する意識の低さに驚いたのではないでしょうか。

2012年オリバーさんは、長年の動物福祉の貢献によって英国エリザベス女王より大英帝国勲章MBEを受勲しています。

英国のエリザベス女王の選定する2012年度のBirthday Honours List (女王の誕生日に与えられる叙爵及び叙勲一覧)の中でMBE*を受勲する名誉に博しました。これはオリバーの日本における動物福祉及び市民社会への長年にわたる貢献が英国王室に認められたものです。この叙勲者のリストは6月16日付けのロンドン・ガゼット(イギリスの官報)並びに英国の全国紙で発表されました。

注:MBE(the Most Excellent Order of the British Empire)は、英国女王が国家と社会に貢献のあった個人に贈る勲章:大英帝国五等勲爵士

アニマルレフュージ関西HPより

◎世界の動物保護に対する意識

我が家の天使♡猫さまは、2013年12月に、縁あって「アニマルレフュージ関西(ARK・アーク)」から、はるばる飛行機に乗ってやってきました。

ひょんなご縁から副理事ジュリーさんとお知り合いになり、アークの存在を知ることになります。

今から18年前のことです。

この団体を知ったことによって、日本の動物福祉、動物愛護の意識が海外と比べていかに低いかを知ることになったのです。

その一つがペットショップです。

最近でこそ保護犬や保護猫の存在が知られるようになりましたが、相変わらず日本ではペットショップで動物を買うのが主流です。

しかし海外、特に欧米では、ペットショップで生体販売を行う条件が厳しいため、犬や猫を飼いたい場合は、次のような手段が一般的な入手経路になります。

1.自分でブリーダーを探す
2.保護動物を引き取る
3.譲ってもらう

イギリスやドイツでは、ペットショップとはペット用品を扱うお店であり、日本の感覚とは違っています。

こうしたペット先進国では、ブリーダーやペットショップの開業にライセンスが必要となる国がほとんどです。

法規制が深く浸透しているからこそ、店側にも顧客にも高いモラルが保たれているのではないかと思います。

◎世界一厳しいスイスの動物保護法

世界で最も厳しい言われているのがスイスの動物保護法です。

この法律の基本原則は、何人も動物を不適切に苦痛、苦痛、危害または恐怖にさらしたり、動物の尊厳を侵害したりしてはならないということです。一部の例外を除き、痛みを伴う処置は麻酔下で行う必要があります。この法律は、動物を扱うときは、その尊厳、つまり固有の価値を尊重しなければならないと述べています。

https://www.blv.admin.ch/blv/en/home/tiere/tierschutz.html

この規定により、スイスの動物は虐待や外見・能力の改造から守られている。つまりアルコールを飲ませたり、毛皮や羽毛を染めたり、クローンを作ったり、毛のないスフィンクスに品種改良したりすることはできない。犬の断尾や断耳も禁止されている。去勢や除角には麻酔を使わなければならない。ちなみにスイスでは2018年、牛の除角が動物の福祉に反するとして、除角しない農家に補助金を支給する案が国民投票にかけられたが、反対票54.7%で否決された。

https://www.swissinfo.ch/jpn

犬の断尾や断耳ってなに? と思う人もいるでしょう。

私が子供のころ、グレートデンという犬種は耳を切ることで立ち耳にしていました。他にも多くの犬種が耳や尾を切られていました。

しっぽが短いトイプードルやコーギーは、生まれつきそうである場合を除いて、元々短いわけではないのです。

しかし、ヨーロッパにおいては、「ペット動物の保護に関する欧州協定」(The European Convention for the Protection of Pet Animals)によって、単にペットの外見を変えるだけで治療的な目的をもたないような外科手術は禁止されるべきだとしており、同協定に同意した多くの国においてすでに動物虐待として禁止されています。

これらの禁止事項に例外があるとすれば、医学的な理由や、当該ペット動物の利益を考慮し、獣医が手術を必要と認めたとき、および繁殖制限するときのみに限る。動物が多大なる苦痛を味わうような手術を行う際は、獣医本人、もしくは獣医立会いの下、麻酔をかけて行うこと。麻酔が必要とされない手術は、国家資格を有する者のみが行うこと。

ペット動物の保護に関する欧州協定

しかし、日本ではまだ動物に関する条例や法規制はほぼないに等しく、ドッグショーでは犬種のスタンダードとして断耳や断尾された犬が出場しています。

断耳や断尾をするかどうかは、依頼された医師の判断に任されているのが現状です。

最近は動物愛護の観点やクレーム回避するために断るケースも増えているようですが、結局は飼い主や医師の判断にゆだねられているのが現状です。

スイスでは動物実験についても、代替手段がない場合にのみ許可されるとしています。

動物実験については私も同感です。

IPS細胞などの研究も進んでいます。

動物実験をしなくてもよい環境が、早く整うことを祈ります。

◎日本ではペットは物として扱われる

日本の動物愛護は、世界からみるととても遅れていると言わざるを得ません。

日本では大切な家族であるペットも、法的には物として扱われます。

刑法においては、ペットが誰かに負傷させられたリ,死亡させられたりしたとしても,傷害罪や殺人罪は成立せず,あくまで,飼い主の所有物を破壊したとして器物損壊罪が成立するのみです。

ただし、ペットが生命を有する存在であることなどの特殊性から、動物の愛護及び管理に関する法律のなかでは、特別な扱いを受ける場合があります。

「愛護動物」をみだりに殺し,又は傷つけた者に対しては,2年以下の懲役又は200万円以下の罰金が成立するなど,器物損壊罪(3年以下の懲役又は30万円以下の罰金もしくは科料)よりも重い犯罪が成立することとされています。

◎ペットも命あるいきもの

日本がなぜ、世界の流れからここまで遅れてしまったのかわかりませんが、そろそろ動物愛護について、法的に整備されてもいいのではないかという気がしています。

アニマルレフュージ関西に話しを戻しましょう。

Yahoo!ニュースの中で岡本ジュリーさんが紹介してくれた、「動物の5つの自由(The five freedoms for animals)」の理念

(1)飢え・乾きから自由であること
(2)不快から自由であること
(3)痛みや負傷、病気から自由であること
(4)動物本来の行動がとれること
(5)恐れや抑圧から自由であること

https://news.yahoo.co.jp/articles/46deabdf7900393c215dff039255fabdd421e391?page=4
Yahoo!ニュースより一部抜粋

元々は、イギリスで1965年、家畜動物のためにできた理念だそうです。

ペットにも同じ自由があってよいのではないでしょうか。

アークをはじめ、多くの団体がボランティアに頼らざるを得ない状況です。

献身的なボランティアさんと寄付で運営を続けている団体が多いのが現状です。

こうした献身的な活動を続けていることに頭が下がります。

日本はいつまでボランティアさんや寄付という善意だけに頼り続けるのでしょうか?

コンビニで気軽にお菓子を買うようにペットを買えていいのでしょうか?

善意だけに頼っている動物保護には、限界があるように思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

アークを知ったことで、初めて保護猫という存在を知りました。

そしてこの団体があったから、我が家の天使とも出会えました。

少しでも不幸な動物がいなくなるように、アークを、そして動物保護の活動されている方々を応援したいと思います。

今日もよい日でありますように。




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