自己啓発セミナーが流行った当時の事

2024年6月16日 11:37

バブル全盛期が高校三年生だった。
高校にはたくさんの企業から「是非ともウチの会社に来てください」とお誘いが来た。

嘘でしょー！と思われてしまうことが本当にあった頃。進路指導室の前の壁には、企業情報がズラリ。選びたい放題。就職率120パーセント。

私は卓球部だったので、卓球部がある銀行から誘いがあった。同期2人で教官室に呼ばれ「銀行から誘いが来たぞ」と。

友達は最初から就職志望だったので銀行に決めた。私は「美容師になるので。」とお断りをした。母には相談せずに決めたら、めちゃくちゃ怒られた。

当時の銀行ってものは、まず潰れることは無いという一流企業。
その後、どこぞの証券会社が潰れた時には国中が「まさか！」だったらしい。

そういうことに全く興味がなくて、世間が大騒ぎしていても気にも止めなかったが。

このあたりから【自己啓発セミナー】が流行りだしてきた。

これまた前回の【ネズミ講】と同時期。
インターンの頃にいたお店と、三年後に勤めたお店、両方のお店に同じ【自己啓発部隊】がやってきた！

後で勤めていた店は、聞いた話によるとお店は360万円払ったということだった。そんなにあるならば給料上げれるだろ！(月給9万円)

自己啓発の長が言うことに、19歳のWAKUちゃんも22歳のちょっとだけお姉さんになったWAKUちゃんも、同じセリフを投げたらしい。

「私たちに会うの、初めてですよね？なのになぜ、幸せにしたいと言えるのですか？本当に幸せにしたい人から何故お金をそんなに取るんですか？」

にやけた顔をした長は、今思えばまだ30代後半くらいだったのだろうが、オジサンに見えた。イケてないオジサンには食ってかかるWAKUちゃん。

3年後、またもやこのオジサンと取り巻きの若い衆と遭遇。
初対面を装い、同じ反論をすると
「前に会ってますよね？その時も同じこと言いましたよね？」と言われた。

『同じこと言った』という部分がなんか悔しくて、「違います。人違いです。」と言ったらまたもやニヤニヤしたオヤジ。ムカッ。

その後、最初の美容室の店長は完全にハマったという話は聞いたが先のことは分からない。(全員全裸でディスカッションすると聞いた。見てはいないので証拠は無い)

その間にも、個人的にお誘いがあった。

中学の同級生。厳密には同期生。小学校から9年間、同じクラスになったことがなかった男子から電話がきた。
(卒業アルバムは個人情報丸出しだから)

「なに？宗教か？」と聞くと
「違うよ！すごくためになる話！ご飯奢るから」
「奢ると言うなら聞いてやろう」

という事で近くの定食屋で久しぶりの(喋るのは初めて)再会。

「WAKU、今幸せ？」

出たよ！宗教の時もこれ言うじゃん。

「え〜！勧誘じゃんか！あのさ、それ、絶対聞くよね、勧誘の人。自分のことを幸せだと言う人がいないからじゃん。幸せだて！今生きてんだから！」

というこちらの話など聞いてないのがあちら側の人たちの特徴。

「俺さ、今、営業の仕事やってるんだけどさ。引っ込み思案で話すの苦手だから、仕事がうまくいかなかったんだわ。そんな時に『自己啓発セミナー』に誘われて、自分が変わって自信ついたんだよ！喋れるようになった！」

とキラキラしていたが、目の下にクマができていてちょっと痩せていたので
「あんた、ちゃんと寝てる？食べてる？」と聞いてみても、勧誘のセリフしか発しない。

「4泊5日、ホテルで泊まり込みなんだよ。社長さんとか偉い人ばっかりだよ。お金は巡ってくるものだから、今無くても、誰かが貸してくれる。WAKUも絶対やった方がいいよ！」
と自信満々に話してきた。

一通りマニュアルを終えた頃を見計らって
「4泊5日？仕事は？そんなに休めないでしょ？参加費5万円？給料の半分じゃん。人から借りるのは絶対ダメでしょーが」

「そもそも、あんたね。人選んで話しなさいよ。『喋れるようになったんだよ』って。こんだけ喋れる私に言ってもひとつも響かんでしょ。大丈夫。私、ずっと喋っていられるから」

その後のことはこれまた不明。

彼らは決してだまそうとしている訳では無い。本当に自分が変われたと思ったから、たくさんの人に勧めたいというだけ。

この言葉がまだ言われていなかった当時と今。30年以上経ってもやっていることが変わらないな、と私は見ている。

30代、40代で【マインド】に支配されている人が多いという現実を目の当たりにしているけれど、彼らもまた【自己啓発】に魅了された人々。人の話を聞き入れないことが自分軸であると勘違いしている人もいる。

マインドコントロールされている自分に気づけるかどうか。

何が1番大切なのか。

最後はちょっとだけ真面目なWAKUちゃんで♡♡

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