見出し画像

卵巣嚢腫(入院編)

27歳。独身。女性。宗教上の理由で輸血はダメってことは無し。


手術前日に入院。
院内を看護師さんがご案内してくれる。
緊張しているだろうと、とっても優しくしてくれる。

「手術中に音楽かけれるけど、何がいい?」とCDリストの中から私が選んだのは

『久保田利伸』

看護師さんも「久保田良いよね〜♡♡」と言っていた。


手術当日

手術室に入る前の検温でまず躓いた。
体温が『34.7℃』
看護師さんが「え!嘘でしょ!も一回反対で測って!」と測り直す。
またもや『34.7℃』

これは体温計が壊れているのではないか?と母が測ってみると『36.5℃』
壊れていない。

「いっつもこんなだけど」と看護師さんに言ってみたが「これじゃあ手術できないの!」と焦りを見せた。

さすってみたり動いてみたりして今一度測り直すと『35.0℃』

「よし!行くよ!」とダッシュで手術室に運ばれた。なるほど。35℃無いと手術できないのか。メモメモ。


手術室にて


手術室で中島みゆき先生が待っていた。大学病院の先生も1人必ず付くというシステム。

看護師さんから「下半身麻酔ですけど、眠る薬を点滴に入れると眠ってる間に終わりますよ。」と、若い女性扱いをちゃんとしてくれて優しく教えてくれた。

「どーしよっかなぁ?」と悩んでいると間髪入れず「起きてなさい。こんなこと滅多にないんだから。」と中島みゆき先生のお言葉♡

「ハーイ!起きてまーす!せっかく久保田かけてもらえるんだしねー!」

と手術にやる気を出した(やられる側だけど)

「まだ若いからビキニ着れるように横に切るからね」と言われた。
「いやいや先生。この体型でビキニなど着ませんよ。縦でも横でもどちらでもいいです」

「何言ってんの。若いんだからビキニくらい着なさい」
と楽しく談笑。緊張感は皆無。

麻酔が効いて手術開始。
あ、そうだ!この麻酔痛かったな。思い出した。

麻酔が効いたことを確認し「メス」
おー!ドラマと一緒♡医療ドラマとかドキュメントの手術シーンが大好きで、自分のもできることなら生で見せてほしかったので「天井のライトにうつんねーかなぁ」って凝視してみた。見えるわけあるまい。

みゆき先生が色々と話しかける。
「いい腹筋してるわぁ!なんかスポーツしてた?」と聞かれ「卓球やってましたけど、ずっとやってないです」と言おうとして発声したら「たっふゅーひゃってまひたへと〜」とまともに話せない。

なんだ!話せないじゃないか!
あ!そっか!喋るのって腹筋使うからか!そりゃ麻酔かかってんだもの。ふにゃふにゃ語になるさ。

「何?なんだって?」と聞くから、力をふりしぼり「たっ▪ひゅう〜」と答えてようやく通じた。
 
いや、卓球じゃなくて美容師の仕事が立ち仕事だからだと思うんだけど。と思ってもそれ以上はまともに喋れないから諦めた。

みゆき先生と大学の先生を交え楽しく談笑のうちに手術は終了。約20分程度。あっという間に終わって若干ざんねん。

手術直後

みゆき先生が採れたてホヤホヤの『私だけの子供』を部屋に連れてきた。

「こんなのが入ってたよ!」と見せられたのはなんとびっくり!

黒い髪の毛の塊!
Sサイズのミカンくらいの大きさ。
 

それを見た母が
「美容師だからですかね?」って。はっ?

これをウケ狙いで言えるような人ならば、もしかして私の人生も変わっていたかもしれないが、母は大マジメに先生に聞いたのだ。

「切った髪の毛が知らない間に身体の中に溜まってこうなったんだわ」と。
(説明しても納得しない)
とかく彼女は自分の意見が正解だと思うタイプなので決めつけて話す。

みゆき先生は失笑。そりゃそうなる。
「そんなことは無いですよ。」とシレッと言葉を残し去っていった。申し訳ない、先生。

『私だけの子供』は病理検査に出すためにすぐに連れていかれ、帰ってくることは無かった。


麻酔が切れた後

まずいちばん嫌なのが尿管。スッキリしない感。これ外してぇ(*꒦ິ³꒦ີ)
「大丈夫。ちゃんと出てるから」って。そういう問題じゃないのよ。気持ちが悪いのよ。

そうは言っても無抵抗でいることしか許されない状態なのでおとなしく言いなりになる。

担当の看護師さんが厳しくも優しいおばちゃんで、なんだか私を可愛がってくれた。
(1人目出産の時も担当してくれた♡)

「痛いよぉ〜!パンツ履けないよぉ!」と泣き言を言っていたら「しょうがないなぁ!ほら、つかまって!履かせてあげるから!普段こんなことしてあげることないんだからね!」と強めに言われながらも、暖かい愛情を感じ「はーい♡ありがとうございまーす!」
と可愛らしく言ってみた。

とはいえ、翌日からは「ハイ!歩いて!」とスパルタ教育(だと思ったけど、当たり前らしい)で、点滴を持って腰をかがめて歩く。

みゆき先生の計らいで、個室にしてくれていた。部屋の中にトイレもシャワーもある。
新しい建物だからホテルみたいで快適。

「初めてだし、独身だから個室がいいでしょ。皆出産で入院してるから」と。さすが中島みゆき先生だ。粋な計らい。


お見舞い

2週間の入院生活の間、友達が何人もお見舞いに来てくれた。

初めて『ハーゲンダッツ(マカダミアナッツ)』を食べたのがこの時。なんじゃこれ!うんめぇ〜!と言いながら、面白家族の話をする友達。おもしれーよ!でも笑うと腹いて〜んだよ!切ってるからね!

 また別日には「やっぱこれがいいかと思って」と差し入れを持ってきたのは担当のお客さんの女の子。

漫画本【僕といっしょ】全巻
おい。これ。爆笑するやつやんけ。
【稲中卓球部】の人のやつやんけ。
だからさ。いてーんだってば!

更に、交換日記をしていた幼なじみで、私の歴代彼氏全員知っていた親友がお見舞い金を包んできてくれた。

「えー!髪の毛だったの?人型だったら面白かったのに。キーホルダーとかにできたじゃん。」って。そりゃ面白い。想像しちゃう。

だからさ。笑ったら腹がいて〜んだって何回言えばわかる!

お陰様で2週間後に無事退院。タクシーでアパートへ帰宅。運転手さんに荷物を運んでもらい、さらに2週間休業。

ゆっ〜くり休暇を取れました♪♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?