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卵巣嚢腫(2回目)手術の日

2回目の卵巣嚢腫は腹腔鏡手術。

当然初めての体験なので、ドラマでしか見たことがない。

イザ!手術!

今回は低体温ていうことはなく、すんなりGOサインが出た。

夫と義母(共に当時の)の到着が遅く、看護師さんと先にエレベーターに乗るところで二人がやってきた。看護師さんをイラつかせてしまったが、何とか時間ギリギリに始められた。

大学病院なので多くの学生さんが見守る中、ベッドに横になる。みんな、学びなさい。

カテーテル

まず驚いたのが麻酔。
昔のめちゃくちゃ痛い腰に打つ麻酔ではなく
背中の骨と皮の間にカテーテルを通してそこに麻酔を流す(そんな感じだったはず)って言っていた。

昔の麻酔は、麻酔が切れた後に激しい頭痛があったりしてしばらく辛かったけど、そういう副作用がないんだと。

私は血管が分かりにくいと、いつも言われていた。点滴するにも採血するにも必ず失敗されてきたが、大学病院はこなす数が違う。
一発で成功した。流石だ。

「入れていきますね〜!痛かったら言ってくださいね〜」
と、背中にカテーテルを通していく。

「痛かったら」の基準がどのくらいのものかがちょっとよく分からないので、私基準で「我慢出来るところまでは我慢する」

痛いのなんて当たり前だし。ちょっとくらい痛くても簡単に「痛いわよ!」なんて言えない。我慢できちゃうし。

ところが。身体は嘘をつかず「イテッ!」という動きを見せてしまった。ピクっと海老みたいに。

「痛かったですか?」と聞かれたので
「ごめん、ピクってなっちゃった。だいぶ最初の方から痛かったけど。我慢できるかなと思ったけど反応しちゃった」と言ってみた。

「もう少しで終わるので頑張ってください」ね〜というのが歯医者でもよくある常套句なので、それを予想していたら

「我慢してたんですか!早く言ってくださいよ!代わります!」と、、、

なんとびっくり!その後は『無痛』

研修医だったのかな?学生にはさすがにやらせないとは思うけど。学んだな。ヨシヨシ。

私も学んだ。我慢しなくて良いのだ。今どきの医療は。

「え〜!我慢しなくていいの!医療の進歩は目覚しいね!15年でこんなに変わるの!素晴らしいわ〜」

とか何とか喋ったところまでは覚えているが、その後は個室のベッドの上。
術後当日丸一日は個室になる。

術後初めての「イラッ」

目が覚めると夫▪義母(当時のね!)が目の前に。
義母「あんた大丈夫だ?」
W「大丈夫では無いわ。手術してんだから」
夫「猫が洗面所にウンコしたんだけど」
W「、、、で?どうしろと?」

義母「あんた(夫)今日休み取ったん?」
夫「金曜日も休んだから、会社の人に『休みすぎだ!』って言われたけど。せっかくだから」
義母「パチンコ行くん?」
夫「どうしようかな。どうすればいいと思う?」
とそこで私に振ってくる。

W「まだ10時なので。これから会社に行けばいいと思います。行ってください。」
夫「いや、まあ、休むけど」

じゃあ聞くんじゃねえよ。

W「とりあえず、2人とも帰って。」

このやり取りを見ていた看護師さん。
「大変だね、、、」
ありがとう。わかってくれて。

白い巨塔


この日の夜、じっと寝ていると腰が痛くてたまらず、どうにかして動かしたいとベッドの柵につかまり筋トレさながらにもがいていた。

もがきすぎて、普段使わない胸筋がものすごい筋肉痛になった。

翌朝、筋肉痛の状態の私の元に看護師さんがバタバタセカセカ飛んできた。

「今日はこれから教授回診があるのでちょっとベッド起こしますね」と。

え!教授回診?まじ?あの『白い巨塔』の?ドクターXの?まじ〜!ホントにあるんだ!いい時に入院した! 

どうしてもこういう時、なんか面白いことやってやろうという虫が騒ぐ。

大好きな主治医の先生は外来に居る時間。
撫で肩の優しい新婚の27歳
男性医師が担当医。

教授回診のために既にドアは開いている。

担当医のご案内で『教授』登場。(ホームページで調べたら名誉教授って書いてあった)

「どうかね?」と太ったオッサンが聞いた。

「何が?」と応答。
「私の事知らないでしょ?」

部屋に入り切らない大名行列の学生たちが凍りつく。

撫で肩担当医が大慌で私のカルテをオッサンに見せた。
「えっ〜と。お腹だったかね?痛いところはないかね」と関西弁で聞く。

「胸が痛い。ものすごく」

そんなこと言われたら慌てる。担当がアタフタして可哀想だったので、事の経緯を説明した。そこ、学生たち、笑うとこね!
と、彼らを見ると、笑っていいのかどうか、オッサン(名誉教授)の顔を伺っていた。

「ハハハッ!大丈夫そやね」
と一言いったあとでみんなが笑う。

『お前が笑わないと皆が笑えないんじゃ。はよ笑え』(さすがにこれは心の声)


なんちゅう社会だ。
医療はこれだけ発達したのに、この仕組みが何十年も変わらないとは。

学校と病院の共通する問題点だな、これは。とその後も胸を痛めていた(筋肉痛ね!)

翌日は4人部屋へ移動。
楽しい入院生活が始まる。
また次回の記事にて〜♪♪



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