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漢方・薬膳からみた冬の過ごし方①

日々冷え込みが厳しくなり、いよいよ本格的に冬到来ですね。
これから更に気温も下がって、様々なウィルスの流行が気になるところです。「第〇波」といったものには来て欲しくないのですが、今から自分たちなりにできることをして備えておきたいものです。

もはや年間通してのテーマとなってはいますが、冬になると特によく耳にする言葉「免疫」。なぜ、寒くなると免疫低下が気になるのでしょうか。
漢方の考えでは、冬は「停滞」の季節ととらえます。
野生の動物は冬になると冬眠します。元来その仲間であった人間である我々も、「省エネモード」になるのです。最低限のエネルギーで過ごせるよう、代謝もゆるやかになりますし、「溜め込む」状態となります。(よく、冬にダイエットをするのは難しいという話を聞くかと思いますが、上記の考えからいくとさもありなん、ですね)

その自然の流れに合わせるならば、冬の間じゅう家の中で静かに過ごすということが理想的ということになりますが、現代社会に生きる私たちは学校や会社など、一年を通じて同じ生活をしている以上、そういうわけにもいきません。

身体の代謝はゆるやかで体温を上げづらい、活発に動きづらい時期であるにも関わらず気温が下がって冷たい風が吹く外に出ていかなくてはならないし、他の季節と同様に活動しなくてはならないのです。
これらのことから、冬は省エネモードであるがゆえに、対策をしておかないと、外敵要素による体調不良に打ち勝ちにくい状態に陥りがち、ということになります。

冬は「気」「血」の充実をこころがけましょう

では、具体的にどのような対策をしていけば良いのでしょうか。
漢方には、私たちの身体を生理的にみる上で重要な「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」という要素があります。

気血水

「気」は私たちの生命力の源となる、いわゆる「免疫力」「自然治癒力」のようなもの。身体を動かし、食べ物から得た栄養を全身に巡らせるにはこの「気」が必要です。

「血」は、いわゆる血液というだけでなく、身体を巡る栄養のようなものとも定義されます。
「水」は、私たちの体内を巡る体液のことを示します。水の巡りが滞るとむくみや消化不良が起こりやすくなります。
これら「気・血・水」のどれもが不足したり巡りが悪くなると、何らかのトラブルの原因となり得ますので、私たちの日々の健康には、いずれもがバランスよく循環していることが理想的です。

冬は、先ほど述べたように省エネモード=気の低下が起こりがちです。気が不足すれば血の不足=食物からとった栄養を吸収し全身に巡らせることもできませんし、そうすると身体を温めたり、ウィルスに対して防御したりという力が不足します。そのために、冬は特に気・血をしっかり補うことが大切になってきます。
季節による影響が避けられない以上、私たちに出来ることとしてお食事面からのケアが不可欠です。

前回のコラムで気・血を補う食材をご紹介していますので、普段のお食事に取り入れてみてください。

ただし、そればかりになると、摂り過ぎ→溜め込む、ということになってしまいますので、他の食材と組み合わせながらバランスよく召し上がっていただくことが大切です。

この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。

インスタグラム
https://www.instagram.com/yakuzen_everyday/

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