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入籍10ヶ月で適応障害になった話 〈5〉


父から肝臓がんだと告げられたのが昨年の12月28日。
家族で話し合いふわふわと
何も考えられない頭でお正月を過ごし
入籍後初の旦那さんの祖父祖母邸で年始を過ごしました。

1月4日に父の入院前の検査をするために大学病院に向かいその病院で
父の癌はステージ4だと告げられました。

癌を治すための他の肝臓部分が
ほとんど正常に機能しておらず
投薬するにも負担が大きすぎて投薬できない事。
余命を伝えることすらできない事。
あまりにも大きな衝撃でした。

そんな時も父は私がまだまだ小さな子供だから
伝えないでと
担当医の方にお願いしていましたが、
もう28歳なんだから親のことは知りたいと

教えてもらいました。

その日の検査を終えてスーパーで買い物を済ませ、
その帰り道に私は何の気なしに父へ質問しました。

「ねえ父ちゃん退院したら何したい?」
父は少し口籠もり
「…温泉かな」
と答えました。

今思うと父に対して酷な質問だったかもしれません。
だってあの頃の私は本当に完治すると思っていたから。

実家に帰ったあと2人でこたつに入りながら
お気に入りのグルメ番組を見て父の病気について
特に話すことなく父は寝室に向かいました。

きっとこの時期には普通に座っているのも
辛かったんだと思います。

翌日、大学病院から電話があり
父がコロナウイルスの陽性だったと伝えられました。
                            Nana.N



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