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虫媒介感染とは?

むし ばいかい かんせんしょうと読み、虫が原因で起こる病気のことです。たとえば、蚊やダニなどの虫が人や動物にくっついて、その虫が持っている病原体(病気を作る微生物)をうつすことで病気になることを言います。

新たな研究

アメリカでも西海岸より東海岸の方がこの病気の犬が多いんですよ。
2005年にハリケーン カトレーナの被害にあったニューオリンズ。そこの犬たちをカルフォルニアにレスキューしてきたのはいいが、ほとんどの犬がフィラリアで、その頃からカルフォルニアにフィラリアの犬が急激にふえたのです。

虫などによって運ばれる感染症は、人間やペット、野生動物にとって大きな健康リスクを持っています。アメリカの家庭で飼われている犬は、人と動物の両方に感染する可能性のあるいくつかの病原体の感染源となることがあります。新たな研究では、アメリカ東部の保護施設にいる犬が、エルリキア属、アナプラズマ属、ボレリア・ブルグドルフェリ、ジアロフィラリア・イミティスという病原体に感染し、それに関連する地理的分布、リスク要因、共感染の状況を分析しました。

2016年から2020年にかけて、アメリカの19州にある保護施設の犬3750匹について調べました。これは、ダニが運んでくる病気や、ジアロフィラリア・イミティスという虫による病気があるかどうかを見るための調査です。このために、犬の血液を特別な検査(IDEXX SNAP® 4Dx® Plusテスト)でチェックしました。

この研究では、犬の年齢やメスまたはオスか、去勢・避妊されているか、どんな犬種か、どこにいるかといったいろいろなことが、病気にかかるかどうかにどう影響するかを見ました。これを調べるために、統計という数学の方法を使って分析しました。

この研究で、ジアロフィラリア・イミティスの感染率は11.2%(3750匹中419匹)、アナプラズマ属の感染率は2.4%(3750匹中90匹)、エルリキア属の感染率は8.0%(3750匹中299匹)、ボレリア・ブルグドルフェリの感染率は8.9%(3750匹中332匹)でした。地域による感染率の違いが見られ、ジアロフィラリア・イミティス(17.4%、2036匹中355匹)とエルリキア属(10.7%、2036匹中217匹)は南東部で最も高く、ボレリア・ブルグドルフェリ(19.3%、740匹中143匹)とアナプラズマ属(5.7%、740匹中42匹)は北東部で最も高かったです。全体的に、犬の4.8%(3750匹中179匹)が複数の感染を持っており、最も一般的なのはジアロフィラリア・イミティス/エルリキア属(1.6%、3750匹中59匹)、ボレリア・ブルグドルフェリ/アナプラズマ属(1.5%、3750匹中55匹)、ボレリア・ブルグドルフェリ/エルリキア属(1.2%、3750匹中46匹)の組み合わせでした。感染に大きく影響するリスク要因は、場所と犬種のグループでした。ジアロフィラリア・イミティス抗原の感染率に関するすべての評価されたリスク要因は重要でした。

私たちの研究では、アメリカ東部の保護された犬たちが、虫によって運ばれる病気にかかる危険度が、住んでいる地域によって違うことがわかりました。これは、その地域にいる虫の種類や数が違うからだと思われます。でも、地球の気候が変わっているせいで、虫たちの住む場所が広がったり変わったりしているので、これからも犬たちがどんな病気にかかりやすいかをしっかり見ていく必要があります。そうすることで、犬たちを守るためにどんな注意が必要かをちゃんと知ることができます。

これらの資料は Natironal Library Medicine からの私なりに翻訳をしたものです。参考になればありがたいです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37301970/

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