<なつみの本紹介> #26 夫のちんぽが入らない/こだま
あらすじ
同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた”私”。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は。。。「普通」という呪いに苦しみ続けた女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。
感想
書店でこの本のタイトルを見た時、衝撃を受けた。何だこの本は。手に取らずにはいられなかった。ただよくよく見ていると、決して卑猥な意味でのタイトルではない。
性について考えさせられた。いや、性というか、男女の関係についてである。付き合っている男女はセックスをする、結婚したら子供をつくる、そんな常識とも考えられていることは、決してそんなことはなく、各々に選択の余地がある。二人の問題は二人で解決すればいいのである。何のためにセックスをするのか、何のために子供をつくるのか、まだぼくにはわからない。セックスをするのは欲望であり、パートナーを愛しているからで、幸せな家庭を築きたいという夢には、普通子供が必要とされている。
じゃあ、「普通」って何だ。これこそ、人間の長い歴史の中で積み重ねられた最大のお荷物なのではないか。その「普通」をぶち壊す意味で、この本を読んでみるのをお勧めしたい。愛とは何なのか、それを自分で探し、自分だけの答えにしてみよう。
グッとワード
子供を産み、育てることはきっと素晴らしいことなのでしょう。経験した人たちが口を揃えていうのだから、たぶんそうに違いありません。でも、私は目の前の人がさんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。人に見せていない部分の、育ちや背景全部ひっくるめて、その人があるのだから。それがわかっただけでも、生きてきた意味があったと思うのです。
この話題について、未熟なぼくが安易に語ることはできないので、メモとしてここに記しておきます。
2021/10/24
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