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【在宅ワークで急増】「話が噛み合わない」相手への対処法

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

在宅ワークになると、仕事の仲間やクライアントとのコミュニケーションにおいて、普段以上にチャットなどでのやりとりが多くなるものです。

そんななか、

「こちらが言っていること、ホント伝わっているのか?」
「そういうことじゃないんだけど……」
「何を目的に、このやりとりをしているのかわからない」
「あの議論は、何だったんだ?」

などなど……、あなたのまわりにそんな厄介な相手はいませんか?

話が噛み合わないと、その分やりとりが増えたり、伝わらないがゆえにストレスが溜まってしまうものです。

そんな相手と話を噛み合わせるためにはどうすればいいのか?
その原因は何なのか?

その原因の対処法について、『話を噛み合わせる技術』(横山信弘・著)からご紹介します。


「話が噛み合わない」3つのパターン

同書の中で、横山さんは「話が噛み合わない」代表的なパターンとして、次の3つに大別しています。

◎あさっての方向
◎早とちり
◎結論ありき

あなたが頭に浮かべた話が噛み合わない相手は、このいずれかのパターンで会話をしてきませんか?

さらに、横山さんは、この3パターンに、それぞれ特徴的なフレーズがあると言います。

◎あさっての方向……「ところで」「そういえば」「ちなみに」
◎早とちり……「わかってるわかってる」「要するにアレでしょ?」
◎結論ありき……「~すればいいってもんじゃない」「決め手に欠ける」「見たことも聞いたこともない」

本書25ページより▼

図版

「話が噛み合わないかも」と思う人(要注意人物)との会話のやりとりの中で、聞き覚えのあるフレーズですよね(笑)。

面と向かってのコミュニケーションでも噛み合わないのですから、チャットだけの文字でのやりとりなら、なおさら噛み合わない可能性があります。

「あさっての方向」の例として、横山さんは次のようなやりとりを挙げています。あなたは部下の立場になって読んでみてください。

部下:「課長、今度の打ち合わせ、いつにしますか。私は来週の水曜日なら空いているのですが」
上司:「うーん、打ち合わせかァ」
部下:「再来週なら、火曜日以外は空いています」
上司:「そうだなァ……。ところで、再来週といえば、台湾への出張が入っていただろう」
部下:「え?」
上司:「ホラ、専務が前々から言っていたじゃないか」
部下:「ああ、そういえば……」

話の論点は「打ち合わせの日程」であったはずなのに、「台湾への出張」へとズレていってしまいました。
いわゆる「話がズレていく」という現象です。打ち合わせよりも、「再来週」というキャッチワードに意識を向けた上司は、話を「あさっての方向」へとそらしてしまったのです。

横山さんはまず、話が噛み合わない相手は、この3パターンのうちどのパターンなのか把握することが重要だと言います。


話が噛み合わない5つの原因

また、話が噛み合わない原因として、横山さんは次の5つを挙げています。

①(相手の)「リスニング・リーディング」意識が低い
②(相手の)「ボキャブラリー」不足
③(相手の)「前提知識」が足りない
④(お互いの)「知識」「経験則」のズレ
⑤(お互いの)「スタンス」の違い

このうち、今回注目したいのが、⑤(お互いの)「スタンス」の違いです。

相手は、

「助言をしたい」のか?
「こちらの意見を聞きたい」のか?
「一緒に問題を解決したい」のか?
「情報共有だけしたい」のか?
「単なる雑談をしたい」のか?

そのお互いのスタンスが合っていないと、話が噛み合わなくなってくると分析しています。

横山さんは、
次の会話事例を挙げながら解説しています。

「先日の朝礼で、社長がすごく怒っていたけれど、何か問題でもあったのだろうか?」
「ホント、あんなに怒ってる社長を見たのは初めてだよ」
「確かに売上は落ちているけれど、利益は過去最高を記録しているし……」
「あのとき、右手を腰に当てて怒ってたな。こんな感じで」
「名古屋支店の落ち込みがヒドイからだろうか。なァ、どう思う?」
「社長は、飲み会でも怒ってるとき、右手を腰に当てるんだよ。知ってた?」
「だからさァ、聞いてるじゃんか」
「……は?」
「社長が怒ってる理由は何だろうって」
「え……そうなの?」
「そうだよ」
「だったら、初めから、そう言えよ」
「初めから、そう聞いてるじゃないか」

Aさんは「意見を聞きたい」というスタンスですが、Bさんは「とりとめのないお喋りをしたい」というスタンスですから、話が噛み合わないのです。


つづけて、次の夫婦のやりとりも見てみましょう。

「お隣のお婆ちゃん、またゴミを出す時間、間違えてるの。何度も言ってるんだけど、なかなか理解してもらえないわ」
「俺は無理だよ」
「……は?」
「最近、ホント仕事が立て込んでるんだ。毎晩ヘトヘトで帰ってきてるんだ。わかってるだろう」
「な、何の話?」
「何でもかんでも俺に頼るんじゃなくて、自分で考えてくれよ」
「ちょっと……、さっきから何を言ってんの?」
「俺に今からそのお婆さんのところへ行って、説得してくれと言ってるんだろう?」
「はァ?」
「違うのか」
「誰もそんなこと言ってないでしょ」
「……え」
「お隣さんがゴミ出す時間を間違えてる、何度言っても聞いてくれない、ただ、そう言っただけよ」
「なんだ……そうなのか」

いわゆる「早とちり」のパターンです。
妻は単なる「世間話」のつもりで話をしているのに、夫は「問題解決」を促されていると勘違いしています。妻と同じく「世間話」のスタンスで話を聞いていれば、「へえ、そうなんだ。ゴミを出す時間ぐらい覚えてくれたらいいんだけどな」と、話を合わすことができます。

お互いの「スタンス」が合わないと、話がこじれてしまうことが、よくわかりますよね。

お互いのスタンスを合わせる方法

では、お互いのスタンスを合わせるには、どうすればいいのでしょうか?

横山さんは、お互いのスタンスを合わせるのに効果てきめんの【魔法のフレーズ】があると言います。

「スタンス」は、「~のつもり」で考えればわかりやすくなります。
「たわいない雑談をするつもりでいる」「意見を求めるつもりでいる」「有益な情報を提供するつもりでいる」「商談を前に進めるために交渉するつもりでいる」「今日こそは意思決定してもらうつもりでいる」という感じです。
要注意人物に対しては、話し始める前に、どういうつもりで話をするのか軽く触れておくといいですね。
「単なる世間話なんだけどさ……」
「ちょっと意見を聞きたいんだけど、いいかな」
「ひとつ、アドバイスさせてもらってもいい?」
ちょっとしたひと言で、お互いの「スタンス」が合う可能性は高まります。
もちろん、それでも合わない人はたくさんいますが、ビジネスの現場であれば、話のあとのステップまで事前に提示するとよいでしょう。お互いの「スタンス」をさらに明確にさせることができます。
「これから話すことは、来週の経営会議に議題として取り上げられることなので、真剣に聞いて意見を出してもらいたい。いいね」
といった具合です。

いわゆる「何を目的にこの会話をしているのか?」を最初に軽く示しておけばいいわけですね。

いかがでしたか?

在宅ワークで発生しがちなコミュニケーションのストレス解消のヒントにしてみてください。


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