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トップコピーライターが教える 思考停止にならない方法

フォレスト出版編集部の山田です。

「自分の考えを言葉にしようとしていたのに、
いつのまにか自分が何を考えているのかわからなくなってしまった」

というご経験はないでしょうか。

プレゼンや企画書、会議などで、自分の意見を相手に伝えるために、思考を整理する場面は多いかと思いますが、途中で自分の考えが複雑化していって、自分が何を言いたいのかわからなくなってしまったということは少なくないのではないかと思います。

この状態は「思考の迷子」と呼ばれるそうですが、一体どうしたら思考の迷子にならずに、自分が導き出したい答えにたどり着くことができるのでしょうか。

本記事では、『「言葉にできる」は武器になる』(梅田悟司、日経BP)から思考迷子にならないための方法についてご紹介させていただきます。

まず、そもそも思考迷子とは何かについて見ていきたいと思います。
本書では、思考迷子とは「目的」と「手段」が入れ替わっている状態であると定義されています。

例えば、著者が提案する言葉を磨く方法として、まず内なる言葉を書き出すという方法があります。内なる言葉とは、物事を考えたり、感じたりする時に、無意識のうちに頭の中で発している言葉のことです。詳しくは以下の記事をご覧下さい。

自分の中にある言葉を書き出しながら、「なぜ?」「それで?」「本当に?」と繰り返していくことで考えを深めていくのですが、思考を進めることに注力してしまい、自分が今何を求めていて、次に何を考えけれなならないのかが抜け落ちてしまいがちになるそうです。

つまり、本来の目的は、思考の整理をすることだったはずなのに、その途中の作業が目的になってしまっているということになります。

そして、時間が経ってふと我に返った時に、「自分が一体何のために、何を考えていたのかがわからなくなってしまう。今自分がどこにいるかも、どちらの方向に行けばいいのかも分からない」というのが、思考の迷子の状態に陥っている状態だそうです。

では、思考の迷子にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
著者は、「常に自分が考えていることの抽象度を意識すること」が有効であると言っています。

この点に関して、著者は次のように説明しています。

 抽象度とは、具体的と抽象的を行き来する軸であり、自分が今具体的なことを考えているのか、抽象的でコンセプトに近いことを考えているのかを計る尺度である。
 なぜこの抽象度が大事かというと、思考の迷子になってしまうのは、具体的に突き詰めて考えている時、つまり、視点が狭くなり過ぎている時に起きることが多いからである。そのため、自分が今何を考えているのかを見失ってしまった際には、抽象度を上げて、よりコンセプトに近い内容を考えるようにすれば、出発点に戻ってくることができるようになる。狭くなっていた視野を広げ、自分の立っている位置を把握できるようになるのだ。
 その後は戻ってきた地点から再度考えを広げたり、深めたりすればいい。

考えがまとまらずに堂々巡りしているときは、具体的な方に思考が偏ってしまい、視点が狭くなっているというわけなんですね。なので、ぐるぐると同じようなことを行ったり来たりして思考停止の状態になっている際は、書き出したことを俯瞰して「つまり、どういうことなのか?」と自問してみると抽象度を上げられるのではないかと思います。

以上、思考迷子に陥らないための対策についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

思考迷子を回避するためには、常に自分の考えている「抽象度」を意識するといいとのことでした。そして、もし思考の迷子に陥ってしまった際は、まず抽象度を上げて、考え直して調整するとのことでした。もしよく自分の考えをまとめようとしても、うまく整理ができずに思考停止してしまうという場合は、ご参考になさってみて下さい。


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