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放送作家が明かす「面白い話」ができるようになる方法

フォレスト出版編集部の山田です。

芸人にかかわらず、誰でも「どうしたら面白い話ができるのか?」と一度は思ったことはあるのではないでしょうか。

会話を盛り上げたり、人を楽しませるようなトークができる人のところには自然と人が集まってきます。そこまででなくても、ちょっと気の利いた話ができる人は素敵ですよね。

本気記事では、『トークの教室: 「面白いトーク」はどのように生まれるのか』(藤井青銅、河出書房新社)から面白いトークができるようになる方法についてご紹介いたします。著者は、多くの新人アイドルや芸人のトーク力を磨いてきた放送作家です。


一般的に、スポーツでも文章でも、上手い人を真似するのが上達の近道といいます。そのため、トーク力を磨くには上手い人の話し方を真似することが得策ではないかと考えられがちです。

しかし、著者いわく、面白い話ができるようになるためには、上手な人から「テクニックを盗む」よりも、下手な人の「アラ捜し」をするほうがいいと述べています。

なぜなら、自分にある程度の経験と知識がないと上手な人の何がどううまくて、どこを真似したらいいのかわからないからだと言っています。また、もしわかったとしても、上手い人は長年かけてそこまで達しているため簡単に真似ることはできないのだそうです。

そこで、著者がおすすめするのが「下手な人のアラ捜しをし、それを自分はやらないように気をつける」という方法です。なぜなら、相手のいいところを見つけるのは難しくても、相手の欠点は簡単に見つけることができるからだそうです。

たとえば、著者は下記2点のような例をあげて、話がつまらなくなるパターンを説明しています。

話がつまらなくなるパターン①友達や家族の話をする

「私の友達に変わった趣味の人がいて・・・・・・」
「ウチのお母さんがそそっかしくて、こないだこんなことがあって」
 など。ユニークな言動の友達や家族のエピソードを話す人がいます。わざわざ話すのですから、もちろんエピソードそのものはたいてい面白い。話したくなる気持ちはわかります。
 けれどたいていの場合、聞いている人はその友達やお母さんを見たことがありません。どんなルックスで、どんな喋り方をして、どんなキャラクターなのかも、知りません。よく知らない人の話をえんえんされても・・・と思うことがあります。
 もちろんトークをする側もそのへんのことはわかっているので、どんな人なのかの描写を丁寧にします。けれど、友達との関係性、お母さんとのふだんのやりとりがベースにあってことの面白さだったりするので、いま一つうまく伝わらないことがあります。

この場合、友達や家族の話をする代わりに何を話したらいいのでしょうか?
このパターンの話が面白くない原因は、自分のトークなのにその人らしさが出ていないからということでした。なので、友人やお母さんの話をメインにするのではなく、その人とあなたの話になればいいと著者は言っています。なぜなら、聞き手はあなたの視点でその状況を面白がることができるからだそうです。

話がつまらなくなるパターン②「笑った話がある」で始める

 これはわりと若い女性に多いようです。
 バラエティ番組で女性タレントが、
 「私、この前、大笑いした出来事があるんですけど・・・・・・」
 などという言葉から始めると、横にいるお笑い芸人が、
 「自分でハードル上げるな!」
 とツッコんだりするので、「ああ、そうか」と気づいた方も多いでしょう。
 私はこれから笑える話をする――と自分でわかっている点はいいのです。「これはなんの話なのか?」「この話のどこを面白がってもらうのか?」という点を、ちゃんと時間クしているわけですから。素直だから、ついそれを口に出してしまう。
 すると、聞いている方は「このトークは最後に笑う場面がきて、それがオチだな」と知っているわけです。そこへ肝心の笑える場面がきても、笑いの量は少ないに決まっています。いわゆるネタバレ。意外性はありません。そりゃ、笑いに貪欲な芸人たちがダメ出しをするわけです。
 この失敗は、笑いに限りません。
 「この前、恥ずかしかったことがあるんですけど・・・・・・」
 「すごくびっくりした経験がありまして・・・・・・」
 というのも同じ。トークの最後がどうなるかを聞き手が知っていれば、その予想を上回るものがないと、相手は満足しません。自らハードルを上げる行為はやめたほうがいいでしょう。

 
以上、放送作家が明かす面白いトークをする方法についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

本書には話がつまらなくなる理由について全部で12つ紹介されているので、もしご興味ありましたら、ご参考になさってください。

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