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書籍のキャッチコピーはドラッグストアの商品に学べ。

フォレスト出版編集部の寺崎です。

前に「【本づくりの舞台裏】編集者は書籍のタイトルをどうやって練るか。」という記事を書いたが、今日は「キャッチコピー」について考えてみる。

避けて通れないコピーライティングの古典教科書

コピーライティングの古典的教科書として有名なジョン・ケープルズ著『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)によれば、広告は見出しが命であり、成功する見出しには次の4つの秘訣があるという。

①得になる
②新情報
③好奇心
④手っ取り早く簡単な方法

メンタリストDAIGOさんが帯で推薦しているこの本はコピーライティングを学ぶには超重要書だ。ただし、「見出し」で目を引かせ→「コピー」でじっくり読ませるという広告の構造をベースに解説が展開されているので、商品のランディングページのセールスレターとかには応用がガンガン効くものの、書籍のキャッチコピーにはそのまんまは使えなかったりする。

書籍のキャッチコピーの導線とは?

書籍の場合、次のような構造かもしれない。

見出し=タイトルと帯コピーで手に取らせる

コピー=カバー袖の文章や「まえがき」

広く広告の世界でいわれる「コピー」は、書籍の場合は「カバー袖の売り文句」「まえがき」か。あるいは、「立ち読みでは『あとがき』から読む」という人も少なくないので、「あとがき」もコピーにあたる。「もくじ」もある意味そうですね。

書籍はドラッグストア商品に近い?

ビジネス書の場合、商品の表面のサイズは四六判(127×188mm)、A5判(148×210mm)、新書判と大きさがほぼ決まっているので、詰め込める情報量に限りがある。

これは書店店頭で並べたときに効率よく売るための工夫でもある。なので、やたらデカい判型(大きさ)の本は書店員さんに嫌われる・・・・・・といった噂もちらほら。

そりゃそうだ。同じスペースに1500円の本を2点置くのと、1点置くのでは売上げに2倍の違いが出るわけで、坪単価売上げが下がってしまう。

こういう商品って、ほかにもあるかなー・・・と考えたとき、限られたスペースで通りがかる人に一瞬で伝えないとならない書籍は、ドラッグストアとかコンビニの商品に近いような気がする。

ドラッグストアにある商品の商品名とコピーは秀逸

コンビニやドラッグストアで売られている商品のキャッチコピーは明快。ターゲットも明確だから、狙ったターゲットにズビシッと一瞬で伝わる強さと早さがある。

たとえば、これ。

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「ナイシトールZ」という商品名は「無い」し「取ーる」の響きと意味合いから「脂肪を取ってなくす」というニュアンスがなんとなく感覚値レベルで伝わる。しかも「Z」がついてるので、なんかスゴそう。

この商品のキャッチコピー(売り文句)を分析してみる。

生活習慣などによる肥満症を改善
内臓脂肪を分解・燃焼
おなかの脂肪を落とす
満量5000mg有効成分配合

ここには重要な3つの要素が含まれていると思う。

①商品の効果・効用
②行動の結果をイメージさせる
③客観的な説得

キャッチA 生活習慣などによる肥満症を改善
⇒商品の効果・効用
キャッチB 内臓脂肪を分解・燃焼
⇒商品の効果・効用
キャッチC おなかの脂肪を落とす
⇒行動の結果をイメージさせる
キャッチD 満量5000mg有効成分配合
⇒数字による客観的な説得力

Cの要素は「ぽっこりと出たおかなが燃えているイラスト」でさらに強いイメージが伝わるようになっている。「②行動の結果をイメージさせる」はつまり「この商品を買って実践してもらえばこうなりますよ!」という「商品を購入した結果」を示すものだ。

キャッチDの「満量5000mg有効成分配合」という「数字」による客観的な説得力を打ち出すのも大事なポイント。有効成分が5000mg入ってることがすごいことなにかどうかサッパリわからないけど、不思議と納得してしまうのが「数字」の効果。

ちょっとネタばらしになりますが、これらの要素を書籍パッケージに敷衍してみた例を担当書籍から紹介したい。

『すごい無意識』のカバーの要素をネタばらし

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梯谷幸司『なぜかうまくいく人のすごい無意識』のカバー要素

要素①
なぜかうまくいく人のすごい無意識

要素②
「無意識のクセ」を変えれば、すべて思い通りになる!

要素③
心の奥の「なんとなく」があなたの成功を阻む。

要素④
4万8000人の人生を変えた

要素①は「ナイシトールZ」にあたる商品名。文字通り「すごい」と銘打つことでスゴさを伝える。書籍タイトルの場合、この手の強調ワードの鉄板はほかにも「最強の」「一流の」とかいろいろある。

要素②は「行動の結果をイメージさせる」ためのワンフレーズ。「すべて思い通りになる!」は少しざっくりし過ぎてますが。

要素③は「商品の効果・効用」を示したもの。

というか、要素②と要素③は「商品の効果・効用」「行動の結果をイメージさせる」の両方かな。

要素④は「4万8000人の人生を変えた伝説のメンタルトレーナーがその全技術を公開!」と続くコピーですが、ここでは「数字による客観的な説得力」を持たせている。

ちなみに自分はこの手の爆弾アイコンを帯には必ず入れるようにしていて、「5万部売れたらここに”5万部突破!”、10万部売れたら”10万部突破!”を入れよう」とアファメーションしてます笑

いかがでしょうか?
ナイシトールZとなかなか近いパターンですね。

コピーライティング術のおすすめ書籍情報

最後にフォレスト出版から出されているコピーライティング関連のおすすめ本をご紹介します。

まずは神田昌典さんの『禁断のコピーライティング』。

コピーライティングだけの本ではないけど、メンタリストDAIGO推薦でまたふたたび爆発的に売れてるのがコレ。ロングセラー。

「ノートパソコン」という言葉を発明したコピーライターが「短い言葉で伝える技術」をまとめたのがこちら。

気になったものがあった、ぜひぜひ手に取ってみてください。

それでは!

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