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傷つきやすいのに、ついつい刺激を求めてしまう人に捧げる1冊

フォレスト出版編集部の寺崎です。

突然ですが・・・
以下の項目にあなたはいくつ当てはまるでしょうか?

  • 大胆なのに繊細

  • 元気なのに傷つきやすい

  • 外交的でハイテンションなのにくよくよしやすい

  • 一人になると疲れて表情がなくなる

  • 笑いをとるが、いじられすぎると傷つく

  • 企画するのにプレッシャーに押しつぶされる

  • のめり込んだらやめられないのに、あと一歩のところでやめてしまう

  • 完璧主義なのに極めたものがない

  • 飽きやすいのに未知への警戒心が強い

  • 同時進行するもやりかけのままになる

「これって、俺のことかも……」
「これ、わたし、当てはまるかも……」

そう思ったあなたは、もしかしたら「HSS型HSP」かもしれません。

「エイチエスガタエイチエスピー?」

いきなり唐突でしたよね、すみません。

HSS型HSPは「かくれ繊細さん」とも呼ばれる心理的なパーソナリティを指します。

そもそも「HSP(=繊細さん)」とは?

「繊細さん」と呼ばれるHSPとは、「ひといちばい繊細な人」という意味で、生まれ持った心の特徴をいいます。

「Highly Sensitive Person」の頭文字をとったのが「HSP」です。HSPの人はさまざまな感覚が敏感で、音・光・におい・味・言葉・仕草・触感・雰囲気など多種多様な刺激に対して敏感に反応してしまいます。

これまでは類型不能で、よくわかってこなかったのですが、心理学者のエレイン・アーロン博士の研究によって、徐々に明らかとなってきました。

そして、このHSPのうち、数%の人が「HSS型HSP」と呼ばれます。それは一見してHSPにみえないため、周囲にはわかりにくいのですが、それでもやはりHSPの特性を隠れ持つため、「かくれ繊細さん」と呼ばれるようになりました。

「大胆なのに繊細」
「外交的でハイテンションなのにくよくよしやすい」

こんな特性をもつHSS型HSPのバイブルといえる本がこのたび誕生しました。

タイトルは――
『傷つきやすいのに刺激を求める人たち』です。

装丁:tobufune
イラスト:山内庸資

著者のクーパー博士とは?

著者のトレイシー・クーパー博士は自身もHSS型HSPであることを公言される研究者で、本書は「HSS型HSPの取扱説明書」といえる内容となっています。

トレイシー・クーパー(Tracy M. C ooper, Ph.D.)
カリフォルニア・インスティチュート・オブ・インテグラル・スタディーズ(カリフォルニア統合学研究所)統合学哲学博士で、自身もHSS 型HSP(新規刺激追求型HSP)を公表している。HSP(Highly Sensitive Person =感受性が高いとても繊細な人)提唱者のアーロン博士によるドキュメンタリー映画『Sensitive: The Untold Story』(「センシティブ──語られなかった物語」) にも出演し、著書に『Thrive: The HighlySensitive Person and Career』( 未邦訳「成功を求めて──繊細な人の仕事との付き合い方」) がある。自身のウェブサイトでは、HSP の転職やキャリア上の危機についての相談や、HSS の人々のカウンセリングも受け付けている。アメリカのミズーリ州スプリングフィールドで、妻のリサ、息子のベンとともに暮らしている。

公式ウェブサイト
https://drtracycooper.org/

監訳者・監修者の豪華な布陣!

監訳者には『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』の著者・時田ひさ子さんを迎え、各章の末尾に解説を加えていただきました。

時田ひさ子(ときた・ひさこ)
HSS 型HSP 専門心理カウンセラー
HSP/HSS LABO 代表
早稲田大学文学部心理学専修卒業。生きづらさ研究歴は高校時代より35 年。 生きづらさを解消するヒントを得るために早稲田大学文学部心理学専修( 当時) に進学。卒業時の論文テーマは、人の興味の持ち方、失い方に学習過程を掛け合わせた視点を観察し考察。
2010 年、思春期の長男との関係が悪化したことから、臨床心理学を大学院で学ぶ。アドラー心理学、認知行動療法、フォーカシング、 退行催眠、民間の手法まで多数の心を取り扱う方法を習得するものの、自身の生きづらさの完全解明にはつながらなかった。
2016 年、 ネット検索中に、自分が繊細で凹みやすいと同時に好奇心旺盛なHSS 型HSP であることに気づき、生きづらさの理由がHSS 型HSP の特性に由来するとわかる。心理カウンセラーとしてHSS 型HSP へのカウンセリングをのべ1万5000 時間実施。講座受講生とのメールのやりとりは月100 時間以上 。かくれ繊細さんオンラインコミュニティ主催。
著書に『その生きづらさ、「 かくれ繊細さん」 かもしれません』( フォレスト出版)、『かくれ繊細さんの「 やりたいこと」 の見つけ方』( あさ出版)が ある。

HSP/HSS LABO
https://hsphsslabo.com

また、国内HSP研究の第一人者として知られる精神科医の長沼睦雄先生を監修者に迎え、とても豪華な布陣での刊行となりました。

長沼睦雄(ながぬま・むつお)
とかちむつみのクリニック院長・精神科医
日本では数少ないHSP の臨床医。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北大大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。道立札幌療育センターにて14 年間小児精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行う。
2016 年にとかちむつみのクリニックを開設。発達性トラウマ、発達障害、愛着障害などの診断治療に専念し、脳と心(魂)と体の統合的医療を目指している。

とかちむつみのクリニック
http://mutsumino.info/

「監修者あとがき(抜粋)」を公開!

今日は発売を記念して、監修者・長沼睦雄先生により「監修者あとがき」からおいしいところをかいつまんでご紹介したいと思います。

***

 監訳者の時田ひさこさん(HSP/HSS LAB代表)は、HSS型HSP専門の心理カウンセラーとして、繊細で凹みやすく、好奇心が旺盛で新しもの好きなHSS型HSPへのカウンセリングを行っています。
 時田さんは今回の翻訳の前に、『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版)を出版され、これまであまり議論されてこなかったHSS型HSPを広く世に伝えました。
 時田さんは、生きづらさを解消するヒントを得るため、大学で心理学を専攻、人の興味の持ち方や失い方に学習過程を掛け合わせた研究を重ねました。その後、臨床心理学、認知行動療法、フォーカシング、退行催眠、エビデンスのない民間の手法など、多数の心の取り扱い方法を習得しましたが、ご自身の生きづらさの完全解明には至らなかったそうです。
 そんななか、2016年にクーパー博士の書かれたこの本に出会い、ご自身が「かくれ繊細さん」であることを知り、生きづらさがその特性に由来することにあると気づき、生きづらさ克服の方法を発案して実践されています。

● HSS型HSPについて
 各章に挟まれた本書の詳細な解説を読んでもわかるように、時田さんご自身もHSS型HSPなので、その特性について深く理解し、詳細かつ具体的に解説されています。時田さんはHSS型HSPの性質を次のように端的にまとめています。

「大胆なのに繊細。元気なのに傷つきやすい。外向的でハイテンションなのにクヨクヨしやすい。一人になると疲れて表情がなくなる。笑いをとるが、いじられすぎると傷つく。企画するのにプレッシャーに押しつぶされる。のめり込んだらやめられないのに、あと一歩のところでやめてしまう。完璧主義なのに極めたものがない。飽きやすいのに未知への警戒心が強い。同時進行するもやりかけのままになる」

 HSS型HSPは、生きづらさの原因を探ろうとして、自分の性質を「神経発達症」「躁うつ病」「パーソナリティ障害」「愛着障害」「アダルトチルドレン」「HSP」など、さまざまな精神や心理の既成の概念に当てはめようとします。それぞれにある程度は当てはまるところはあるものの、どれも何か「ぴったりこない」と感じることが多いのです。
 クーパー博士は、HSS型HSPを均質化してまとめたり、HSPとHSS型HSPをまったく別のものとして区別して議論することは避けています。両者には、過剰に刺激を受けては静かな場所に引きこもったり、一人で心身を回復させる時間を必要としたり、些細なことに気づいて強い情動に突き動かされたり、豊かな内面を持ちながらも困難を経験するなど、共通点が多いからです。
 そんな特徴をもつ自分を、「おかしい人」「変な人」「ズレた人」と卑下するのではなく、「そうなんだ」「生まれもっているんだ」「自分のせいではないんだ」「脳のせいなんだ」と認めることができたなら、「自分を変えよう」と努力するのではなく、「自分を大切にしよう」と思えるようになると思います。

(中略)

● 本書が持つ意義について
 アーロン博士は、HSPの感覚過敏性を説明するのに、当時の最先端の脳の情報処理理論だけではなく、カール・G・ユングの潜在意識や超心理学的な視点をも取り入れた独自の概念を20年の研究の中で築き上げました。それは科学がいまだ証明できないでいる人間の感覚や意識の違いについて議論した画期的な内容でした。
 その後、HSPやHSSには新たな科学的証拠や理論が登場し、新しく解釈される部分が出てきていますが、クーパー博士が書かれた本書は、アーロン博士の書かれた豊富で広範囲な内容を十分に温存しながら、新たな理論や議論を付け加えており、その内容の充実は、次世代にむけた新時代のHSP本と言っても過言ではないように私には思えます。

***

「もしかしたら、自分もHSS型HSPかも?」
「うちの子、HSS型HSPなのかしら?」
「あの人って、HSS型HSPなのかもしれない」

ご自身や周囲の人に思い当たる節がある方は、ぜひ手に取って読んでみていただきたい1冊です。


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