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お金持ちになりたきゃ、本を読め。

こんにちは。フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日は2022年に入って読んだ2022年の新刊でさっそく「これは!」というものがありましたので、ご紹介します。

勝間和代さんの新刊『勝間式金持ちになる読書法』(宝島社)です。

「読書法」をテーマにした本はあまたあれど、ここまでストレートに「お金×読書術」で攻めた本はこれまでになく、しかも著者が勝間さんということもあり、「おおぉぉ!」と反射的にポチりました。

で、読んでみたところ、勉強になるコンテンツが満載だったので、みなさんにシェアする次第です。

富裕層ほど「本をたくさん読んでいる」という事実

まず、冒頭に叩きつけられるのが「富裕層ほど圧倒的に本を読んでいる」という厳然たる事実です。

 読書は現代の錬金術である。
 私はそう、強く確信しています。このことは、ただ私の「信仰」ではなくて、国内外で読書量が年収と相関関係にあるという分析が多数報告されています。
 たとえば、アメリカの「Business Management degree」に掲載された研究データによると、富裕層の88%が1日30分以上ビジネス書などの本を読んでいましたが、年収300万円以下の人は、わずか2%しか読んでいません。86%の富裕層は読書家で、また63%の富裕層は、移動時間などの隙間時間にオーディオブックなどを聴いています。
 また、「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」の記事によれば、日本では、30代で年収3000万円を実現した人の毎月の平均読書量は9.88冊、つまり約10冊ほど。これは同年代の普通の社会人と比べると、38倍になるとのことです。

勝間和代『勝間式金持ちになる読書法』2~3ページより

これは「はじめに」の冒頭でドーンと叩きつけられる事実なのですが、この話を自分自身すんなり受け入れられたのは、かつて編集を担当した『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(中尾隆一郎・著)という書籍にも次のような記載があるからです。

 私は年間100冊以上本を読み続けています。2000年くらいに始めた習慣なので20年弱くらい継続していることになります。
 きっかけはリクルートワークス研究所時代に1万3000人の調査の責任者になり、その中のある調査結果に驚いたからです。その調査結果によると過去1カ月以内に仕事に関する新たなインプット(講演会に参加する、専門家に話を聞く、本や雑誌を読むなど)をした人は17%でした。17%とはおおよそ6人に1人です。
 そしてその6人に1人と残りの5人を比較すると、17%の層はどのように切っても給料が高く、仕事への満足度が高かったのです。例えば、同じ年齢であれば給料が高い。同じ年齢×学歴であっても給料が高く、満足度が高いのです。
 給料が高くて、仕事への満足度が高いというのはとても好ましい状態ですよね。しかも、インプットが高い方が、仕事の成果が出そうです。結果、給料が高く、仕事への満足度が高くなる。単純な相関だけではなく、因果関係もありそうです。単純な私は、それから定期的にインプットをすることにしました。そのインプットの習慣が読書でした。

中尾隆一郎『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』の「3つの読書法」(159ページ)より

もちろん、勝間さんも言っていますが、こうした相関関係は因果関係ではありません。「本をたくさん読む」がイコール「お金持ちになる」という一直線の関係にあるわけではありません。

しかし、勝間さんはこのように断言します。

 しかし、それでも私は、先祖代々の遺産によって生まれながらの資産家である人でない限り、本を読むこと、つまり読書量の累積が、お金持ちになるための、簡単でいちばん手っ取り早い方法のひとつだと考えています。

 
なぜ、そのように言えるのでしょうか?

 答えは、ごくごく簡単なことです。つまり、
「さまざまな本には、直接的・間接的な、お金持ちになるための方法とそのヒントが含まれているから」
 ということなのです。

勝間和代『勝間式金持ちになる読書法』3~4ページより

お金を稼ぐ方法は親も学校も教えてくれない

 ここで少し、皆さんが学校に通っていた頃に受けていた授業を思い出してほしいのですが、ひとコマでも「お金持ちになるには、こうしましょう」なんてことを教えてくれた授業があったでしょうか?
 きっとなかったのではないかと思います。

勝間和代『勝間式金持ちになる読書法』4ページより

「お金を稼ぐ方法」は学校ではけして教えてくれません。ましてや、親も教えてくれません。なぜならば、親自身も教わる場所は学校あるいは家庭しかなく、「知らない」からです。

これはある意味、権力による「人民の奴隷化」ではないでしょうか。

「おまえらは個人で稼ぐ必要なんてない。ただただ雇われて働く、税金を納めるマシーンになればいいのだ」と。

勝間さんの本にはそこまで言っている箇所はありませんが、陰謀論じみた発想をついついしがちな私はそんなメッセージに変換してしまいました。

しかし、そんなメッセージを裏付ける記載が『勝間式金持ちになる読書法』にはあります。

お金持ちは「金持ちになる方法」を無意識に知っている

 私が近年注目しているものに「受動意識仮説」というものがあります。これは、慶應義塾大学大学院のい前野隆司教授が提唱したものなのですが、私たちは、「私が」と主語で表している「意識主体」というものは、普通、自分で意思決定している「能動的な主体」と考えています。
 誰かに何かを強要される場合でも、最終的に何かを決断するのは私自身であると、通常は考えます。しかし、実はその意識主体自体が、祷異動的な何かではないかというのです。
 つまり、意識ではなく、無意識的に決定されているのではないか、と「受動意識仮説」では考えます。
 この無意識は、これまでの知識や経験の蓄積によって形成され、自動的に導かれるというものです。
 つまり意識は傍観者に過ぎず、本当の選択や決定は意識の働かないところ、つまり無意識に行われるわけです。

 お金持ちになっている人の多くは、「お金持ちになる方法」をもうほとんど無意識に知っている人になります。最もわかりやすいのは、家庭環境の影響でしょう。
 私は中学から慶應義塾大学の付属校に入学しましたが、付属の小学校(幼稚舎)から上がってきている同級生たちは、本当に桁違いのお金持ちの子弟がたくさんいました。そんな同級生たちは、びっくりするぐらい頭のなかがお金持ちマインドなのです。
 彼・彼女らはまず無駄遣いはしません。お金をかけるときは必要なところにだけかける。そして、なんといってもお金を稼ぐときは誰かに雇われて従業員として働くのではなく、どんな小さいなものであっても自分で起業して稼ぐ、ということを実践している。

 そうした人の親は、みんな会社の経営者など自分で起業したり、事業を起こした人ばかりです。そうした家庭環境もあると思いますし、もちろん親の会社など家業を継がない場合であっても、そうした家庭環境もあると思いますし、もちろん親の会社など家業を継がない場合であっても、だいたいの人が起業しているのです。

 私の同級生たちは、お金持ちマインドを本で学んだわけではありません。小さい頃からお金持ちマインドで生活している親の姿を見て育ってきているのです。だからそれが当たり前だと思っています。
 子どもの頃から周りの友人だちもそのように行動する人たちばかりなので、それにしたがっていたら、特に親から遺産をもらわなくても、独力でお金持ちになってしまっている。もはや無意識に「お金持ち」なのです。

勝間和代『勝間式金持ちになる読書法』23~27ページより

この部分、なんとなくわかります。

学生時代に親が経営者でお金持ちだった友人の考え方とか、裕福な家系の著者さんの「一般庶民と前提が違う感じ」とか。

自分が「庶民の感覚」を当たり前にしていることに気づかされる瞬間です。

結局、金持ちは永遠に再生産されて、
貧乏人も永遠に
再生産されるんかい!

・・・なんて思っちゃいますよね。

なぜならば、お互いに「無意識」が違うから。

でも、打開策があるんです。下剋上する方策が。

それが「金持ちになるための読書」です。

情報を制するものがお金を制する

 しかし、本書を読んでいる多くの人は、必ずしもお金持ちの家庭に生まれたわけではないでしょう。
(中略)
 たとえ、生まれながらにしてお金持ちになる方法を教えてくれる環境にはいない人であっても、成人した後で、読書を通じて学ぶことで、いくらでもそういう知識と経験を得ることができるのです。つまり、成人になってからでは遅いなんてことはないのです。
 とにかく重要なのは、さまざまな本を読むことによって、どのような思考様式、行動様式を身につければ、お金に不自由しなくなるかということを学び続けることです。
(中略)
 つまり、お金持ちになる方法というのは、よほど家庭環境に恵まれていれば、生育過程で見につけられるものなのですが、残念ながらそうではない場合には後天的に身につける必要があり、その過程ではある程度、自分で意識的にやらなければならなくなります。
 その場合の最も簡単な方法が読書なのです。

勝間和代『勝間式金持ちになる読書法』27~29ページより

若き日の勝間さんご自身がどうされたかというと、それがまた感慨深いのです。なんと、フォレスト出版の書籍がきっかけとなったのです。

「勝間和代」を誕生させた1冊の自己啓発書

 私自身が錬金術を読書を通じて学んだ人間のひとりでした。
 今から20年前、33歳のときに買って読んだのは神田昌典さんの『非常識な成功法則』(フォレスト出版)という本でした。
 私はこの本を読んで学んだ次の4点をすぐに実行しました。

 その1 やりたくないことを明確にする
 その2 自分に都合のよい肩書を考える
 その3 オーディオブックを聴きまくる
 その4 速読法(フォトリーディング)を学ぶ

 同書にはこのほかにもさまざまなことが書かれていますが、当時の私にしっくりきたのはこの4点です。とにかくこの4点を愚直に守ったのです。
 すると、どうでしょう。その1年後には給料はアップしましたし、転職もしました。さらに4年後、自分で起業して独立することができ、今に至るわけです。

いやー、嬉しい話ですね。フォレスト出版の現社員にとってもレジェンドとなっているのが、この本です。担当した編集者は我々の大先輩ですが、やはりいまや伝説的人物となっています。

この逸話の通り、勝間さんは「お金持ちになる」という明確な目的を持って読書をすることで、それを現実のものとしています。そして一番大事なことは、本を読むだけでなく、読んで学んだことを実践することと説かれています。

自己啓発書をバカにする人がまれにいますが、本来は「行動がセットではない自己啓発」をバカにすべきだと思います。

自己啓発書でもなんでも、本のなかの「たったひとつの情報」が人生を変える可能性があります。

私は『勝間式金持ちになる読書法』にある次の一節がとても印象に残りました。

 私は、人生というのはたったひとつの情報を知っているか知らないかで大きく変わるのではないかと思っています。
 私は自著『お金は銀行に預けるな』でインデックス投資を月々定額で行うだけで、老後の心配が全くなくなるということをお伝えしました。20~30代のうちに、このことを知っているか知らないかで、人生は本当に変わってしまいます。
 知っているか知らないかで全く人生が変わってしまう、ひとつの情報をいかに多く発掘できるか。読書というのはその発掘のための方法なのです。
 ほとんどの人が、なかなか読書からそのような宝石を見つけることができていないのは、残念ながら読書をしている本の量が少なすぎるからです。
 私のイメージでは、そのような宝石に巡り合う確率というのは100冊に1冊でも多すぎるような気がしています。おそらく、そんな本は数百冊に1冊なのかもしれません。ですから、多くの日本人のように月に1~2冊読むか読まないかというペースでは、10年単位の読書でようやくひとつの素晴らしい情報に行き当たるかどうかという確率になってしまいます。

具体的には年間300~500冊の読書量(しかも翻訳書中心)を目指すべきだと書かれていますが、それを実現させるための具体的方策も提示されています。

ちなみに、苫米地英人博士も「IQを高めて”脳のアンチエイジング”をするには”読書”がいちばん効く」と自著『15歳若返る脳の磨き方』で主張されています。

 IQの高さというのは、じつは読んだ本の数にほぼ正比例しています。たくさん本を読めば読むほど高くなるわけですから、IQを高める方法として非常にわかりやすく、取り組み方も単純です。
 なぜ本を読めばIQが高まるのか。
 それは、知識のゲシュタルトができるからです。知識のゲシュタルトとは、ある事柄に関連するひとまとまりの知識という意味です。
 IQの高さとは、抽象化の能力です。そして、私たちが抽象思考をするときの脳は、神経ネットワークの同時発火を起こしています。
 抽象化を行うときは、記憶の中のたくさんの知識のゲシュタルトから、共通するシンプルな情報を見出すわけですから、そもそも知識がなければ何も始まりません。
 また、新たな知識を獲得することなく昨日までと同じ知識の状態を維持しているかぎり、神経ネットワークの同時発火も起こりません。なぜなら、昨日までの知識によって神経ネットワークは過去に同時発火を起こしており、それ以上に抽象思考を行おうとしても、抽象化が進まない状態にあるからです。
 つまり、新しい知識の獲得がないところに、さらなる抽象化はありえません。抽象化を進め、思考が抽象化ピラミッドの頂点に近づけば近づくほど、必要な知識のゲシュタルトは必然的に増加していかなければならないわけです。
 新しい知識を獲得する方法は、もちろん読書だけではありません。先達の話に学んでもいいし、経験から学んでも問題はありません。
 しかし、話を聴きに行こうとすれば、けっこうな手間と費用がかかります。話の中から吸収することのできる知識は、それほど多くもありません。経験から学ぼうとすれば、費用対効果はさらに小さくなるでしょう。
 それに対して、読書は手間も費用もたいしてかかりません。相手があることは相手の都合に合わせなければなりませんが、本はいつでもあなたの都合に合わせてくれます。
 また、著者は、1冊の本の中で伝えたいことを論理的に展開しているのが常です。そのため、吸収するに値する知識も豊富で、知識のゲシュタルトをつくることも容易です。より速く、より多くの知識を獲得しようとするなら、これに勝るものはありません。
 世の中で一般にIQが高いとされている人たちは、みな読書家です。その事実を見ても、読書はIQを高める一番の手段だと理解できるのではないでしょうか。
苫米地英人『15歳若返る脳の磨き方』より

話が脱線しました。

今回ご紹介した『勝間式金持ちになる読書法』には「勝間和代推薦!お金持ちになるための最強15選」というとじ込み付録がついています。これを知るだけでもなにがしかの価値があるかと思います。
※kindle版には付録はありませんので、ご注意ください。

私もこれまで忙しさにかまけて学ぶことを怠っていたので、今年は「お金持ちになる」、もっと明確に表現すると「お金の不安がなくなる人生をつくる」を目的に読書に励もうと思います。

しかし、いまどきビジネス書でとじ込み付録も付けて1200円って。

太っ腹すぎでしょ、宝島。


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