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NISAとiDeCo、毎年いくら積み立てるか?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

これまで『新NISAとiDeCoでお金を増やす方法』(山崎俊輔・著)から、タイトルの通りにお金を増やす方法を数回にわたってご紹介しました。

今日は「どんだけの資金をつぎ込んだらいいのか?」という点について『新NISAとiDeCoでお金を増やす方法』からみていきたいと思います。

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毎年いくら積み立てるか?

 NISAとiDeCoの活用戦略の最後は「いくら積み立てるか」です。
 理屈上は、月30万円以上の投資枠があります。
 まず、iDeCoが法定の満額が積み立てられます。自営業者等は月6・8万円(年81・6万円)までの枠があり、会社員等は月1・2~2・3万円(年14
・4~27・6万円)の枠があります。
 2024年以降の新しいNISA制度では、つみたて投資枠が月10万円(年1
20万円)あり、成長投資枠が月20万円(年240万円)あります。
 ただし成長投資枠については、累計で1200万円を超えることができませんので、ベースとしてのつみたて投資枠を時間をかけて積み立てていくほうがいいでしょう。
 いずれにせよ、2つの制度を使えば「枠の上限」はあまり気にする必要がありません。そして上限が気にならないほど大きいがゆえに、現実的な積立のイメージがつかみにくくなります。具体的に「iDeCoを満額」「つみたてNISAにあたる年40万円」を埋めるという感覚をもってスタートすることをおすすめします。

あなたは年間どれくらいの積立ができるか?

 NISAやiDeCoにいくら積み立てるべきかという設問は、2つの問題を先に検討する必要があります。つまり「そもそもいくら積み立てられるのか」という制約と「そもそもいくら必要なのか」という計画です。
 まず第一の制約となるのは、「自分自身がいくら出せるのか」という問題です。例えば、iDeCoに年27・6万円、NISAには年36万円くらい積み立てしたいなと思ってみても、そもそも年間63・6万円の貯蓄余力がなければそれは実行できないことになります。
 年収の1割を確実に貯められるとすれば、年収が636万円ないと年63・6万円を貯められません。あるいはそれ以上稼げばもっと積立できることになります。
 節約の力量も影響します。同じ年収636万円でも、貯蓄率が5%くらいしかない家計であれば年31・8万円しか積立ができないことになります。
 リテラシー編で考えたとおり、「しっかり節約すること」により投資に振り向けるべき金額を増やすことができます。
 NISAやiDeCoの活用は、日々しっかり働くことと、無理なくムダなく出費することからスタートしていることを改めて確認してみてください。

必要となるお金はいくらなのか?

 第二の計画も重要です。「なんとなくNISAをやろうか」では、具体的な毎月の積立額も決まりません。やみくもな積立は続けるのも辛くなります。実際に将来必要な額をイメージできれば、毎月必要な積立額が計算できます。
 できる限り必要額をイメージし、現実的な運用利回りを想定し、そのための必要額を設定していきましょう。
 とはいえ、人生にはお金のかかるマネープランが目白押しですから、「とにかく始める」「とにかく貯め続ける」という意識がある人は、どんどん始めてもかまいません。
 少なくとも、ゴールのイメージがなくても積立投資をしている人は、していない人より何倍もベターな選択ではあります。
 ただし、ゴールをまったく考えない資産形成というのは、お金を増やすことだけが目的のマネーゲームになってしまいがちなので、注意が必要です。
 逆にとりあえず積み立てているけれど、金額が少なすぎる人もいます。これはゴールを過小評価していることになり、実際にそのときになってみて足らないことになります。ウェブにはシミュレーターもたくさんありますので、活用してみましょう。
 少なくとも、ライフイベントと標準的な金額くらいはイメージして、「とりあえず老後に2000万円くらいをイメージしてスタートしようか」「とりあえず、子どもの学費準備の半分、500万円くらいは準備していこうか」というようなイメージが欲しいところです。
 とりあえずの目安としては年収の10%、できればそれ以上を積立(積立投資と積立定期預金等との合計)に回していきたいところです。

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まとめると・・・
◎iDeCoは満額積立
◎NISAは年40万円からスタートする
◎しっかり節約して年収の1割を投資に回す
◎将来必要となる額(=ゴール)を明確にする
◎ゴール目指して年収の1割以上を積立に回す=理想

・・・ということになります。


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