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「鼻から吐く呼吸」に変えるだけで、人生はどんどん好転する

フォレスト出版編集部の寺崎です。

満を持して世に放つ『息を吐くだけでカラダの不調が消える呼吸革命』がいよいよ今週発売となりました。

今日は発売を記念して、本書の「はじめに」を全文公開します。


『息を吐くだけでカラダの不調が消える呼吸革命』はじめに「不調だらけのドン底人生から呼吸コーチになるまで」

 はじめまして。呼吸コーチの堀杏子です。
 突然ですが、ふだん、あなたはどんな呼吸をしていますか?

 胸の上のほうだけの浅い呼吸になっていませんか?
 仕事中、無意識に呼吸が止まっていませんか?
 鼻ではなく、口呼吸になっていませんか?

 この本では、ふだんの呼吸を鼻呼吸に変えるだけで、体や脳のすみずみまで元気になるのはもちろんのこと、あなたが自分でも気づいていない可能性を思いっきり開いて、ガラリと人生を変える、呼吸で最高の自分を引き出して、人生に革命を起こす方法をお伝えします。

 やり方は簡単。
 ただ、鼻から吐く呼吸にだけ意識して、「ふーっ」と吐くだけ。
 それだけです。
 
 呼吸は、私たちが生きていくうえで欠かせない生命活動であることは当たり前にわかっていることでしょう。
 人は、30日間食べなくても、水は3日飲まなくても死にません。
 ところが、呼吸はたった3分しないだけで死んでしまいます。
 しかし、これほど重要な呼吸について、私たちはわざわざ教わったりする機会はほとんどありません。
 私は子どものころから喘息、肺炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などに悩まされ、学校をよく休む、いわゆる虚弱体質な子どもでした。
 薬や吸入ステロイド薬が手放せず、「ちょっとでも良くなりたい」という望みをかけて、耳鼻咽喉にまつわる手術も3回ほど試しましたが、改善といえるほどの変化はみられませんでした。
 10代のころから肩コリや腰痛を抱え、生理も重く、20代半ばにはPMS(生理前症候群)に悩み、当時の彼にはイライラをぶつけてしまうケンカばかり。こうした不調のオンパレードはメンタルにも影響し、自分に自信が持てない、何かにつまずけばす
ぐにネガティブな思考に陥る人間でした。
 そんな私が、現在は呼吸を鼻呼吸にシフトし、「息を吐く」ことに特化した呼吸トレーニング(以下・呼吸トレ)を実践することで、みるみる病院いらずになり、心も体も前を向いた人生を送れるようになりました。

父親の反対を押し切って憧れの俳優の道へ

 映画好きだった父の影響で、私もスクリーンの中の俳優たちに憧れ、「いつか映画に出たい」という夢がありました。しかし父はお堅い企業のサラリーマンだったため、そんな夢には断固反対。大ゲンカを繰り返し、結局は父の教育方針通り大学に進学します。
 しかし就職活動を迎えたころ、「一度しかない人生で後悔したくない」と、夢に挑戦するため上京し、アルバイトを掛け持ちしながら、俳優の道を手探りで歩み始めました。
 そしてついに、憧れていた蜷川実花監督の映画『ヘルタースケルター』で、初めての映画出演が叶いました。名前もセリフもない看護師の役でしたが、私にとって一生忘れられない最初の役となりました。
 その後、難関で有名な舞台演出家の蜷川幸雄さんの劇団「さいたまネクスト・シアター」のオーディションに合格。映像出演も増えてきた当時の私は、すべてがうまくいくような気がしていました。
 しかしそれは、苦しい道のりの始まりに過ぎなかったのです。
 蜷川幸雄さんといえば「灰皿が飛んでくる」と言われたほど厳しい方であることが有名で、自分に自信がなかった私は、稽古場で怒られないようにやり過ごすだけで精いっぱいでした。ひとつの公演が終わるころには、まったく声が出ないほどに喉をつぶし、全身に湿疹が出たり、「俳優ってこんなに辛いの?」と、夢に描いていたイメージと過酷な現実のギャップに落ち込んでいました。

1本の電話が人生のどん底に追いやる

 そんな矢先のこと、ある映画の撮影中に、母から一本の電話が入ります。
 それは「父が自死した」という知らせでした。
 まさに青天の霹靂。撮影を終えて金沢の実家に飛んで帰り、虚しく横たわる父親の亡骸と対面しました。
 30年以上企業で勤めた父は、退職してから2年ほどで、長年のストレスや持病からうつを患い、12月の冬の日に、孤独にこの世を去ったのです。
 その直後、新たな舞台稽古が始まったものの、まだ父の死を現実として受け止められず、「私が反対を押し切って上京したせいなのでは?」と自分を責めました。稽古に集中できず、台詞を覚えることもできません。このとき、夢を追いかけてキラキラとした希望に満ちていた自分は微塵もいなくなっていました。
 そして父親の死から数年後、蜷川幸雄さんが逝去。
 最後の公演を終えて退団しました。
 張り詰めていた糸のようなものがプツンと切れて、お芝居の世界でそれ以上頑張り続ける自分の未来が見えなくなってしまったのです。
 その後、結婚をするも、結局うまくいかずに数年で離婚。
 夢をあきらめ、結婚生活も崩壊。
 会社勤めを一度もしたこともない自分が、これから何をしてお金を稼いでいけばいいのか。当時31歳だった私は、心身ともに限界を感じ、実家に戻ることにしました。

ヨガレッスンで体験した不思議な「呼吸」との出会い

 地元でしばらく過ごしていたある日、知人に南インド発祥のヨガのレッスンにたまたま誘われ、「久々に体を動かせればいいや」くらいの軽い気持ちで参加することにしました。
 それが私の呼吸人生の始まりになるとは、想像もしていませんでした。
 その日に体験したヨガは、ポーズを取ることよりも、呼吸に合わせて動くことを大事にするヨガでした。
 ただ、ひたすら鼻から息を吐く息に合わせて体のパーツを伸ばします。
 運動不足だった私は急に呼吸を強くたくさんしたことにより、酸欠を起こしてダウンしてしまいました。
「カッコ悪いなぁ……」と情けなく、しばらく横になっていると、不思議な感覚が湧きあがってきます。
 体から毒気が抜けていき、エネルギーが巡り出し、力がみなぎってくるような感覚です。そして少し回復した私は、レッスンに戻り、なんとか最後までやり遂げ、帰宅して泥のように眠りました。
 その翌日の朝、パッと目が覚めたときの爽快さは、覚醒といっていいほど鮮烈な驚きでした。体の軽さがこれまでと格段に違い、滞っていたものが流れて、全身がすっきり軽い感覚。

「あぁ、私、ちゃんと息して生きてる!」

 こんな感情が込み上げ、これまでいかに呼吸が浅く、ガチガチの体だったのか、生きるために欠かせない「呼吸」に無関心で生き続けてきたか、思い知らされました。
「呼吸ひとつで、こうも心と体は変わるのか!」と大感動したのです。

「呼吸ってすごい!」

 私の人生が、鼻呼吸「ふーーーっ」の音とともに前を向き出した瞬間でした。

スタジオもウェアもお金も要らないシンプルな「呼吸トレ」

 それからというもの、とにかく鼻呼吸を意識した生活を始めながら、さまざまな学びと行動を通してわかったことがあります。
 呼吸する力が強くなると、体に軸が入る。同時に心にも軸が入るため、迷ったり、悩んだり、落ちこんだりという時間が圧倒的に減ります。
 ネガティブな感情や不安を抱いたときも、意識して呼吸することで、その感情とも付き合って過ごせるように変わり、人生において、自分のしたいことがハッキリとわかるようにもなります。

 呼吸のすごさにすっかりハマった私は、全米ヨガアライアンスRYT500を取得。
 ヨガインストラクターとしての活動を始めました。
 私自身、ヨガはもちろん大好きで、本書でご紹介する「呼吸トレ」のルーツはそこにありますが、「体が硬くてポーズがとれないから向いていない」「ピチピチのウェア姿が恥ずかしい」「男性は入りづらい」「宗教なの?」など、「ヨガ」が持つイメージが壁を作ることもあると感じます。
「ポーズに捉われずに気持ちよく呼吸するだけで、いいことがたくさんあるのに、もったいない!」と考え、呼吸に特化したトレーニングを伝える「呼吸コーチ」を名乗るようになりました。
 一般的なヨガはヨガスタジオに行き、ウェアに着がえてレッスンを受けるスタイルが多いでしょう。
 一方、本書でご紹介する「呼吸トレ」は、いつでも、どこでも、お金をかけずに、老若男女問わずできる、とてもシンプルかつ効果の高い実践的なトレーニングです。
 ただ、鼻から息を吐く呼吸に合わせて動いていくだけですが、心身の不調を改善する効果は絶大。
 にわかには信じ難いかもしれませんが、生徒さんの中にも、呼吸を変えただけで、長年の睡眠障害が改善したり、プロアスリートとしてパフォーマンスが飛躍的に向上した方など、健康を取り戻すとともに、自身の可能性を大いに羽ばたかせている人がたくさんいらっしゃいます。
 そして私がやっぱりいちばんに伝えたいのは「呼吸のすごさ」です。
 呼吸で引き出される潜在的なパワーを実感してほしいと思います。
 鼻から吐く呼吸に変えることが、あなたの体と心を整え、潜在意識を活性化させて、セルフイノベーションを起こす、命を輝かせるスイッチになります。
 私が呼吸と出会って約3年、紹介やクチコミで延べ1300本以上のセッションを提供させていただき、この本を世に出せたのも、呼吸によって潜在的なエネルギーを引き出せたおかげです。
 あなたの中にまだ眠る潜在的なパワーを、呼吸革命で引き出していきましょう。

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ここまで読んで「呼吸革命・・・いったいどゆこと?」となった方もいらっしゃるかと思うので、次回以降の記事でぼちぼち内容をご紹介したいと思います!


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