見出し画像

【読書術】なぜ同じ本を読んでも、 欲しい情報を「とれる人」と「とれない人」がいるのか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

主にビジネス書や実用書などが対象になりますが、読書において今までに次のような経験をしたことはありませんか?

◎本を読んでも、まったく内容を覚えていない。
◎家の本棚にある本を見ても、どんなことが書いてあったのか思い出せない。
◎読んでいる途中で、以前にも読んだことがある本だと気づいた。
◎「最近読んだ本」や「オススメの本」を聞かれても、何も思い浮かばない。

これらは、多くの人が経験している「読書あるある」ではないでしょうか。何かと忙しい日々の中で、貴重な時間を費やして読書をしたのに、まったく情報がとれない。実にもったいない話です。

なぜ、このようなことが起こってしまうのか?

脳科学や心理学など、さまざまな観点から解消する読書法がすでに多く出ていますが、それ以上にシンプルで、誰でもすぐに実践できる方法を提唱している人がいます。

情報クリッピングマスターの村上悠子さんです。

「クリッピング業務」とは、クライアントから依頼された1,500個のキーワードに関連する記事を毎日、新聞・雑誌から必要な記事を見つけて切り抜き、情報提供するサービス業務のこと。

村上さんは14年にわたりお客様に20万点以上の記事を提供してきた実績を持つ、情報クリッピングの第一人者です。プライベートの読書でも、これまでに3,500冊以上を読破している人物です。

そんな博覧強記の村上さんは、著書『情報吸収力を高める キーワード読書術』の中で、

【本を読んでも、なぜ欲しい情報を「とれない人」がいるのか?】

という命題に対して、次のように述べています。

「理解力が足りないから」「記憶力が悪いから」ではありません。
本を読んでも情報がとれないのは、ズバリ、「読む前にキーワードを設定していないから」。

具体的にはどういうことなのでしょうか?

普段、何か調べたいことがあるときは、Google で検索しますよね。いわゆる「ググる」という行為ですが、これは検索ボックスにキーワードを入力することで、欲しい情報をとっているわけです。キーワードを入れなければ、当然、何の情報も表示されません。

Google の画面を開いた瞬間に、何を検索しようとしたのかを忘れてしまった……。たまにこういうことってありませんか?

よくやらかしてしまう私は、いつも「自分はいったい何が知りたかったんだろう……」と気になってモヤモヤするのですが、キーワードがわからないことにはその先の情報に辿り着けない。

つまり、現代においては、「情報をとること」と「キーワードを入力すること」は常にセットになっているのです。

なるほど。

これを読書に当てはめて考えると、本を読む前に「キーワード」を設定して、それを「検索するような感覚」で本文を読めば、欲しい情報がとれるというわけです。

村上さんは、この読書術を誰でも再現できるように、「キーワード読書術」としてメソッド化しています。

「キーワード読書術」の原理について、村上さんはご自身のクリッピング業務の経験やノウハウを重ねながら、著書で次のように解説しています。

クリッピング会社は、クライアントが欲しい情報に含まれる「キーワード」で注文を受けます。

①どのような記事を集めたいのかを聞いて、
②適切なキーワードを設定し、
③調査員はそのキーワードが入っている記事を探します。

「そこにキーワードがある」から人は頑張って見つけようとするし、「そこにキーワードがある」から情報がとれるわけです。

私たちは、目が見えるからといって、すべてのものが視界に入っているわけではありません。

たとえば、あなたの家の一番近くにある ①歯医者、②郵便ポスト、③公衆電話。これらがどこにあるか、すぐに答えられますか?
しょっちゅう目の前を通って、実際には見えているはずなのに、関心がないときは見えないでしょう。虫歯ができたときに「歯医者」。年賀状のシーズンが到来したときに「郵便ポスト」。スマホが壊れたときに「公衆電話」。
これらのキーワードが頭に設定されて、意識して見るようになって初めて、「こんなところにあったんだ」と気づくんですよね。

これは、脳科学の世界では、「脳の焦点化」と呼ばれるそうです。
この「脳の焦点化」の原理を読書に当てはめると、なぜ今まで情報がとれなかったか、おわかりいただけると思います。

目の前の本にはきっと欲しい情報が載っていたのに、そしてその部分は確実に読んだ(見た)はずなのに、あなたにはそのフレーズが見えなかった。なぜなら、頭の中に「キーワードが設定されていなかった」からです。

人は、自分が見ると決めたものしか見えない。だから、本を読む前には必ず何を見るか、「キーワード」を決めておかなくてはなりません。キーワードを制する者は読書を制する。タワーレコード風に言えば、「NO KEYWORD, NO READING」です。


いかがですか?

キーワードがそこにあるから、人は頑張って探し、情報がとれる。読書は1ページ目から横一線でスタートするのではなく、実は読む前に大きな差がついているんですね。
ただ、キーワードを設定するにも、そのキーワードから欲しい情報をしっかり拾い上げるにも、いくつかの重要なポイントやコツが存在します。

『情報吸収力を高める キーワード読書術』では、村上さんが14年に及ぶクリッピング業務で培ってきた「キーワード」を駆使した「欲しい情報を漏らさない本の読み方」のノウハウを余すところなく公開されていますので、興味がありましたら、チェックしてみてくださいね。

また、下記の記事は、同書をお読みいただいた方のnote記事です。こちらも参考にしてみてください。瀬田さん、ありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?