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【他社本研究】魚の教養をビジネスにどう活かす?

こんにちは。フォレスト出版の美馬です。

本日は他社本研究ということで、
『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養』(ながさき一生/クロスメディア・パブリッシング)
をご紹介していきます。

著者は、昨年放送されていたドラマ「ファーストペンギン!」の監修を務めた、ながさき一生さん(おさかなコーディネータ)。いわゆる魚に関する教養書・ビジネス書です。

 この本は、魚ビジネスの世界にこれから足を踏み入れる方に向けたものです。例えば、「レストランを経営しており魚を料理に取り入れたいが、業界のことがイマイチ分からず困っている」という方や、「漁業を絡めた映像制作をしたいので、その世界観を知りたい」という方に向けています。また、教養として知識を身につけたいという方に向けても、あまり語られなかったことも書いたつもりなので、ご満足いただけると思います。
 逆に、ガッツリ魚ビジネスの世界に足を踏み入れている方にとっては、当たり前で物足りない内容かもしれませんので、その点はあらかじめご了承下さい。

『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養』
(ながさき一生/クロスメディア・パブリッシング)
より

と序章にあるくらいで、内容もたしかに、魚に興味のない人間が読むには難しいかなという印象を最初に持ちました。ただ、瞬く間に重版6刷、Amazonでも水産業カテゴリでベストセラー1位にランクインするなど、今注目を集めています。

本書は、第1章で身近な寿司を題材に魚ビジネス全体の世界観に触れられており、つづいて第2章以降で漁業、養殖業、水産加工業、流通、小売り、飲食業といった部分で魚がかかわる話が網羅されているのですが、読んでいて感じたのは、魚のいわゆる「雑学」「うんちく」情報が盛だくさんで、少々難しい話も楽しくスラスラ読めてしまったんです!

たとえば、シャリはどうして酢飯を使うのか? ”とれたて新鮮”を謳うお店は信用できない? アラ汁を出すお店の魚は美味しくなる? 観光地で美味しい魚屋を見分けるには? などなど、とても興味深く気になりますよね。

以上のような、人に自慢したくなってしまう知っているとなんかカッコいい雑学を、業界ビジネスに絡めながら理解することができるので、魚ビジネスにかかわらず、一般的な流通・小売り・飲食業の考え方、そういった意味でもとても勉強になりました。

気になってしまって仕方がない、という方のために一つだけ。本書を引用してご紹介させていただきましょう。

「とれたて」「新鮮」を謳うお店は信用できない

「とれたて」「新鮮」……飲食店でも、魚のセールスポイントを謳うために、このような文言はよく並びます。
 一見良さげに見えるこれらの文言。しかし、よく考えれば、「とれたて」「新鮮」は、いつまでの、どの状態までをいえるのか、定義されていません。
 つまりは、提供する側が「とれたて」「新鮮」と思っているだけであり、客観的に「とれたて」「新鮮」かは分からないのです。
(中略)
「とれたて」「新鮮」を本当に追求するならば、とても難しいことが分かります。獲れた直後の魚を仕入れたとしても、置いておけばみるみるうちに品質が変わるからです。
 このようなこともあり、飲食店にとって素材の仕入れと同じくらい大事になってくるのが「魚を止めない」ということです。
 つまりは、新鮮な魚を、仕入れては出し、仕入れては出し……という魚の回転を早くすることが大事になってきます。しかも、仕入れの方は自然環境という外的要因の影響も大きいですが、出す方は自分たちの努力や工夫で何とかなるところがもっぱらです。
(中略)
例えば、店員数が多かったり、導線がスムーズであったり、メニュー金額が単純であったり……これらは提供スピードを早めます。また、海鮮サラダなど様々なメニューに魚介を活用すれば魚は早くなくなります。
「とれたて」「新鮮」を謳う以前に、美しい魚を提供するために必要なことは、「魚をいかに早く回転させられるか」なのです。

『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養』
(ながさき一生/クロスメディア・パブリッシング)
より

帯にある「美味しい寿司屋を知っていると尊敬されます。」のとおり、大人の教養という部分の、知的好奇心をくすぐるようなネタが盛りだくさんの本書、ぜひ気になった方はお読みになってみてはいかがでしょうか。

また、今日本は「魚」に関して世界から注目を集めており、魚ビジネスを始める絶好のチャンスだと言います。本書を参考にビジネスを考えてみてもいいかもしれませんね。

そして最後に、本書を読んであらためて感じたのは、人間の「教養」を求める探求心は無限大の可能性を秘めているということ! ワインの教養や着物の教養、映画の教養、クラシックの教養などなど、さまざまなテーマの教養書があふれてはいますが、魚の教養書があるなら、肉の教養書があっても、野菜の教養書があってもいいわけです(笑)。

その業界に身を置く人はもちろん、一般人の知的好奇心をくすぐるようなコンセプトを考えることができたら……。可能性は無限大ですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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