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「本づくり」と「企画づくり」の舞台裏

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フォレスト出版の編集者が、どのように企画を立て、どのように本づくりをしているのかをリアルに語ります。
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#345【出版の裏側】編集者がこだわる文字・書体

このnoteは2022年3月8日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 明朝体とゴシック体の違い土屋:皆さん、こんにちは。フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める土屋芳輝です。本日は、編集部の森上さんと寺崎さんとともにお伝えしていきます。今日のテーマは「編集者がこだわる文字・書体」ということで、マニアックな話になりそうですが……。 寺崎:そうですね。マニアックですね。 森上:以前、紙の話を

【2023年度まとめ】新米編集者の制作裏話大公開!

こんにちは。フォレスト出版・編集部の美馬です。 いよいよ新年度を迎えますね。2023年度はありがたいことに6冊の本を世の中に送り出すことができました。著者の皆さんをはじめ、いろいろな方にご協力いただき、1冊1冊じっくりと向き合いながら制作ができました。 春からいよいよ3年目になる編集者として、今年度1年間の総まとめをしたいと思います。 『幸せホルモンあふれるセロトニンヨガ』野村賢吾・著/有田秀穂・監修こちらは、幸せホルモンでお馴染みの「セロトニン」の分泌を促すヨガのシー

「量か質か」という問題を考えてみた。

フォレスト出版編集部の寺崎です。 わが編集部では、新人が入社すると必ず通る道に「10本ノック」というトレーニングがあります(すでに他社で実績を出している編集者には特に課されません)。 「編集の仕事が初めて」「書籍企画そのものが未経験」という社員には、月曜日・水曜日・金曜日にそれぞれ10本ずつ、1週間につき計30本の企画立案をしてもらいます。 企画立案といっても、しっかりした企画書にまとめるわけではなく、①タイトル案、②キャッチコピー、③著者候補(著者名+簡単なプロフィー

新米編集者よ、へこたれるな!

こんにちは。 フォレスト出版・編集部の美馬です。 前回の投稿に引き続き、初の担当書籍づくりについて現状をレポートしたいと思います。 前回は、細かいミスが積み重なり、関係者の方々に迷惑をかけてつらい! というような悩みを書き連ねてしまいました。自責の念に駆られて夜も眠れなくなりそうだったので、「だって初めてだし。知らなくて当然だし。次から気をつければいいし」なんて、ひどく傲慢なことを考えるようにしている今日この頃です。 さて、2週間後にいよいよ校了を迎えようとして

編集者は読者に恋をする――本づくりと恋愛の相関関係

フォレスト出版編集部の寺崎です。 弊社編集部は昨年から今年にかけて編集経験のない新人が2名加わり、いま必死にがんばっていますが、彼ら彼女らと接するなかでいろいろと発見があります。 なにせ、20年以上この仕事をしている自分にとっては、仕事のすべてがもはや「暗黙知」なわけです。面白いこと・モノ・人を探す→企画する→原稿依頼する→本にする・・・という一連の流れが骨身に染みついています。 だから・・・ 「著者って、どうやって発掘したらいいんですか?」 なんていう質問をされると一

気になるニュース記事から書籍企画案を考えてみた。

フォレスト出版編集部の寺崎です。 フォレスト出版では伝統的な(?)企画アイデア出しの手法に「企画10本ノック」というものがあります。先日、古株社員に聞いたら、かつての長倉編集長時代に始めたそうです。 企画10本ノックとは、企画案を毎日10本考えるというシンプルな方法です。これを数週間~数か月続けます。最近では、毎日10本ではなく、週30本程度に緩和していますが。 1本ずつどんな要素を考えるのかというと・・・ 要素①タイトル案 要素②キャッチコピー 要素③簡単な企画概要

「すべて思い通りになる本」の舞台裏

フォレスト出版編集部の寺崎です。 唐突ですが「すべて思い通りになる本」が出ました。 いや、ごめんなさい。正確にいうと、5万部を突破した〈衝撃作〉が装い新たに改めて書店に並んだのです。 ※それについては先日の記事をご覧ください。 書籍のタイトルは『なぜかうまくいく人のすごい無意識』。 なぜ、これが「すべて思い通りになる」のか。怪訝に感じた方はぜひ本書の特設ページをご覧ください。 おかげさまで5万部を超えた本作。 心理技術アドバイザー、メンタルコーチとして活躍

【フォレスト出版チャンネル#147】出版の裏側|出版業界の専門用語(前編)

このnoteは2021年6月8日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 謎の用語「ゲラ」から、慣習上残った「見返し」まで今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日は編集者の森上さんと寺崎さんをお迎えしまして、「出版業界の専門用語」について、2日間にわたってお送りしていきたいと思います。出版業界の専門用語はたくさんありまして、お二人からリストをいただきましたので、私のほうからバン

編集者目線で最近気になった「言葉」のいくつか

フォレスト出版編集部の寺崎です。 先日、日経新聞で気になる記事があったので、すかさずピックしました。 記事タイトルはこれ。 姑息→「ひきょうな」73%、割愛する→「切り捨てる」65%、文化庁「国語世論調査」新たな意味浸透 2022/10/01 日本経済新聞 朝刊 「ちょっと待った・・・俺も”姑息”を”ひきょうな”ぐらいな意味で使ってたけど、ち、ちがうの!?」 Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン 「姑息」の意味をずっと誤用してきました(汗)さっそく小学館のデジタル大辞泉で調

【フォレスト出版チャンネル#144】出版の裏側|「企画」とはなにか(後編)

このnoteは2021年6月3日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 ▼前編はこちら 企画力に必要なもの④ センス――企画には「センス」が必要か?今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。今回は昨日に引き続き「企画となんぞや」ということで、残りの3つのポイントをお話していきたいと思います。森上さん、寺崎さん、よろしくお願いします。 森上・寺崎:よろしくお願いします。 今

【フォレスト出版チャンネル#137】出版の裏側|ビジネス書編集者はどのようにデザインを考えているか?(前編)

このnoteは2021年5月25日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 今のところ、トレンドは「シンプル」にあり今井:フォレスト出版のパーソナリティを務める今井佐和です。本日は「ビジネス書編集者はどのようにデザインを考えているのか」というテーマで、編集部の森上さん、寺崎さんとお送りしていきます。森上さん、寺崎さん、よろしくお願いします。 森上・寺崎:よろしくお願いします。 今井:早速なんですけども、売

書籍編集者が「これだけは譲れない」と思うポイント

フォレスト出版編集部の寺崎です。 さきほど、Voicyのハッシュタグ企画「これだけは譲れない」をテーマに収録をしました(明日8月2日に放送されます)。 Voicy「フォレスト出版チャンネル」は出版社の編集の立場からの発信というものを意識しており、正確には「書籍編集者としてこれだけは譲れない」というテーマになるかと思います。 せっかくなので(担当新刊がなくてnoteに書くネタがないので)、Voicyで話したことをここで改めてまとめてみたいと思います。 これだけは譲れない

売れるタイトルには法則があるか?

フォレスト出版編集部の寺崎です。 本づくりにおいて「タイトル」は超重要と言われますが、いつもたいへん頭を悩ます課題でもあります。 「全帯」でふたたび目立つ場所に押し出す作戦ネタばれになりますが、2018年に刊行した『なぜかうまくいく人のすごい無意識』という担当書籍の帯替えをすることになりました。帯替えといっても、普通の帯ではなく、天地がカバーと2mmしか差がない、いわゆる「全帯」と我々が読んでいるものです。 たとえば、これが石井裕之さんの『「心のブレーキ」の外し方』のも

【出版の裏側】新刊のカバーデザイン制作、ほぼ実況中継

こんにちは。 フォレスト出版の森上です。 書籍づくりにおいて、本文の中身は言うまでもなく大切なのですが、「売れ」を大きく左右するものに、「カバーデザイン」があります。 新刊が次々と刊行されることに加え、書店さんの限られた棚スペース内には多くの書籍がズラッと並べられています。 対象の書籍を買っていただくためには、書店の棚前に来られた読者に、まず手に取ってもらう必要があります。いや、手に取ってもらう前に、その本の存在に気づいてもらわないといけません。 当たり前です