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「本づくり」と「企画づくり」の舞台裏

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フォレスト出版の編集者が、どのように企画を立て、どのように本づくりをしているのかをリアルに語ります。
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【本題はコチラ】K-POPだけじゃない!韓国の文化輸出の本気度を垣間見た話。

「K-POPだけじゃない!韓国の文化輸出の本気度」と銘打った記事を投稿しておきながら、結局K-POPのしたたかな戦略のお話に終始してしまった感がある先週の記事ですが、今日が本題です。 アンケートに答えるだけで100ドルくれる事の発端は、遡ること2020年3月。見知らぬメルアドから、英文メールが届きました。なんでも、K-BOOKについてのアンケートで、答えると口座に100ドル振り込みます、というもの。KPIPAという団体が関係しているようで、調べてみると「韓国出版文化産業振興

60年前から変わらない「アイデアの公式」とは?

フォレスト出版の寺崎です。 先日、雑談をしていたときに「企画アイデアとかタイトル案って、なんだか知らないけど、朝の起きがけとか、トイレとか、お風呂入ってるときとか、そーいうときにフッと降りてくるよね」という話になった。 なんででしょうね。 なんでかな。 というわけで、「アイデア」に関する古典といっていいジェームズ・W・ヤングが書いた『アイデアのつくり方』をひさびさに読み返してみた。 アイデアのつくり方に「公式」はあるのか? いや、そもそも「アイデアのつくり方」というも

【本づくりの舞台裏】企画アイデアの探しかたとアウトプットのコツ

フォレスト出版編集部の寺崎です。 以前「【本づくりの舞台裏】企画が通る・通らない問題」という記事で年間50本程度の企画書を提出するなんて話をしましたが、これは単に「企画会議に提出する本数」で、実際にはボツになったお蔵入りアイデアが死屍累々なわけです。 編集者は「企画のアイデア」を形にして飯を食っているので、アイデアがわかないと生活が立ち行かなくなる。 じゃあ、そのアイデアはどうやって生み出すのかというと、企画になりそうな材料(ネタ)を日々探すほかありません。 企画のア

2年越しの新刊『生き方は、選べる。』誕生秘話

こんにちは。フォレスト出版編集部の寺崎です。 「〇年越しの企画」というものが、編集者にはよくあるものですが、このたび丸2年越しの出版企画がようやく日の目をみることになりそうです。 それは―――チャンネル登録者数37万9000人の人気YouTubeチャンネル「クリスの部屋」で知られるクリス・モンセンさんの新刊『生き方は、選べる。』です。 クリスさんの動画を観たことのあるひとも多いかと思いますが、「ライフコーチ」という肩書で、動画や独自のプログラムを通して多くの若者に勇気を

【本づくりの舞台裏】カバーが最終着地するまで

フォレスト出版の寺崎です。 読者の関心を惹いて、手に取らせて、書籍のメッセージを瞬時に伝えるために「カバーデザイン」が大事であることは、本連載で何度かお伝えしてきました。 今日はカバーデザインが、最初のラフからどんな変遷を経て読者のみなさんに届けられるのか、ロングセラー定番書『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ・著)を事例にお話ししてみようと思います。 カバーデザインのコンセプトを固める 『お金は寝かせて増やしなさい』の著者・水瀬ケンイチさんは、インデックス投資

【本づくりの舞台裏】「見出し」で気を惹くことは罪なのか?

「さもセンセーショナルな見出しで気を引いて私を騙そうだなんて。アンタのその魂胆はすっかりお見通しだからね!」 と、言われたことが別にあるわけではないフォレスト出版の寺崎です。 今日のテーマは「見出し」。 デジタル大辞泉によると次の4つの意味があるそうです。 み‐だし【見出し】 ①新聞・雑誌などで、記事内容が一見してわかるように、文章の前に示す簡単な言葉。標題。タイトル。 ② 書籍・帳簿などの目次・索引。 ③ 「見出し語」の略。「親見出し」「子見出し」 ④ 多くの中か

【本づくりの舞台裏】リメイクと帯替え

フォレスト出版の寺崎です。 「この本、せっかくいい内容なのに、出すタイミングが不運だったな…」 「めちゃくちゃ面白いのに、タイトルが残念だわ…」 「このカバーデザインじゃ、狙った読者に届かないよ!」 こういうことがよくあります。書籍編集アルアルですね。はい。自分が担当した本でも「あとあと気づいたけど、よくよく考えたら、これダメじゃん」って失敗は死屍累々。他社が手掛けた本だと、余計に気づいたりします。他人事なので。 本を作ってる最中は対象にどっぷり浸かってしまいがちで、つ

【本づくりの舞台裏】企画が通る・通らない問題

フォレスト出版編集部の寺崎です。 先日、とある他社の出版社の方々とZOOMで雑談する機会がありました。その版元はビジネス書とは異なるジャンルでしたが、ジャンル以外にもいろいろ違いがあって新鮮でした。 フォレスト出版は「月2回の企画会議」「1回の会議で2本以上の企画書を提出」をノルマにしています。刊行予定点数が足りない場合は2本以上出してもいいし、最近だと書店流通させないネット販売限定書籍とか、ボーンデジタルといった企画もあるので、それらは「+α」の企画として本数には数えま

【本づくりの舞台裏】デザイナーという職人芸

フォレスト出版の寺崎です。 「書籍」を世に問うにあたり、きわめて重要なキーパーソンがいます。 それは・・・・・・「デザイナーさん」です。 われわれ書籍編集者は書籍コンテンツを飯のタネにしてるわけですが、どんなにいい内容でも、届けるべき人たちに届くためのパッケージでないとアカンわけです。 そこで登場するのが「デザイナー」という職人。 「デザイン」とはなんぞや?そもそも「デザイン」とはなんなのか。 デザイン design 作ろうとするものの形態について、機能や生産工程

書籍のキャッチコピーはドラッグストアの商品に学べ。

フォレスト出版編集部の寺崎です。 前に「【本づくりの舞台裏】編集者は書籍のタイトルをどうやって練るか。」という記事を書いたが、今日は「キャッチコピー」について考えてみる。 避けて通れないコピーライティングの古典教科書コピーライティングの古典的教科書として有名なジョン・ケープルズ著『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)によれば、広告は見出しが命であり、成功する見出しには次の4つの秘訣があるという。 ①得になる ②新情報 ③好奇心 ④手っ取り早く簡単な方法 メンタリ