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5月日記


あれ、6月になってるぞ。前回の投稿から2週間経っちゃったぞ。
やばいやばいということで、5月に観た映画と読んだ本。


■映画(映画館で観たもの)

・Sexual Drive

「食」そのものにエロスを見出すというよりは、一般的にエロスとされてる事象と「食」を結びつけた様な作品。
その為、想定よりも直接的なエロワードが飛び交うためやや困惑したものの、芦沢さん演じる栗田の独特の話し方や仕草も相まって、官能小説のような形で楽しむことが出来た。

・マイスモールランド

難民という人たちがいることについて、そして自分が住んでいるこの国の難民受け入れ状況について、今まで目を向けてこなかったことを恥じるきっかけになった作品。
近年”多様性”という考え方がある種ブームのように跋扈している世の中だが、日常の中では”多様性に守られているマジョリティ側”が別の意図で使ってる場面に遭遇することが多く、本当に多様性が認められる社会を必要とする人達の声を救い上げる必要があると感じた。

・TITANE/チタン

「エログロ要素のある世にも奇妙な物語」といった作品。
前半のスピード感が目まぐるしく、主人公の感情や行動に追いつけないままストーリーはぐんぐん進んでいく。なので細かい感情の機微を追うのではなく、「なんかよく分からんがなんか凄いことが起きている」くらいのスタンスで鑑賞した方が楽しめるはず。
サイバーシティ感のある色使いや、やけに引いたアングルで情景を映すカットなど、物語以外の部分でも楽しめる要素満載だった。

・ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン

「3時間使って主婦の3日間を定点カメラで追う」という構図上、ある種ドキュメンタリーを観てるような心地になる作品。
一般的なドキュメンタリーと違うのは、主人公の台詞による心情表現がほぼ皆無な点。

主人公がルーティンワークを三日間繰り返す中で、同じ家事に費やす時間の変化や順序のズレから「今この人、何考えてんだろ」とあれこれ思案する必要があり、そこを楽しめないと苦行の3時間になりそう。

この作品で伝えたいことを鑑みると、3時間かける必要性は充分納得できるが、それでもやっぱり長かった…‼︎
※公式サイトがない!

・夜を走る

難なくついて行けている、なんなら少し先読みすら出来ていると認識してたストーリーラインから突然ぶっ飛ばされる感覚は、村田沙耶香作品ぽいなと感じた。
「理解が及ばないから怖い」というような陳腐な恐怖心ではなく、「理解をしようと歩み寄ることが怖い」と感じてしまう後半の展開。
見終わって一息付いた今も,この映画をどうカテゴライズすべきか分からない。

■本(初めて読んだもの)

・となりの脳世界(村田沙耶香)

個人的頭の中を覗きたい物書きランキング一位のクレイジー沙耶香のエッセイ集。
他クラスの人をクラスメイトだと認識し続けていたり、スポーツは必ず右側を応援したりと、著作から想像するイメージ通りの人並み外れた感性が伝わる内容が多いものの、全く理解が及ばないという訳ではなく、あの”村田沙耶香”も自分と同じ人間なんだなと知ることが出来た。
エレベーターの「開」ボタンを押している側の人間が馬鹿を見る話は、自分も何度か思ったことがあって嬉しくなった。


・ビニール傘(岸政彦)

視点が目まぐるしく変わったり突然並行世界の話になったりとイレギュラーな作品ではあるものの、一度それを受け入れると混乱もせずその違和感を楽しみつつ読めた。
著者が社会学者ということもあってか、日本の陰鬱とした空気感が終止漂う内容であり、小さな希望にすらも期待することなく生きる主人公の描写は自分と重なる部分もあった。


・妻はサバイバー(永田 豊隆)

直接的な描写は少ないものの、終止「奥様への愛」を感じる内容だった。
自分の大切な人が同じ状況になった時に、著者と同じように寄り添い続けることが出来るか否か。今はまだ想像だに出来ないが、そういった目線を常に持ち続けることも重要だと気付いた。


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