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介護と子育てとキャリアと老後設計と

40歳になって、
20.30代で駆け抜けて来られた自信と
万能感に後押しされて
このままうまくやっていける!
そう思っていた。

仕事では脂が乗り
周囲から期待もされ、
どんなことでも超えていける
なんて調子づいていた。


父の介護と、
育休が始まるまでは…


介護というと、
80歳過ぎて、足腰がうまく立たなくなり
介助が必要になってから
始まるもの。
とイメージしていた。

しかし、父は73歳。
サービス付き高齢者向け住宅という
カテゴリーの福祉施設に
入所して生活している。

周囲を見渡すと
シルバー人材として
炎天下で除草作業をしている人、
まだまだ現役で商売をしている人、
ライブハウスなんかで仲間とバンドを
楽しんでる人、
サーフィンやってる人、
組織で再任用枠でバリバリ働いている人、
色々な70代を見かける。

これまでの勤労から
解き放たれ、最も気ままに
人生を楽しんで良い時期。

もし自分だったらそうしたい。

しかし、父の場合、そうはいかなかった。


父と同じように様々な疾患により
介護が早まる人もいる。

60〜70代で介護が始まる人もいる。

そして、その家族も。


父は「アルコール使用障害」という
精神疾患。

この病気は

昔はアルコール依存症と言われたが
アルコールの中毒性により
それなしでは日常生活が送れず
感情の抑制が効かなくなり
人間関係も
健康面も
身辺のことも
ままなくなり

最後には全ての意欲が減退し
飲んでは横になるだけの
毎日を過ごすようになる。

さらに厄介なのは「否認」という症状。
「酒は悪くない」
「酒は身体にいい」
「酒のお陰で眠れる」
「たいして酒は飲んでいない」
などと、
酒を飲むことを正当化し
酒によって様々な事象が起きていることを
認められないこと。

これによって酒の量のコントロールは難しく
治療も難しい。

唯一の治療は「断酒」だが
酒が身の回りに全くない場所に
身を置く必要がある。
(近くにドラッグストアもあり、
これが難しい。)

妻(私にとっての母)とは
離婚しており
定年後は1人での暮らしだった。

酒による生活の崩れにより
自己管理ができなくなり
施設入所へ。

サービス付き高齢者向け住宅は
普通のマンション暮らしに加えて
生活のちょっとした介護、
例えば食事やお風呂、部屋の掃除などを
サポートするようなところ。
そのため外出したり
遊びに行ったりと
自由度は高め。

しかし、そのお陰もあり、
父は頻繁に酒を買いに出かける。

徐々に量は増えて、
文字通り施設のスタッフの方を
部屋から締め出し
飲んで寝るだけの日々に。

コロナあけて
施設に家族が入館できるようになり
久しぶりに部屋を訪れると
ゴミだらけの部屋に。
もうゴミ屋敷。

その奥にあるベッドで
父は酒の入ったコップを横に
寝ていた。

現実を受け入れるのみでした。


1,施設の人の協力を得て介護をする

そんな訳で、
1歳と4歳の息子たちがいる
我が家では
アルコール使用障害の父を
家で看ることができず、施設に預けてある。

ただ、施設の介護を自ら突き放し
部屋をゴミ屋敷状態にしていたので
施設のスタッフの方と打ち合わせをし、
生活の改善を図ることに。

部屋の掃除はまずは
私がやり、
施設の人に介助をしてもらえる段階に。

こうして、親のことを見たい気持ちもあるが
自分に充分な時間がないときに
福祉の力に頼ることに。

しかし、とはいえ、
◯通院の付き添い
◯トラブル発生時の対応
◯生活環境の整備
◯ケアプランの見直し打ち合わせ

などは
基本家族が行うもので、
休みを取って駆けつけたりする。

預けっぱなしというわけには
もちろんいかない。

また、孫の顔を見せに行くことも大事。

2,我が家の子育ての実際

我が家は1歳と4歳になる息子たちがいる。
朝は7時に起き、長男は保育園の準備。
(もう私は出勤していない)
だが、興味関心が広がる時期。

目につくおもちゃや、親のものに目が行き、
遊んだら触ったり、こだわったりで
なかなかやるべきこと(トイレ、顔洗い、
着替え、朝食、歯磨き、道具準備)が
進まない。

同時に、次男の朝の支度を進めながら、
洗濯や朝食作りも並行して行う。

さらに目を離すと
おもちゃを口に入れたり、
長男が次男を押し倒したり、
色んな危険がある。

また、ウンチやおしっこをもらすので
その都度パンツを洗って取り替えたり、
トイレトレーニングをしたりして、
あっという間に午前が終わる。

今は妻が育休を取って
家のことをしてくれているが

仕事に復帰すればどうなるんだろう…

2人ともフルタイムで仕事をしながら
どうやって小さな息子たちを
育てていくんだろう。


3,これからのキャリアを考える

こうした、ベースとなる家庭が
揺らぐ中、
稼ぐことが第一というスタイル
にこだわれば

仕事では出世、しかし、
家庭はガタガタ。

仕事でも家庭でもストレスフル

働き方改革やコンプライアンスなど
体裁として
バランスを取るように言ってあるが

本音と建前はやはり違うもの。

組織としては、駒の1つとして
組織のために尽力して欲しい。

どの働き手も
家庭と仕事のやりくりをして
何とか回しているもの。

だから、君だけ特別扱いはできないよ

そんな本音が聞こえてくるし
人の心理はそういうもの。

ならば、
2人ともフルタイムで遠距離通勤は
やはり現実的でない。

穴を埋め合える、カバーし合える働き方
シフトしてもいいのではないか。

家庭をしっかり回しながら
贅沢でなくても
日々が安定して送れるだけの
稼ぎがあればいいのではないか

ストレスを減らして
ゆとりと笑いのある家庭を
優先することが
精神衛生上大事じゃないか。

我が家では
そういう考えにいたりました。


4,自分たちの老後について

とはいえ、将来のことを考えて
お金のこともしっかり考えないといけない。

子ども2人、進学や習い事を
叶えてあげるためには
やはりお金が必要。

できるだけ本人たちの希望に沿ってあげたいもの。

そのためには、
毎月の支出の中に「教育費の積み立て」を
加えて、
家計を考えなきゃいけない。

そして、さらに自分たちの老後も。

年金制度が破綻することは無いとは思うが
現役世代が我々を支える比率は
何年減ってきている。

きっと自分たちがもらう年金は
今の親世代よりもずっと低いことが
予想される。
つまり、自分たちで自分の老後を
マネジメントしなければいけない。

そうなれば、65歳くらいで定年退職をして
あとは退職金と年金で悠々自適…
というモデルはもう古いのかも。

それよりも、自分の好きなスタイルで
80歳くらいまで働くことができれば
心身ともに健康でいられる気がする。

これは、65で定年を迎え、
悠々自適なはずなのに
孤独な生活に苦しんできた父を見て
より感じること。

また、職場の定年近い先輩たちを見ていても
「定年までは何とかかじりついて
後は何にもしたくない」
というような話をする人ばかり。

それならば、今のうちから
自分の好きなスタイルで働き
必要な分の稼ぎを得続けるスキルを
今のうちから身につけておきたい

そう考えている。

定年後に色んな理想を描きながらも
これまで抱えたストレスで病気になり
すぐに寿命を迎えてしまっては
心残りな気がして…


こうした諸々のことを考えると
家庭が大変な今、
働き方を思い切って変えて
家庭の充実にコミットし、
同時に、必要な分だけ
お金が得られるような
好きな働き方
を模索する時期に
シフトしていこうかと
考えているのである。

こうして考え悩み
もがいた時間は
きっと将来良い形になって
返ってくると信じている。


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