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現状維持バイアスをライフシフトに生かす心理術

ライフシフトをする。

そのためにはリスクは避けて通れない。
だから現状を変えるのがどうしても怖い。

それが人の性。

その理由として前回は3つの心理作用が働いていることを綴った。


1,現状維持バイアス
2,サンクコスト効果
3,コミットメントと一貫性

人間にとって最優先事項は「身の安全」
自分の身を脅かす出来事や刺激には、
人の脳は真っ先に反応するようになっている。

それは思考とか判断とかではない。
それ以前の「反応」の段階。

貧乏になって今の暮らしができないかもしれない。
自分の大事なものを失って傷つくかもしれない。

そんな保身の反応。
誰にでも起きうること。

そうした「守り」の強い心理作用が
私たちの行動を鈍らせる。

だけど、この「守り」の特性をうまく使えば
むしろ、揺るがない「攻め」の力になり得る。

今日は、この「守り」の心理を転用して
ゆるぎない行動を続け、ライフシフトを
実現していく方法について語りたい。

1、現状維持バイアス


新しい環境、新しい人、新しい考え、新しい商品…
歳を重ねるほどに、こうした新しい刺激が
おっくうになりがち。
(個人差はもちろんあります)

その理由は前述の通り、
人は「安全な今」を奪われたくないから。

新しいことを覚えて
やったことのないことにチャレンジして…

そこに飛び込むのに勇気が必要。

しかし、その保身の心理を
「ライフシフト」に転用してみる。

自分にとって
・本当に心地いい環境とは?
・つながり続けていたい人は?
・こうありたいという思想は?
・手元に置き続けたい宝物は?

本当に維持したいものは何か。
それを明確に書き出すと良いかも。

そして、今の自分はそこにいるのか。

そう考えたら、手放すべき現状
維持したい現状が整理されると思うんです。

維持したい現状は大いに維持すべし。
だけど、書き出してみて切り離してもいいものは
これを機に。


2、サンクコスト効果


簡単に言うと「もったいない」の心理

今まで○○を続けてきたのに
それを捨てるなんてもったいない。

今までの地位を捨てて
初心者扱いされるなんて耐えられない。

などなど。

ではそれを逆手に「ライフシフト」に生かすなら…

①今まで自分が好きで好きで、
どうしても手放したくないものを考える。

(お金も時間もかけてきたもの)

②自分の中の重要度グラフを付けてみる。
 ・今の仕事
 ・家族との時間
 ・好きな趣味
 ・睡眠
 ・資産
 ・○○○○

③そのグラフの横にかけたい時間とかかる労力を書く。
 (☆の数でもいいし、数字でもいい)

こうして可視化したら、この人は
(私じゃないよ。Aさんとしよう)

家族との時間を一番重要視していて、
睡眠と仕事をその次に
大事に考えている。

さらに、だらだらと続いている友だちとの集まりは
かけたい時間の割に労力がかかっている。

サーフィンは、長く続けてきて好きだと思っていたが、
こうして☆で書き出すと、他に比べて順位低い。

お金についてもそこまで重要視していない。


というのが分かってくる。

サンクコスト効果で、
なんとなく切り離せず続けてきたもの
区切りをして、より大事だと思える部分に
時間と労力をさけるなら、その方がいい。

書き出してみて分かる

こうした、切り離して絞る作業は
ライフシフトをしていくうえで大事な作業。


3、「コミットメントと一貫性」


おさらいをすると、この心理作用は

「一回「やる」と決めてしまったら
途中で曲げられなくなっている」
という心理。

例えば、この手袋あんまり好きじゃないけど
せっかく買ってしまったのだから最後まで使おう。
とか

「明日行きます」と言っちゃったので体調悪いけど
行くしかない!とか。

ライフシフトにおいては、
・ここに住むと決めたんだから、
 引っ越しなんてしたくない。

・この会社で定年まで働くと誓ったんだから、
 やめられない。


のようなマインドブロック。

ならば、この心理作用を「変化」の方に転用する。

○「僕は1年間で○○を習得する」とSNSで宣言する。

○「1日1回○○をする」と書いた張り紙を毎日目にする。

さらに自己実現に効果的だと言われてるのが、
「なりたい姿を、
もうなってしまったかのように書き出す」

例えば有名なのが、ボクシングの村田諒太選手。
ロンドンオリンピックで
日本人としては48年ぶりの金メダルを獲得した。

そこに至るまでに

「お陰様で金メダルを取ることができました。
ありがとうございました。」

と書いた張り紙を冷蔵庫に貼って
見えるようにしていたとのこと。

もう、実現してしまったかのように宣言してみる。
そして、それを見続ける。

そこにコミットメントし一貫した思考の方向が向く。

さっきの例を書き換えるなら
「僕は1年間で○○を習得しちゃいました。
ありがとうございました。」

4、まとめ


ということで、今回は3つの心理作用を逆手にとって
ライフシフトに生かそう。と考えてきた。

①本当に「変えたくないもの」と
「変わっても別に大丈夫なもの」を書き出してみる。

そして、変えてもいいものにはこだわらない。

②好きで好きで手放したくないものを書き出す。

③そこに重要度グラフを付ける。

④そこにかけたい時間とかかる労力を☆で評価する。

⑤「僕は1年で○○を習得しました。ありがとう。」と
過去形で誰かに宣言してみる。

こうして見返すと、
「断捨離」→「最重要事項にコミット
という流れになっている。

「変わりたくない」という思考に飲み込まれると
あれこれがんじがらめになっている。

しかし、「変わりたくない」の特性を
利用しようとすると
断捨離と絞り込みに働く。

面倒だけど、こうして書き出してみることで
自分の内なる幸せの真理に
たどり着けるのかもしれない。

そして、行動したくて
うずうずしてしまうのかもしれない。

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