foresDiary:さようなら、先輩。
ある意味私にとって、物語の"終わり"の話をさせてほしい。備忘録も兼ねて。
※一週間以上かけて書いたため文面がめちゃくちゃであるが気にしないでほしい。
2023/05/08 退職を知った日
大好きだった先輩が、突然退職すると聞いた。聞いたというか組織図に名前が無かったのだ。組織図が配られたら真っ先に確認するのが先輩の名前であり、その後に配送課のベテランパートさん、法務課の上司その他諸々…という流れである。
しかし無いことに気付いて動揺し始める。人事の間違いかな、でも無いってことはそういうこと…?不安が拭えないまま帰る間際のベテランパートさんに聞く。
「あの、先輩は───?」
「辞めるねん…」
背筋が凍りつくと同時に、涙が出た。かつて自分の夢の中で何度も見てきた最悪の事態が正夢になろうとしていた。
これは わるいゆめ なんだ
まぼろしを みせられている
わたしを ふこうにさせないで
「辞めるんですか」
廊下で放った言葉に首を傾げる先輩。
「組織図に載ってないじゃないですか」
「皆さん分かるんですね…そうなんです」
「……!!!!」
口では「そっかぁ」と言ったものの、あまりのショックで膝が崩れかけそうだった。
「まぁ言うて1年前から辞めたい思ってたんですけどね、6月が更新時期だからこの時期に辞めようかと」
何が「先輩を助けたい」だよ……先輩は1年前から辞めたいと思っていたのに…!!!!!結局私は何の力にもなれなかったのだ。
「GW、私はずっとユニバに行ってました!めちゃくちゃ空いててね〜、5分待ちとか!ジェットコースターめちゃくちゃ乗ってました」
「ヘェ!!?バグってるww」
「そもそも年パス入れない日なんでね」
「あっ、除外日か」
「そうそう、私は一番高い年パス買ってますんで」
「カァ--ッ、金持ちィィ!!!!」
叶えられなかった夢。「おじさんだから一緒に行くのは…」と謙遜された夢。おじさんじゃないって言ってんのに。
でもそうだよな。私が先輩を好きでも、先輩が私を好きでなかったら意味がないんだから、行きたくないのは当然のこと…なのでしょう。
「で、いつ辞められるんですか」
「え、最終勤務日ですか?18日です」
「18日かぁ〜。お疲れ様でございました」
「お世話になりました、私いなくても大丈夫ですね!」
「なんでよーー!!」
いなくなったらどうなるんだろう。むしろ吹っ切れて仕事に活力が出るんだろうか。それとも片割れになって生きる屍のようになるのか。それすら考えたくなかった。
2023/05/18 退職日
この日を迎えるのが嫌だった。でも生きているのだからいつかは来てしまうのだ。これは夢か何かだとまだ現実を直視できずにいた。でもそれが一気に壊れる時が来る。
私と先輩はいつも11時出勤なのだがこの日だけ先輩は10時に出勤しており、みんなの前で挨拶していたという…。めちゃくちゃショック&聞きたかったという思いでもう本当に心をぶち抜かれた感覚。うちの上司曰く「感極まってたよ…fores子さん声掛けてあげてね」って…うわあああああああああん!!!!!俺が感極まるっつーの!!!!
「今日は一日中不安定ですよろしくお願いします」とりあえず法務課全員には言っておいた。仕事が手につかないほど意気消沈していたのである。
この日のために用意した餞別の品。カービィカフェプチ天王寺で買ったラングドシャの缶とキャンディのボトル。こんなものしか買えなくて申し訳ないけどこれ以上すると重いだろうから(物理的にも気持ち的にも)やめた。キッツキツに入れてしまった袋に関しては謝らせてほしい…入らんかった…
いつ渡そうかとソワソワしながら夕方ぐらいに渡そうかなと考えていた。
昼休憩を迎え、いつも通り一人休憩室で弁当を食べる。何気ないいつも通りのことなのに、なぜだか涙が止まらない。頭のあちらこちらに全ての想い出が散らばっていて、シャボン玉のように弾けた。「忘れなさい」の暗示にも捉えられる。
「え!星のカービィお好きなんですか?」
「後は野となれ山となれ〜」
「任せてください!」
「完璧!もう私はいらないですね!」
「手伝いに来てくれたんですか?」
「冷やかしは帰れ帰れ!笑」
「誰に口聞いてんねや〜!」
全てを覚えている。忘れるものか。最初は嫌いだった先輩。教育係なのに細かいことばっか気にしていちいち言ってくる…重箱の隅をつつくような人だった。でも先輩の優しさに気付いたら嫌いじゃなくなっていた。本当に迷惑かけっぱなしで申し訳なかったが、唯一信頼できる人だった。
昼休憩から帰ってくる。落ち込みながら書類を出そうとキャビネットに向かって作業していたその時、終わりが近付いてしまう。
「fores子さん!元気?」
もう聞けないであろう先輩の声。もう何もかもが崩壊した。
「元気じゃない…!!!!辞めるから元気ないです」
「いやそれは関係ないでしょ」
「いや関係あるわ!!!!!」
ブチ切れながらグチャグチャに泣き崩れていた。何が関係ないじゃコラ…
「迷惑かけまくってすいませんでした…」でも緊張しすぎてこんなことしか言えない。もっと言いたいことあるのに…
「いえいえ、ありがとうございました」
手渡されたのはお菓子。まいったな、私から行かねばならぬのに先に渡されてしまった。
「待って、私もあるから」
焦って書類が片付けられない。
「落ち着いて落ち着いて」
落ち着けるか。
「待って」
とりあえず机に誘導して、カービィカフェプチで買ったグッズをあげる。
「はい」
「これは…!!!!」
「…言ってたやつ」
「ありがとう…!1年かけて食べます」
「アハハ…」
その中にシールとちっちゃいメモ用紙にメッセージが忍ばせてあるが本当は長文爆裂激重手紙が良かったなぁ。でも壊滅的に字を間違えたり文面が重くなるからやめた。
「fores子さんが法務課に行ってから凄く元気に活躍してはるし、他の方々ともお話できるようになってておじさんは安心してます、夜更かしは程々にね」
泣きじゃくった。こんなこと言われて泣かんやつがおるか。めちゃくちゃ心配されとった。ほんと申し訳ない気持ちとありがたい気持ちで泣くしかできなかった。なんで最後までおじさんやねん…泣きすぎてつっこめんかったやんけ…
「はい…ありがとうございました」
そう言って泣きながらも先輩のほうに右手を差し伸べていた。これは当日台本(脳内)上には無かったものだが私として"けじめ"をつけたかったのだろう。それを見た先輩は1秒の沈黙のあと、私の手を握ってくれた。それは柔らかくて、でも力強くて。これが先輩なんだって噛み締めた。
「ありがとうございました〜」
両手で手を振る先輩。泣きながら私も手を振る。終わった。終わったのだ────。
その後女性社員さんが「営業センター時代に内線でお世話になったから挨拶してきます!」と先輩のもとに向かった。5分後ぐらいに戻ってきたあと聞かされたのは
「「fores子さんをよろしくお願いします」って言ってました笑」
嘘だろ…そんなこと言ってたのか…?めちゃんこ嬉しいんだが。先輩と私がどうしても兄妹に見えて仕方ないってこと言ってたから、きっと本人に言ったんだろうな…
定時を過ぎ、帰りに一声だけかけようかと思ったら、先輩の周りには色んな人があつまっており、別れを惜しむ声がたくさん聞こえてきた。すげぇよ、人脈ってやつやぞ。分け隔てなくみんなに優しかったもんな…
だから大きい声で叫んだんだ、
「さよなら」って。
「ハハ、じゃあね。またご飯行きましょう〜!」
「あっ、はい了解です〜」
*
ありがとう、先輩。
私はあなたのおかげで強くなったんだ。
私、先輩の分まで頑張るよ。
自分のことしか言えないけど、楽しかったんだ、嬉しかったんだ。
だってカービィが好きで、ゲームが好きで、ほぼ同じ特性で、困らせたこともあったけどいつも心配してくれたんだもの…!!!
私もっと頑張る。先輩のようにみんなに愛されるような人になりたい。今の部署でもっと貢献してみせるよ。
どこかで見ていてね、私の大切な先輩。
余談
最後に言われた「食事行きましょう」がてっきり2人で食事行けるものと思って「有休取るんでまた言ってくださいね!」ってメッセージ送ったら「"みんなで"ランチ行きましょう」って強調されてショックを受ける。おかげで土日は食欲不振・吐き気・鉛のように重い等々の鬱症状で潰れました。責任取れ。取らんでいいよ。
未だ寂しさの後遺症が残っているのか、
劇薬コンサータを飲んでも消えません。まるで片割れがいなくなって魂が抜けたかのように。
先日(2023/05/29)の飲み会にて北関東の支部から異動してきた男性社員と同席し色々とお話したのだが、何故か先輩と仲良くなっており(恐らく内線とかで仲良くなった可能性)、辞めると聞いた時にLINE交換→食事行く約束をしたと聞く。前述した通り私とでは"みんな"なのに男性社員とでは個人で会う約束を取り付けていることにかなりのショックを受ける。(恐らく同性ならば個人でもOKなのかもしれないが。)おかげでそれ以降放心状態&水、白湯、烏龍茶、レモンチューハイ等々…ヤケ飲みヤケ酒大会になってしまった。ちなみに帰宅後もジンを飲む奇行をした結果次の日死にかけました。
配送課だけで先輩の送別会ランチ&記念写真撮ったと聞いて「私は〜〜!!?」ってなったので、ベテランパートさんに写真を提供してもらったあと運転免許証の顔を欠席者っぽく右上に合成してやった。これは先輩もベテランパートさんにもウケた。やったぜ。
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