助産師✖️公認心理師

2ヶ月後には令和5年ですね。
令和2年以降、新型コロナによるパンデミックは、私たちの生活や環境を大きく変え、人類を翻弄してきました。
しかしさまざまな行動が制限されてきた中でも、その非日常性は日常の地続きにあるため、ウェルビーイングな状態を保つことへの意識も高まってきています。
職業柄、様々な不安や悩みに寄り添う機会が多いため、心身ともに健康であるとは何かという問いを、自身に投げかける頻度も増えました。
そしてより専門的に周産期メンタルヘルス支援がしたいと思い、公認心理師の資格を取得しました。
様々な書籍や研修で学んだことは、心理職が「症状」にフォーカスして変えようと誘導するのではなく、クライエントのエンパワメントやリカバリー、レジリエンスに着目することが大事だという点です。

  1. エンパワメント:自らの意思決定により自発的に行動を起こすこと

  2. リカバリー:回復力

  3. レジリエンス:再構築し適応していく力

変えようとするから辛いうえに、「症状」や「できていないこと」にフォーカスすると視野が狭くなります。だからこそ症状を"変える"のではなく、すこし視野を広げて、症状が”変わる”ような気づきや行動を選択していくことが大切だと考えます。
ご自身が納得のいく事実に基づいた情報の検証を積み重ね、日々の生活で認知行動変容アプローチを実験&修正するサポートをするのがセラピストの役目でもあります。

数ある心理療法のなかでもエビデンスが豊富で、医療保険が適用されている技法の一つに、認知行動療法があります。
認知行動療法では、問題の原因になっていると想定する過去の体験ではなく、”今、ここ”で起きている現実の問題を介入ターゲットにします。
自分や他人を責めたり、過去を振り返って悔やんだりしてみても、問題は解決しません。大事なのは、目の前の問題といかに付き合うかということです。
そして問題が維持されている悪循環の回路を概念化し、その人に合った方法を適宜修正しながら、日常生活の中で実践していくのが認知行動療法です。
認知行動療法は「協同的経験主義」といわれるように、セラピストとクライエントがチームとなって一緒に問題解決にとりかかります。
従来の「医療者→患者」という指示的・受動的関係ではなく、最終的にはクライエントがセラピストになり、自分の力で問題処理ができるようになることを目指します。

今後は助産師としてだけではなく、心理師としてもより一層皆様の心身の健康の維持・向上のサポートをしていきたく存じます。
周産期のメンタルヘルス相談をご希望の方は、対面・オンラインでのご予約が可能ですのでお申し付けください。

日照時間が短くなる季節の変わり目は、季節性感情障害といって心身のバランスを崩しやすい時期でもあります。深まる秋を心身ともに健康的に過ごせますよう、どうかご自愛ください。

港助産院 城野
http://www.minato-josan.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?