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テゲバジャーロ分析 #3

前節は勝利し浮上のきっかけになるような試合だった。戦術的な面での変化はあったもののしっかり勝ち点3を得た。今節も勝利し連勝できるか。
※結局、今節もパソコンのトラブル等で試合当日の投稿になってしまいました。

今節の相手は今治。前節に引き続きまたしても、昇格争いに加わっているチーム。6試合負けなしとはいえ、ここ3試合は勝利がない。昇格にさらに近づくためにも、相手が下位であるためにも勝利が必須である。

前半

宮崎は基本4-4-2で可変はある。今治は3-4-2-1。お互いに状況によって変化があるので、あまり数字に関しては意味はないが確認のために。

あっという間に

試合はそうそうに大きく動いてしまう。
まずは3分、右サイドからの今治のFK。右ポケットに流し込むとそこからの折り返しを中の千葉が押し込む。先制は今治。
このFK時に宮崎はラインは高くしていたが、外(ポケット)への意識や想定はあったのだろうか🧐

さらに1分後の4分、中央で持ったヴィニシウスからボールはゴール左前へ。こぼれたところを千葉が押し込む。またしても千葉決めて、わずか4分で2得点。

宮崎は相手の勢いを抑えきれずに簡単に失点してしまった。セカンドも拾えておらず、自陣から脱することができなかったのも関係しているだろう。
この開始数分で動くことはたまにあることだ。ちなみに、この同じ日に行われていたJ2 長崎vs.熊本の試合でも、長崎が5分で2得点を挙げている。最初の5分や得点後・失点後の5分はより気を引き締めるべきであるか。

ビハインドでの攻撃

2点というビハインドがある中でも、自分達のスタイルをまずは徹底して焦る雰囲気はない。

ビルドアップでのSBの高さは今回はある。相手が引いているからというのもあるが、ビルドアップ時の特徴を出せているようでした。
そして、アンカーの位置に入った江口が相手トップの背後で受けるシーンが多く、プレス回避やスムーズな前進を促します。しかし、これは相手のトップがプレスをかけている時に発動できることです。

ここでさらに抑えておきたいのは、今治はプレス時に2トップぎみになるということ。2枚で来るのでアンカーはそこの間や背後に位置取ることで良い受け方ができます。逆に今治は、アンカーを消すことや2トップでの限定、守備時の縦関係などを気にすることが必要。
今治の守備は基本的にブロックで引きぎみ。プレスも前線の数枚のみで、間延びがゾーン2付近で見受けられることもあった。だが、押し込んだ後の守備は即時奪回を目標にしているようで、蹴らせて回収or奪ってショートカウンターへ…という感じでしょう。またはハイブロックで圧力をかけながらというのも有。

このハイブロックを敷かれた時に宮崎はロスト回数が多くなってしまいます。
自陣で持っている時に相手も自陣(宮崎陣内)に枚数をかけてくるため余裕があまりない状況。そして、苦し紛れかウラ返すためかロングを放る。だが、それは今治はセットしているため簡単に回収できる。トップに当てるボールも潰す準備ができている。ロングは滞空時間が長めのため相手も狙いやすい…。
宮崎は、跳ね返される・収まらずで同じ展開をループしてしまいます。
その中で繋ぐことを意識し下から繋いでプレスをはがすことができることもあった。これは続けることで前進し、チャンスにもつながる。
味方同士の距離感や少ないタッチで2,3枚でスペースへ展開できる。そしてそこから、サイドの深さ・オーバーラップを活かした侵入やクロスへ…。
ただ、時間が進むにつれてボールに対する関わりが薄くなってしまい、ホルダーが孤立するシーンも見られました。保持している側はピッチを広く使うので全体的に拡大します。対して相手は圧縮して、保持側の隙間に入り込むように守備をします。拡大vs.圧縮という感じです。個人的に守備側はチャンスかと思います。しかし、保持側のポゼッションの力や守備の強度・連動によるのでいろいろ理解しながらやるべきですね。


クロス数の変化

ここ最近の試合では、サイドアタックは多いもののクロスの数が少ないままでした。という中で今節はクロス数が多くなったように感じられました。

図にもあるように、クロスの数(ルート)を可視化してみると浅い位置からのクロスは一貫して増加しているようですね。というのも、相手はブロックを敷いているために深くまではなかなか入ることができないのです。なので、浅い位置からクロスを入れるしかないということになってしまいます。

前半は、左サイドでのアタックは単純にクロスを入れる。右サイドはポケットを狙いながら深くまで侵入しようという形が多い。深くをとる際にはトップがサイドに流れて受けて崩しに加担するということがありました。また、ビルドアップから左サイドでプレス回避等をしながらリズムを作り、右サイドへ展開してから崩しへ…という形もありました。

守備隊形と相手の攻撃

守備においては今まで通り、前線からのゾーンディフェンスのハイプレス→ショートカウンターへ。従来のやり方通りでもあり、リードを許して状況でもあるという2つのトリガーから意識的に前に出る必要があるように思います。

対する今治の攻撃はシンプルさを感じる。
ビルドアップは最低限つないでDFを引きつける。そして前線へ放り込むという形。難しくせずに簡単に攻めに行こうという感じでしょうか。放り込むといっても、狙い位置的には相手最終ラインの真ウラ。ここに放り込んでFWがプレスに行けば相手は外へ逃げる。プレーを切れれば高い位置からのスローインで再開できる。これで押し込むが完了し敵陣でのプレー時間が増加する。
また、前線ではヴィニシウスがひとりでやりきることができるので、そこに集めてシュートまでやらせるという手法がある。個の力と積極性でゴールへ迫る。

苦しさの増加

スタイルの徹底やクロス頻度の増加でゴールへ迫るも、なかなか得点を奪うことはできません。その焦りを感じている中で39分、ゾーン2で奪われカウンターを喰らうとヴィニシウスに1vs1を決められまさかの3失点目。
放ってもロスト、繋いでも前進できずの流れから失点。相手の術中にはまったような形。今治は奪ってからのカウンターが狙い。そこにはまってしまった。


後半

苦しい前半を終え、1点も返せず3点という大きなビハインドで後半へ。

停滞〜チャンスメイク

後半に入っても下から繋ぐことは継続しスタイルを貫く。システム的には2-3-2-3,2-4-1-3的な形にし、トップ下の位置に石津を入れる。また、アンカーが相手2トップの背後をとって浮くことも継続できている。しかし、今治は前プレが速く圧迫してくる。対して宮崎は低い位置で持つ時間が多くなり前進のきっかけを掴めない。
前線に3枚配置するもここまで達することができない。収めも良くない。受けにきても位置が低く、DFに潰されて押し戻される…。
前半でもあったようにホルダーの孤立が目立ってしまっていた。トップに入っても孤立感があり関わりが少ないように感じられた。

という中で何回か前進し侵入できるシーンがあった。そこからの攻撃はペナ内に侵入する回数が多く、伴ってポケットからのクロス数も多くなった。"クロス数の変化"の項目で挙げているように、全体的にもクロス数は増加している。
しかし、今治が5-4のブロックで後ろのスペースを消しているために、アーリークロスを上げるしかないという状況を作られていることも関連しているだろう。

サイドアタックは数枚関わってからの崩し・個人技で突破する。深さの取り方やサイドの破り方を工夫してやれている。
ペナ前とペナ外の使い分けも良く、クロスと見せかけて中から崩す・中から外へ展開してクロスかポケットへ…と駆け引きもしながら。
ただ、前半からワンサイドでの攻撃に固執しているように見える。サイドチェンジや揺さぶりからのアタックもあっても良いと思うが。というのも、前々節の讃岐戦では対角線のロングボールが多く、サイドチェンジも頭の中にはあると思う。さらに、今治は5-4-1のローブロックを敷いているため、崩すにはいろいろな攻め方が必要になる。

実際に後ろを5枚で固められてからは外回しの攻撃になり、ポケットへの侵入も減少した。今治はこの守り方でクリーンシートでクローズすれば良いだけなので楽になる。
そして、カウンターへ向かうという形で攻撃は完了する。カウンターの質も良くほぼ必ずといっていいほど、決定機になっていた。シュートで終える回数もほぼ全てだろう。


総括

前半開始早々の2失点がもったいなかった今節。入りで試合が決まったといってもおかしくないゲームだった。リードされればブロックは崩せず…の悪い状況。やはり先手を取ることやタイスコアで試合を運ぶことが今の宮崎に必要か。

戦術的には基本的に同じだが、毎試合ごとに変化が見られ相手と試合状況に応じて取り組めていた。サイドからの崩しも大分精度は上がった。しかし、ビルドアップの前進の部分ではハイプレスに屈するときもあるためまだ精度は必要。プラスしてそのプレスを回避するためのロングと前線の収めの質も欲しいところ。長身の青戸を最初から入れるのもアリなのでは。

はっきり言って、昇格は現実的ではなくなってきている。次節も鹿児島と上位との対戦。
昇格のためにやっているのか残留のためにやっているのか、スタイルの構築と精度アップのためにやっているのか…その辺は他サポなので詳しいことは分かりませんが、とにかく高い順位を目指していくために連勝が見たいですね。

おわり。

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