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右利き左サイドの選手が試合を決定づけるコツ③-リベリ選手


前回は、ロッベン選手のプレー映像を反転させることで右利き左サイドとして例に挙げさせてもらった。

今回は、そんなロッベン選手と同じくバイエルン・ミュンヘンでプレーするリベリ選手の活躍し続ける秘訣を徹底解剖していこうと思う。


フランク・リベリ
個人技でゴールに迫っていく力がある上に、同じサイドの味方SBなど仲間を使って敵陣を崩すのも得意。駆け引き上手。


彼がボールを持った時、多くの場面でSBのアラバは外or中からオーバーラップしてくる。
これがミソで、
外からオーバーラップする時はリベリと対峙しているDFが、
中からオーバーラップする時は中でカバーリングの準備をしているボランチが、
SBのアラバに引きつけられて攻撃するためのスペースが生まれる。
彼がフリーならそのまま使うし、それにつられて中が空いたら自ら切り込んでシュートまでいく。

基本はまず自分で仕掛けてフィニッシュ(シュート、もしくはクロス)までいく意識がありながらも、仲間の状況や敵陣の動きを把握している。


まずは、このシーンをみていただこう。↓


このシーンでは、縦に抜け出した仲間を使おうとしている。敵が付いて行っているため、中に持ち直している。
それに対して全体的にDFがリベリに対して寄ってきた為、逆サイドのフリーの選手にパスを出している。

こういう風に書くと、
①縦に走り抜けた仲間にパスを狙った
②中へのプレーに選択肢を変え、中に持ち直したがそれにDFも付いてきて全体的に守備陣がリベリに引き寄せられたから逆サイドのフリーの選手にパスを出した

という①と②だけに聞こえるかもしれないが、


実はボールを受ける前からシュートを狙っていて、常にどこで打てるか探りながらも他のチャンスを見ているというのが正しいところになるだろう。
「シュートを狙いながらも、仲間が良い動きをしたので縦パスを出そうとした。
それに敵が引きつけられたので、中を見たがスペースが無く打てそうになかった上に逆サイドでチャンスの選手がいたのでパスを出した。」


常に隙あらば、シュートを打とうという意識の元プレーしている(→プレーの怖さ)のだろう。
彼がパスだけを探していたのだとするならば、おそらく相手はそれを読みパスカットしていただろう。
プレーに怖さが無い場合、相手は予測しやすく対応もしやすいのだ。
逆にプレーに怖さがある場合、相手はそこについていかなければやられてしまうという後手を踏む形になる。これが主導権を握るということだ。

最後のパスの時だけはあまり良い状態ではないが、チームとしての組織としての動きとリベリの判断で主導権を握りながらプレーできた良い例だといえる。


次はアラバのオーバーラップがあるシーン。↓

冒頭でも話したように、このようにオーバーラップを使ってチャンスを作るシーンもある。
*この時に大事なのは、まず自分でシュートまで持っていこうとする気持ちを持ちながら運ぶこと。そうすれば、自分に敵は集まって来て、オーバーラップしてきた選手はフリーでプレーできる


さらにこのようにアラバのオーバーラップに対して敵が少しでも反応している時は自分でシュートまでいける。↓


そして、次のシーンでは、ズラしてシュートを打とうとしているが敵が中を固めてきた為、そのまま縦に運び直してシュートまでいっている。↓ 


このようにオーバーラップが無くても、個人の力(武器)で駆け引きできる力もある。


何が強みか?
身体も強いし、足も速いし、テクニックもあるが、それ以上に常に主導権を握りながらプレーできる駆け引きの能力の高さと攻撃のバリエーションの多さが特徴的でそれぞれの攻撃のレベルが高い。
だから相手は、常にリベリに振り回される形でディフェンスしなくてはならなくなる。

そして、一番の肝はゴール前では自分でシュートまでいこうとする意識があることだ。
それがベースにありつつ、他のチャンスも天秤にかけてプレーを選択出来るというのが彼の本当の強みである。

サイドアタッカーといわれる部類の選手には、様々な選手がいる。サイドの選手として、試合で活躍するためのコツとしては今回、2人の選手の紹介となったが、これと良い状態の記事を合わせて読んで身につけてもらえたら十分、試合で活躍できるだけの力はつくはずだ。


今回紹介させてもらった、リベリ選手は個人技とチームでサッカーをする力がうまく掛け算できたハイレベルでバランスの取れたプレーヤーでもあるので、皆さんも是非注目してみてはいかがだろうか。



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