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エンタメ×テクノロジーで食の体験価値を向上。新スイーツブランド『col.a.fruits』(カラフル)とは

株式会社フードテックキャピタルは、若年層から圧倒的な支持を得る史上最大級のファッションフェスタ 「東京ガールズコレクション」をプロデュースする株式会社W TOKYOとの協業を発表しました。

両社が誇る「食」「エンタメ」「テクノロジー」領域における強みを集結させ、テイストとパッケージボトルをパーソナライズできる新スイーツブランド『col.a.fruits(カラフル)』をリリース。また、『col.a.fruits』の1号店として2022年9月8日(木)に新宿マルイ 本館1階にて新店舗をオープンしました。この協業の経緯や『col.a.fruits』の目指す世界観について、代表取締役 CEOの鈴木大徳が解説します。


W TOKYO社との協業による新事業

――新スイーツブランド『col.a.fruits』の概要をお聞かせください。

『col.a.fruits』は、フルーツを使用したパーソナライズドリンクブランドです。ドリンクには、フルーツラテとフルーツティーの2種類を用意しています。自分の好みのフルーツを選び、甘さやトッピングなどをカスタマイズできます。

さらに、パッケージボトルには名前の印字が可能です。色やメッセージ、ロゴイメージをパーソナライズして楽しむことができ、世界にひとつだけのオリジナルドリンクを作ることができます。また、ドリンクを店頭で受け取る際には、その内容がデジタルサイネージで映し出されます。オリジナルのドリンクと空間を楽しめる、体験型の商品です。

――どのような経緯でリリースする運びになったのでしょうか?

『col.a.fruits』はW TOKYO社との共同事業としてスタートしているので、まずはW TOKYO社のビジョンや活動について説明させてください。W TOKYO社は「すべてのIP(ヒト・コト・モノ・地域)が輝く世界をつくる」をビジョンに掲げ、「すべてのIP(ヒト・モノ・コト・地域)のまだ見ぬ価値を共創し、独自のプロデュースノウハウを軸にその価値を最大化させる」というミッションのもとに活動しています。

W TOKYO社の代表的な活動は「東京ガールズコレクション(以下、TGC)」です。TGCは日本最大級のファッションの祭典として知られ、もともと東京近郊で開催されてきました。しかし、地方と東京の体験格差がある現状を踏まえ、2015年からは「TGC地方創生プロジェクト」を発足し、北九州・広島・富山・静岡などでも開催してきたのです。

また、同社はSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)をはじめとする社会課題の解決にも取り組んでおり、パートナー企業や地方自治体とともに、SDGsの実現に向けて活動しています。食の領域でいえば、フードロスや日本の抱える農業問題などを、主にZ世代に向けて訴求するといったチャレンジをしている企業です。

一方、フードテックキャピタルのミッションは「飲食産業をテクノロジーでもっと進化させる」です。コロナ禍の影響もあり、どの飲食店も苦戦しています。これまでの飲食産業は「安くておいしいものを提供すること」を大切にしてきましたが、そのビジネスモデルを今後も継続していくことは難しいでしょう。薄利のために、働く人にしわ寄せがいったり、事業継続が難しくなったりしている状況をテクノロジーで改善するのが、私たちの役割です。

そんなW TOKYO社とフードテックキャピタルがお互いのビジョンに共感したことが、今回の共同事業につながりました。W TOKYO社はエンターテインメント、フードテックキャピタルはテクノロジー。それらの力を組み合わせて、顧客の体験価値の向上にチャレンジするために、新スイーツブランド『col.a.fruits』をリリースしました。

『col.a.fruits』は「color」と「fruit」を掛け合わせた造語です。また、「col」という言葉にはいろいろなものが集まるという意味合いがあります。“色”は非常に魅力的で、見ているだけで楽しい気分になるようなパワーがありますよね。色とりどりのフルーツを通して、たくさんの楽しさや嬉しさが集まってほしいと思い、命名しました。

数ある食品のなかでフルーツを題材に選んだ理由は、地方創生への思いが影響しています。日本の各都道府県では、その土地の名産のフルーツが四季折々に実ります。種類が豊富で、季節感を味わえます。カラーバリエーションも幅広く、見た目も魅力的です。まさに、日本が誇る宝ですよね。

牛乳やお茶と組み合わせるドリンクにしたのも、同じ意図があります。牛乳もお茶も、日本で生産されている重要な食品であり、これらを消費することで地方創生につなげたいです。また、牛乳の廃棄問題を解決したいという思いもあります。近年、コロナ禍の影響で学校給食がなくなり、牛乳を廃棄せざるを得ない事態が起こりました。また、シーズンによって需要にばらつきがあり、夏は売れるけれど冬は売れないといった問題があります。『col.a.fruits』がこれらの社会的な課題を解決するきっかけになればと考えています。

フードテックキャピタル代表の鈴木大徳

Z世代に向け、”パーソナライズ”に注力

パーソナライズを組み込んだのは、SNSを強く意識してのことです。現在、Z世代を中心とした消費者の行動パターンは、SNSの影響を大きく受けています。たとえば、ファッションや飲食店などを知って、実際に足を運ぶきっかけがInstagramやTikTokになっています。SNSで有名人や友だちの行動を知り、それを入り口として自分自身の行動を決めているのです。

『col.a.fruits』をパーソナライズすることで“自分だけの体験”ができると、消費者はSNSにアップしたくなり、拡散して大勢の人に知ってもらいやすくなります。つまり、情報の入り口と出口としてSNSを意識することで、商品の価値や顧客体験の価値を向上させようとしています。

――具体的にはどのような部分をパーソナライズできますか?

『col.a.fruits』のパーソナライズの要素は、味・パッケージボトル・デジタルサイネージの3つです。味は、牛乳またはお茶の2種類のドリンクに、それぞれ7種類のフルーツのフレーバー、計14種類から選べ、さらに甘さやトッピングも選択できます。パッケージに関しては、自分の名前を入れられ、好きなスタンプを押せます。

さらに、ラベルカラーも豊富に用意しているので、オリジナルなデザインを手軽に作れます。スマートフォンでオーダー・決済し、商品を店舗にあるロッカーで受け取るシステムです。オーダーしたパッケージ・色・メッセージに応じて、デジタルサイネージが映る仕掛けになっています。

カスタマイズを反映したオリジナル体験を演出することで、画像や動画を撮影し、InstagramやTikTokにアップしたくなるような仕組みを構築しました。また、デジタルサイネージのクオリティにもこだわっており、国内外のデザインアワード・広告賞を多数受賞し、2025年の大阪・関西万博のパビリオン2館も担当するBascule社に依頼しました。

――『col.a.fruits』は推し活にも適していると伺っています。

『col.a.fruits』は、推しの名前を入れたり、推しのカラーでラベルを作ったりして、推しをイメージしたパッケージにできます。さらに、店内のフォトスポットで、ぬいぐるみやアクリルスタンドなどと一緒に写真が撮れるため、推し活との相性が非常に良いのです。

col.a.fruitsの店舗。フォトスポットが設けられており、ドリンクの写真を自由に撮影して楽しむ

推し活はこれまでごく一部の人の閉じられた趣味でしたが、今はSNSによって推し活をするファン同士のつながりができています。価値創造という視点で考えると、とても重要な活動だといえます。また、推し活は昭和のアイドルブームから、形を変えながら現代まで脈々と続いているものですから、決して一過性のブームではなくこれからも続きます。

単に食品を売る店ではなく、プラットフォームを構築したうえでエンタメやコンテンツとも連動させる。こういったプラットフォームが全国各地にたくさんでき、面白いコンテンツが展開されると、地方創生や体験格差の解消につながります。

先ほどのW TOKYO社との協業に絡めた話もすると、2022年9月3日(土)に開催された『第35回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2022 AUTUMN/WINTER』では、『col.a.fruits』のプロモーション第一弾としてお披露目し、会場で2万人、リアルタイム視聴でのべ800万人の方々に見ていただきました。これだけの人数の方に向け、ステージ上から芸能人の方々がブランドのオープンを告知してくれるのは、非常にインパクトが大きかったです。メディアやSNSと連動した情報拡散のモデルケースになったと考えています。

『col.a.fruits』により食の体験価値を高めていきたい

――今後の事業展開についてお聞かせください。

TGCはいずれかの都道府県で定期的に開催されており、地方の企業や自治体と組んでさまざまな活動をしています。『col.a.fruits』も同じように地方の方々と協力し合い、食とテクノロジーのパワーを活用しながら事業を展開していきたいです。まずは、すでにTGCの開催が決まっている山梨や静岡、北九州と連携していく予定です。たとえば山梨であれば名産のシャインマスカットを推すといったように、地方創生につなげます。

今後は、デジタルサイネージもカスタマイズし進化させていこうと思っています。各種のコラボレーション企画をする、NFTを活用したオリジナルコンテンツを作成可能にする、SNSのためのダウンロード機能を設けるなど、さまざまな構想があります。また、システムの改善やデータ活用などにより、よりパーソナライズの機能も充実させたいです。

店舗展開も段階的に拡大していく構想があります。全国主要都市からスタートして、国内の各地域に出店し、ゆくゆくはアジア、特にASEANに展開するのが目標です。ASEAN各国では日本のエンタメや食の人気がありますし、インドネシアなどZ世代の人口が多い国がたくさんあり、チャンスの大きいマーケットだと考えています。

col.a.fruitsの店舗の受け取りロッカー。
カスタマイズしたボトルのデザインがサイネージとして映し出される仕組み

――最後に『col.a.fruits』を運営するうえでの今後の意気込みをお願いします。

私たちのミッションである「飲食産業をテクノロジーでもっと進化させる」を実現するためには、食の体験価値の向上が不可欠です。飲食産業のビジネスモデルの構造上、コスト削減やオペレーションの改善には大きな価値があるものの、それだけでは収益の向上に結びつきにくく、根本的な課題解決は難しいと思っています。「安くておいしい店」は世の中にあふれているため、その路線だけで勝負を続けては、飲食産業の方々が消耗してしまうのです。

だからこそ、『col.a.fruits』が食の体験価値を高める、ひとつのきっかけになればいいなと思っています。『col.a.fruits』には、エンターテイメントとの掛け合わせやDX、パーソナライズ要素の取り込みなど価値創造のための工夫が詰め込まれています。トッププラットフォーマーであるW TOKYO社と一緒に、飲食産業の新しいあり方を生み出していくのが目標です。

また、私個人としても『col.a.fruits』は大きなチャレンジです。私はもともとファイナンス・財務・経営コンサルティングの出身であり、企業経営についてはスペシャリストであるものの、こうした新規事業開発は未知の領域でした。飲食産業でのDXを促進し、テクノロジーを駆使してこの業界を盛り上げるためにフードテックキャピタルを設立しました。私たちの事業によって、日本の食文化を大きく発展させ、「食の未来」をより明るいものにしていきたい。『col.a.fruits』がそのための有効な手段になればいいと思っています。



<『col.a.fruits』公式サイト>

<col.a.fruits新宿店>