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青森伝統工芸「津軽びいどろ」を話してみる。

いいものだから紹介したい。
ただそれだけです。

青森ってまだこんなもん隠してたんだーと思って頂ければこの記事は作って正解です。

青森の新しい「ガラス工芸」

生まれも育ちも青森県で、田舎の津軽弁小僧が専門学校に入学するまでの18年間は
何も無い田舎という、皆さんのイメージ通りの田舎で過ごしました。

ニンニクとリンゴとマグロが有名だけど、近くでは作っていなく、名産品と言われてもピンとこない場所で育ちました。

故郷に思い入れもなく成長してきたように思えます。

ある日、母が実家から送ってきてくれた段ボール箱に「津軽びいどろ」が入っていました。

僕が実家を出てからやっとこさ出店してきたスターバックスとのコラボ商品でした。



初めて聞いたそのガラス工芸は一瞬で僕の心を射止めました。


津軽びいどろとは


わたしの祖母の家には「浮き玉」が飾られていました。

ご存知では無い方もいらっしゃると思いますが、
漁に出る際、ポイントごとに目印として浮かせておくガラスの卵で、今ではオレンジ色のプラスチック製のボールになっています。

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青森県ではこの「浮き玉」が国内生産一位だったこともあり、昔からガラス工芸の文化がありました。

ありましたと言っても僕らの生活には接点がありませんでしたが、、

この浮き玉で培った技術「宙吹き」はプラスチックの浮き玉に置き換わった今でもガラス工芸として職人さんに受け継がれて行っています。

その技術をふんだんに使った工芸品が「津軽びいどろ」です。

僕自身全く知りませんでしたが、一つ一つ手仕事で作る手作り感は本当に懐かしくどこか新しい感覚に襲われます。

詳しくはこちらからご覧になれます。



津軽びいどろの何がいいのか

津軽びいどろは一つ一つの味があります。
僕自身とても気に入っている点は三つあります。

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口元の優しく丸みを帯びた厚めのガラス


津軽びいどろは全体的に厚めのガラスでできています。
とくにタンブラータイプの津軽びいどろは、キンキンに冷えた飲み物でも口元の厚いガラスが優しく冷たさを伝えてくれます

少しだけ大きいサイズだけどボコボコとした愛しい表面


また持ち手にも特徴があります。タンブラーの表面は手仕事が生み出すボコボコとしたくぼみがあります。

タンブラーのサイズは普通の人が握るにはほんの少し大きくできています。

もとよりその大きさで考えられているのか、ガラスの厚さがそうさせているのかわかりませんが、表面のボコボコのおかげで全く心配なく掴む事ができます。

手仕事ならではの優しい凹凸は美しいガラスの仕上がりと相まって、ほっこりとした一時を作ってくれます。

多彩なカラーと独特の模様

津軽びいどろはたくさんのカラーバリエーションがあります。

最近は「さくら」「あおりんご」が登場しました。

津軽びいどろはガラスが出来てから色を塗る方法ではなく、
ガラスを作る過程で色味のあるガラスを砕いたものを加えることで焼成過程できれいに溶け出し独特の模様を作っています。

焼き上がらないとわからない楽しさとパステルカラーのように綺麗にガラスに溶け込んでいる「色」には何か特別なものを感じつつ、うっとりとしてしまいます。 


本州を離れても魅了するガラス工芸

津軽びいどろは今ではさまざまな場所で目にする事ができます。

わたしは函館の赤レンガ倉庫で見つけました
文化的にもアイヌの言葉や料理が少し混じっている青森県北東部よろしく、津軽びいどろは函館でも多くの人に愛されています。

東北は米がうまいと思う方も多いかもしれません。世界一の降雪量を誇る青森県では冬の間に何十メートルの高さにも及ぶ雪が、春と同時に緩やかに溶け始め、自然の濾過装置をゆっくりと通り過ぎて綺麗な水に変わります。

その美しい雪解け水は海にも流れ、ホタテを始めとする多くの海産物の生命の源になります。


同時に湧水は青森県のおいしいお米の元(晴天の霹靂)となり、秋にはたくさんの美しい稲穂で囲まれます。

そこからできる日本酒文化。これが多くの方が想像している東北の日本酒のルーツだと思っています。

津軽ビードロは日本酒用の器やビールグラスなど様々なものになっています。

愛らしいフォルムと優しい色使い、しっかりと大きいけれど落ちにくい細やかな配慮は自宅での一杯の価値を高めます。

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さっぱりとした涼しい夏が短い青森県。


冬のイメージが濃厚な青森県でも暑い夏を涼しく乗り切る最高のガラス伝統文化だと思います。


興味があったら見てみてください。



働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。