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【読書セラピー】(後編)リーダーになる人のたった1つの習慣|感動のメカニズム 心を動かすWork&Lifeのつくり方

本書は20万人の人生を変えたメンターが語る
部下が最大限に力を発揮したくなる方法です。


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。


今回は前回の記事の続きです。


前回の内容をざっくりと説明します。


本書は赤字のカラオケ店は3店を
1年間で業務改善をする
プロジェクトのお話です。


柴田正光さんが代表を務める
経営者育成スクールの生徒である

武田さん、五十嵐さん、間宮さんの3人は

店長として
それぞれの店を任されてました。

柴田正光さん役で著者の福島正伸さん。


まず間宮さんが結果を出し

C店を業績改善!


次に五十嵐さんが結果を出し

B店を業績改善!


そして…武田さんだけが
結果を出せずにいました。

一番条件が良いA店だったけど…


ここからは

  • 武田勝也さんは何を失敗したのか?

  • リーダーになる人のたった一つの習慣とは?

  • 柴田正光さんがこのプロジェクトを
    企画した真の目的とは?

  • なぜ私がこの本を紹介したのか?

以上を順に解説していきます。


◆本当の戦略とはみんなが勝つ戦略である

なぜ一流大学を卒業後に
外資系のコンサルタント会社で
結果を出してきた武田さんは

今回は上手いっていないのか?


私の過去にも似た経験があるので
お話しさせてください。

本書は実話をベースにした話らしいです。

実は私もコンサルタントデビューで
同じようなことをしたことがあります。

焼肉屋さんの業績改善で
1年間店長として現場に入りました。

その時に私も武田さんと同じ失敗をしました😅


「私が来たからには
この店の業績を必ず回復してみせる」

「私にはそれだけの経験と能力と戦略がある」

恥ずかしながら…私もこんな感じでした😅


また最悪なことに

武田さんは部下に具体的に
「こうしなさい」

こと細かに部下に指示する
マイクロマネジメントを強要します。

「ここに一人ひとりの指示書がある」

「どうすればA店が成功するかは
全てここに書き出してある」

「私が帰社するまでに
全ての指示を終わらせておくんだ。
いいな!」

武田さんは大きな勘違いをしています。

上司と部下の関係はおいて
上司には人を動かす権限があると
思い込んでいたことです。


これには柴田さんがピシャリと言います!

「上司が持っている権限とは
部下よりも先に困難に挑むことが
できるということだよ」

「人は権限で動くことはない。
もし動いているようなら
動いているふりをしているだけだ」

「ではどうしたら部下が動くのですか?」


「共感だよ」

「共感した者は
上の人間が見ようが見てまいが
本気になって動く」


「それじゃ共感してもらうには?」

「部下はね、上司が困難に
立ち向かう姿に共感するものだ」

「つまり君が夢に向かって
困難を楽しむことだよ!」



でも、武田さんは
今ひとつ納得してない様子。

柴田さんは理想論ばかりだ。
経営者の視点とは思えない!


そんな時に事件が起きます。

なんと!スタッフ全員が辞表を置いて
店から消えました😅


武田さんは慌ててスタッフリーダーの家を訪ねて説得を試みます。

スタッフリーダーから提示された
スタッフを連れて店に戻る条件はたった一つ。


武田さんが店を辞めること」でした。


その後、新しいスタッフを求人するも集まらず
1ヶ月も休業状態。

武田さんは、スタッフリーダーに
カタチだけ頭を下げることで😅

辞めたスタッフを呼び戻してもらうようにお願いしました。


私もスタッフとの信頼関係を損ねて
それから3ヶ月ぐらいはスタッフとの関係に悩みました。

だから、余計にこの言葉が胸に刺さります。

人を育てるというのは
人をやる気にさせること

私は、その後にスタッフとの信頼関係は
構築できましたが
武田さんはプライドが邪魔をします。


◆悩むということは成長すること

悩むということは、
過去の自分のやり方が通用しなくなる時です。


悩んでいる武田さんに
柴田さんが問いかけます。


「君はどうして私の講座を聴きにきたんだい?」

そこにヒントがあるかも知れないよ。


武田さんは深く考えました。


武田さんはコンサルタントとして
高い評価を得ていました。

これだけ仕事ができる自分が独立して
会社の経営者になるのは当然だ
と思い始めたのです。

ただ、起業するとなると
漠然とした不安が襲いました。

だから経営をする側に立つ前に
準備をしたいと思ったのです。



コンサルティングをやっていたときは
理論や分析があればよかった。

しかし、
いざカラオケ店を経営してみると
理屈では解決できない
「人」の壁にぶつかりました。


武田さんは振り返ります。

コンサルティングをやっていた時も
武田の部下はみんな顔色が悪かった。

最初の1ヶ月くらいで
ついてこれないものと残る者が
はっきりと分かれてました。

残った部下は従順で
確かに俺のいうことをよく聞いた。

しかし
楽しそうに働いている姿を
見せることはなく

皆おとなしかったのです。


二股の道どちらに進んでも
その先はまた二股の道
夢を忘れなかった者だけが
夢にたどりつく
悩んでいる時間が長いほど
抜け出たところには強い信念が待っている。
本当の戦略とは、みんなが勝つ戦略である
リーダーになる人のたった1つの習慣:第10章より


◆人を変えたければ、その人を感動させればいい


いよいよ一年の期間が迫ってきました。


月例会議での議題は
武田さんのA店の問題について
みんなで話し合うことでした。

突然、五十嵐さんが言い放ちます。

「柴田さん、もう話し合う必要なんかありませんよ!」


その発言に柴田さんびっくり!
「五十嵐さん、何を言っているんだ…」


「もう話し合う必要なんかありません。
武田さんの店に私の店のスタッフを
手伝いに行かせます」

ツンデレでした。


続けて間宮さんも

「私の店にもきっと
手伝いに行きたいスタッフが
いると思います」

「それに私の店の改装費が
100万円余ってます。
よかったらそれも使ってください」


武田さんは二人に尋ねました。

「どうして私の店のために
そこまでしてくれるですか?
なんのメリットもないのに…」


二人は顔を見合わせてから
同時に答えました。

「仲間ですから!」


この時、武田さんは
本当に信頼できる仲間を得たときの
一体感を得ました。

他人とのつながりの中で
自然と湧き起こってくる意欲と
素直な気持ちです。

本当の戦略とはみんなが勝つ戦略である

私もリーダーの孤独を
味わったので共感します。

だからこそ仲間を得たときの感動は
忘れませんよね。




その日の夜に柴田さんがA店に訪れました。

A店のスタッフリーダーの男性が
相談のために呼んだのです。

「A店を辞めたスタッフの多くが
次の仕事がなくて困っている。」

「それにA店にお客さんを集める方法も
考えないといけない」


A店のスタッフリーダーさんも
武田さんがいなくて困っている様子。

柴田さんは
悩めるスタッフリーダーさんに
武田さんを感動させる作戦を授けました。

ただし、
この作戦を実行するには
大きな壁があることも告げました。


「それは君の感情という壁だ」

たしかに難しい課題です。
今まで罵倒してきた人間を許し
受け入れなければならないのですから。


相手を変えたければ
相手を変えるためにやるんじゃない

自分が相手を信じて
純粋に相手に尽くすためにやる

その気持ちでしか
相手を変えることはできない

相手に期待しないこと
そして自分に負けないこと。


「…わかりました」
スタッフリーダーの男性は
うなづきました。


◆信頼できる仲間がいれば、乗り越えられない困難はない

雪がちらつくある日に
スタッフリーダーから武田さんに連絡が入りました。

二週間後にA店で会うことになりました。

スタッフリーダーは武田さんを奥の部屋に連れていくと…

🎉 🎉 🎉 🎉


「武田店長!お誕生日おめでとうございます」


中央の大きなテーブルには
スタッフ手作りの大きなバースデーケーキが
置いてありました。


みんなが武田さんのために書いた手紙を朗読しました。

「なんて無神経な人だと思ってました…
でも細かく指示してくれたのは
仕事の仕方を教えてくれるためで
全ては自分の勉強不足のせいだとわかりました」


全員が読み終わった時、
感謝の手紙が武田さんに手渡されました。
そして

「店長、すみませんでした。
そして、ありがとうございます!」


武田さんは人前で、初めて泣きました。
たくさんの拍手の中で、恥ずかしげもなく
大声をあげて泣きました。


その後、
武田さんはA店のスタッフ全員と
力を合わせて瞬く間に
業績を改善することに成功しました。

その企画をほとんどは
武田さんが当初に出したものでした。

また、
武田さんは細かい指示をやめました。

言葉を選び、
相手を尊重する話し方を
心がけるようになりました。


人を変えたければ、
その人を感動させればいい
リーダーになる人のたった1つの習慣:第8章より




◆リーダーになる人のたった1つの習慣とは...

武田さんは
今まで仕事をやる以上は
成功しなければならないと
ずっと頭にあったのです。


仕事がうまくいくかどうか
「幸せ」になれる基準だったのです。


しかし今は
本当の仲間に出会えて
幸せを感じています。


お待たせしました。

結論である

リーダーになる人の
たった1つの習慣とは...


それは、
仲間を信じ一緒に感動することでした。

仲間を信じ一緒に感動する



実はですね。
結論は最後に発表すると宣言しておいて
見出し画像で布石を敷いておりました😅


私は本書から教わったことがあります。


事業の目的は
みんなが幸せになること
でした。


その幸せとは、
他人や社会との一体感の中で
感動の日々を送るとでした。

幸せとは、
そこで感動できる生き方
することだったんですね🤔


さて、これでめでたく
3店舗とも黒字になり
めでたしめでたし...

なんですが、
本書のエンディングは別にあるのです!


なぜ、柴田正光さんが
店長経験のない3人を使ってまで
営業不振店舗の再生を仕向けたのか?

そこには、ある秘密がありました。

◆事業の目的は、みんなが幸せになること

柴田正光さんがこのプロジェクトを
企画した真の目的についてお話しします。


柴田さんは、
3店舗が業績不振になった
本当の理由をカラオケ店の社長に説明します。

すべての元凶は社長です。


社長はいままで
業績の悪い店の店長に対して

「業績を回復させろ!」
「もしできなければ罰を与える」

と言ってました。

人は罰によって行動するフリをし
信頼によって自ら行動します。


ではその信頼とはなにか?

相手をそのまま受け入れて
自らを成長させること
です。

相手が受け入れなければ
こちらも受け入れることもないでしょう。

そしてその上で
自分が相手の見本となって行動する
のです。

信頼とは自分を変えることで
相手を変えること
にほかなりません。


さらに、
このアホ社長は
業績の悪い店長同士を競争させました。


それによって店長同士が
助け合うことが
できなくなってしまった
のです。


他人は競争する対象ではありません。

信頼して支援する対象です。

お互いがもっている経営資源を共有して
ともに成功することが大切なのです。

競争とは昨日の自分とするものです。



ビジネスには二つの成功方法が
ありました。

一つは将来大きな失敗をする成功方法

もう一つは
将来大きな成功を収める成功方法です。


つまり
助け合う風土を作り上げることが
より大きな成功へとつながる
方法なのです。

要するに柴田さんは

社長自身が変われば全て変わる
ということを

一年かけてこのアホ社長に
理解させたのです。

もしここも実話ベースの話だったら
すごいプロジェクトですね😆


◆感動のメカニズム 心を動かすWork&Lifeのつくり方


最後になりました。

私が、本書を紹介した理由を書きます。


本書が出版されたのが2008年です。

私も以前に読んでから
ずっと本書のことは忘れていました。

ところがです。


最近になって

前野隆司さんの著作
「感動のメカニズム」
読んだことで本書を思い出しのです。


仲間を信じ一緒に感動する


このリーダーのたった1つの習慣

「幸福学」によって
科学的にも正しかったことが
わかりました。

前野さんの
「感動のメカニズム」より抜粋します。


まず、幸せな人とは感動の多い人だと
言えるのです。


では感動とは、
満喫・共感・フローと関係しあってます。


満喫とは

日常生活において平凡な経験でも
満喫するように心がけていると
満足度が高まることが知られています。

振り返ってみると
武田さん、五十嵐さん、間宮さんの3人は
自分がまずお手本となって

自分が仕事を楽しむ姿勢を示し
部下が仕事をしたくなるくらい楽しむことが
重要であることを学びました。


共感は
部下に動いてもらうために必要なことでした。

人は権限で動くことはない
もし動いているようなら
動いているふりをしているだけでした。

共感したものは本気になって動く。

そのためには夢に向かって
困難を楽しむ姿勢が見せることでした。


フローとは
時間を忘れるほど没頭して
パフォーマンスを発揮する状態です。

昨今は労働生産性と効率ばかり求められますが

どんなに効率的な仕組みでも
その中身は関わる人たちの意欲で
結果は大きく変わるものです。

以上をまとめると、
感動には満喫、共感、フローが
いずれも関連し合っていて

しかも、いずれも幸せと関係が深いと考えられます。


従業員の幸福度は仕事のパフォーマンスに影響しますが、
従業員の仕事への満足度はパフォーマンスに
あまり影響しないことが知られています。
感動のメカニズム18Pより


これは従業員幸福度の方が
従業員満足度よりも
大事だということです。


詳細は、こちらの記事に
本の概要が書いてあります▼



働き方改革で叫ばれた
「ワークライフバランス」とは

仕事だけでなく
プライベートも充実させて

ライフステージごとに
多様な生き方を選択・実現する
という考え方です。

しかし、ここまでのところは
あまり上手く浸透していない印象ですね。


落合陽一さんが提唱する
「ワーク・アズ・ライフ」のような
長時間やっても苦にならないほど 

好きなこと
やりがいのあることを
仕事にする。

この考え方の方が
従業員幸福度
高いと考えられると思います。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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